花がらみ その9: きみは前田草を知っているか
人の悪口を楽しく言ってる時、振り向いたら当人が後ろに立ってたなんてのは
よくある話らしい。
そこは知人が属する盆栽会が催すところの山野草展、の会場だった。
知人の住むあたりは過疎化などは関係ない地域である。モノが盆栽とは言え、
メンバーの老齢化をなんとかしたいものだという話ではあった。
会の平均年齢、124歳。
・・・そんなん、あるわきゃねーだろがと言われるかもしれない。
しかし、去年色々案内してくれたおじいちゃんが同じ夏に亡くなってしまったり
して、ここまで来れば、30歳や40歳は誤差の範囲内なのであった。(おじいちゃん
ごめんなさい、でもなるべくなら化けて出ないでね。)
一見のおじいちゃんであり、別に親しかったわけでもなんでもないのだが、亡く
なったことは知人が教えてくれた。ちなみにその知人は盆栽会の中にあって若手も
若手、最若手だそうだが、当然、小学生というわけでもなく、立派なオトナである。
平均年齢
98歳くらいにしといた方がいいだろうか??
知人はHPのプロフィールによると、どうやらタダ者ではないらしい。が、惜しい
かなそのタダ者でなさの中身が私には理解できない。ゆえに、「よくわからないけど、
盆栽好きで、車には演歌を欠かさないおじさん」といった評価になってしまうので
ある。多分向こうも「よくわからない、ネット仲間の変な園芸おばさん」なぞと思って
いることだろう。で、そのまんま、仲良し。趣味仲間ってすごい。
で。その彼の属するところの山野草展なんであった。
山野草展における草たちときたら、何故あんなに美しいのであろうか。
棚からいいのをひいてきたのだから当然だが、みょーーにきらきらしている。
あらあ、いいもの見っけ。鉢に挿してある名札についている名前。
前田、と書いてある。他の人のと鉢が混ざらないように名札の裏に名前をつけている
らしい。それが、植物の名前に見える。前田草が3種類。さっすが加賀百万石〜。
そこで、よしゃーいいのに「前田っていう草がたくさんありますねー!」と知人に
言ったら、「そりゃ人の名前やがな。」と軽くいなされてしまい、おまけにその横に
いたのが当の前田さんであった。うわあ、ビンゴ〜。
前田さんは見かけによらず実は性悪のケチくさいひねこびたおっさんで、後で知人
がいびられたりしたらどうしよう?と少し心配したが、前田さんはそんな人物では
ないらしく、私が力一杯物欲しそうにしていた鉢を、気前よくくれたのであった。
「そんなのはそのへんにいくらでも生えているがな。」と前田さん。
そう、名前を調べる気にもなれないほど、そのへんに生えてる草なんですよね。
ただ。そのへんに生えてるのは、葉が黒くないんです。その黒い葉と、黄色い花の
とりあわせがなんとも美しくて。隣には斑入りのスミレも生えてるし。
そんなわけで、暴言吐きながら収穫を得てしまったのだったよ。
つるかめつるかめ。