君は「しのようじん」をしているか

 「通いのネコ」はますます調子づいてきている。
というのも、犬がいるのを気の毒に思った私が、カリカリのキャットフードを
常備するようになったからである。うちに来さえすれば、まがりなりにもエサには
困らないとなれば、ましてネコは通ってくる。

 そして我が物顔は堂々たるものとなる??
先日などは、にゃーという声と共にばーんという音で駆けつけてみれば、ネコが
立ち上がって万歳ポーズで網戸に体当たり、「開けろ」と要求していたのであった。
(腹毛が蛍光灯に反射、まぶしく白かった・・^^;)

 それでは網戸が壊れるではないかといえばそんなことはなく、隣家では以前
飼ってた犬に網戸をぼろぼろにされたので、そのへんだけは躾たと聞いている。
ネコは網を切らないためもあって、立ち上がってお腹で体当たりしたのである。
網戸を開けてやるとネコはすぐさま入ってきて、エサを食べた・・・。

 このネコは、エサももらうが、スズメも捕まえる。
ある日も、スズメをくわえてうちの庭にやって来て、アジサイの下で食べていた。
が、それだけでは足りなかったらしい。ネコは私にエサも寄越せという。

 実のところ、その日私はちょうどカリカリフードを切らしていた。
仕方ない、ネコの身体には悪いけどちょっとだけならと、私は冷蔵庫からベーコン
出し、パックからちぎってはやったのである。ネコは途中でひょいと顔をあげ、
パックを見た。それは最後のベーコンだった。

 ネコは1枚きりのベーコンを全部食べ、また外出して行った。
そして、またスズメを1羽、とってきたのである。
あのときは、参った。

                 xxxxxxxx

 向かいの奥さんと、インターネットの話をしていた。
「最新の情報が得られていいですね。」というから、「うそか本当かわかんないのも
あるし、情報ったってどーでもいいことばかり。毎朝、すけべメールのタイトル
見るのって辛いですよ〜。熟女と交際してみませんか、とかねえ。

 ・・・あたしの交際相手は熟女ばかりだわいと思わず答えてしまいますよー。」
と笑ったら、「熟女ならいいじゃないですか、私なんて老女との交際で忙しいんです
から!」って、そういえばこの人はボランティアもやっているのである。

 というわけで、老女というとカドがたちますから、いっそ、超・熟女と呼んだら。
ああ、そりゃいいかもしれませんねー、ははははは。てなわけでそこそこ楽しく
盛り上がってお別れしたのであるが。

 帰ってから夫にその話をしたら、「いやいや、どうせなら完・熟女と呼ぶべきでは
ないだろうか。」と言う。なるほど完熟女達との交際、と言えば字面的には良いかも
しれない。しれないがしかし、音にしてみると韓流スターの名前みたいで笑える。

 「老女と交際してみませんか」っていうEメールを受け取ってみたいものである。
思わず内容を知りたくて開けてしまうことだけは間違いない。ボランティア募集の
タイトルには使えないにせよ。


 うちの自治会では、夜回りをやっている。
例の、「火の〜用〜心!」かち、かち、というやつである。
これが、春夏秋冬365日、まわってくる。ご苦労様です、というわけで私も
カーテン開けてぺこりと頭を下げてシルエットだけでご挨拶、をしている。

 お向かいの奥さんによれば、やっているのは血圧が高いおやぢの集まりで、
1時間ばかり声を出しては歩く、という状態が体のためにとってもいいものだから
健康のためもあってやっているらしい。夏ぐらい休んでもいいのにと思っていたが、
なるほど休まないのはそういうわけだったのかと納得。

 先日、新しいメンバーが入った。やはり高血圧なんだからと、皆から勧められて
入ったのだそうである。まあしかし、慣れてない。「しのーよーじん!」とよばわった
にも驚いた(一緒の人が、「火の、火の!」とあわてて教えているのまで聞こえた)が、
イントネーションがヘンで、非常にすっとんきょうでもあった。

 毎日「しのようじん」を呼びかけられるのもなんだが、思わぬ人が音痴だと知る
ことにもなり、いやあの人に「音痴」という弱味はけっこー似合うぞなどと考えて
いると新鮮というか、どーでもいいというか。

 でも、昨日、まわってきたときには、少しだけマシになっていた。
ちょっと寂しい。