花粉症、そして宗教の人
暖かい実家の山でうろちょろしてたら、花粉症が出て来た。
と言ってもそこでどうこう出来るわけではない。帰京して医者を探すことになる。
結局、転勤族のお宝のイエローページが、バス便のない両隣の駅にアレルギー科が
存在することを教えてくれた。花粉浴びながら行けってか。
しかし、医者に行くというのに、私はウキウキしていた。もしかすると、あの、
パッチ・テストとやらをやってもらえるかもしんない。あれは私のあこがれだった。
が。診療はほんの1分の会話で終わり、そんなイイモノはやってもらえなかった。
結局私は「85%の人に効く」という薬を処方された。
薬が効くかどうかを知るには二日あればいい、というわけで、医師は二日分の薬を
渡そうとする。「二日後、来れる?」と言われて二日後の曜日を間違え、「大丈夫か?」
と聞かれるオマケつき。普段から曜日に関係なく日を過してる私は、
「夫の休みが日曜日〜」とうそぶいていたのだが、こういうときは不便であるな。
診療報酬を支払うときに医師はやってきて、やっと、「花粉症については
知ってるな?」と聞いた。「まあ、大体。」と答えたら、「風呂に入れ」の、「帽子に
マスク」の、「フトンは干すな」と言ってくれたのだが。
そ、そんな!風呂にも入らず顔も洗わず、うざったいマスクや帽子に関係なく過し、
夜は暖かいフトンで寝たいから私はココに来たんですけど!!と言いそうになる。
実際、風呂と顔の問題はともかくとして、普通はそうではないのだろうか?
帰りがけに、パンフレットみたいなものを渡され、診療時間などの詳細はそちらに
書いてありますからと受け付け嬢が言う。へいへいと電車の中でめくってみれば
それは製薬会社のパンフレットで、くだんの医師のインタビュー記事が入っていた。
そこで知ったのは、医院が朝6時半から開いてるという事実である。
早朝に多いのは子供を連れた共働きのお母さんで、子供を学校や幼稚園に行かせる
べきか、それとも自分が会社を休むべきか、という判断をあおぎに来る。
それから職人さんや会社員が来て、8時頃までは戦場のような騒ぎだと。
続き、医師は山登りが好きで、ヒマラヤ登山隊に参加したこともあり、だから
毎朝4時起きでも平気なのだそうだが。6時半からお仕事開始で、職住が接近して
いるのなら、そんじゃ起きるのは6時くらいかな、と思う私も問題があるとして、
なんで二時間半も前に起きる!?
つまりその時間を使って、自分が定めたところのやるべきこと、を色々と
こなしているわけか。うーん、なんとマジメな。いやあ、こんな人に、「夫のいる
日が日曜日でえす。」なんて言わなくて良かった。
でもって、田園都市線という場所柄、住民はアッパーミドルが多く、初日の診療は
子供を学校や幼稚園に行かせていいかどうかという内容でも、翌日には
インターネットで病気について調べて来たりして、改めて質問されることが多い
らしい。だから、希望があれば資料も貸し出すようにしているとのことだった。
私にはもったいないような医者である。私としては、かかりつけの医師の好きな
場所がヒマラヤだろうがエーゲ海だろうがそのへんのゴルフ場だろうが全く関係なく、
症状が軽くなる薬を処方してくれる医者ならなんでも良いのだが。
結局私に処方された薬は、良く効いた。それを聞いた医師は、「85%の中に
入ってたわけだ。」と言った。ヘンな言い方である。85%の中に入ってて悪いか。
確かに、非常に良く効く上位10%の中に入るのはやぶさかではないが、
苦痛が軽減されるなら、もう何でもよろしい。
その翌週、「どうですか?」と言うので、「ええもう、帽子も被らずマスクもせず。」
と答えてやったら、あきれ笑いながら、「そういうの、やめなさいよ。」だって。
そうは言っても、私個人としては薬のおかげでマスクも帽子もなくても困らないし。
そのまた翌週、「飲みつづけているうちに、さらに楽になってきたでしょう?」
と聞かれたが、漢方薬とは気づいていても、体質改善もしてくれるとは知らなかった。
ここ最近は寒いから、暖かくて風がある日に確かめなければならない。
そこまではいいのだが、「マスクは有効ですよ。」と続けてくれる。
あぶなく「先生、そんなにマスクが好きなのは、何か良い思い出でもあるんですか?」
と聞きそうになる。首都圏に住む日本人の花粉症罹患率がどれほどのものかはわから
ないが、少なくとも電車に乗っている人々のマスク着用率は、それより遥かに
低そうに見える。てことは、やはりマスクは有効であろうとも、嫌われている。
それと分かっているかどうかは知らないけど、なんでやねん。
いっそ、医者自身がマスクが嫌いで、だから患者に薦めるのが楽しくて仕方ない、
ってのはどうだろう?こういうのってダメ?却下?
本当の話、庭や自宅なら、マスクはしていない。
電車やバスに乗るときなどは、万一に備えてマスクをするようにしている。
それで十分だろうと思っている。目の仇のようにして症状を気にすることもしない。
きりがないからである。
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宗教の人が来ることがある。
ケンもほろろに扱うと話が早いという説もあるが、一応相手も人間だと思えば
それなり、つまり、「素っ気無い」といわれる程度の対応をしている。
時節柄というものか、「たまには神様にすがってみませんか〜!?」と言ってやって
来るやつはいない。(時節柄でなくてもいないかもしれないが)びびらせないため、
必ず、ワン・クッションを置いている。例えば小さな子供を連れたオバサンの場合は
「早起き会をやってるんですけど。」というものだった。
オバサンが手に持ったパンフには、「なんたらかんたら倫理」と書いてあるのが
チラリと見えた。それが早起きしてまで行くほど面白いものとも思えないので、
お断りした。私としては、出来れば自宅で一人で行う「朝寝会」か「昼寝会」が好ましいと
思っているんですの、とは言わなかった。
門扉にかけているハンギング・バスケットのせいで、話しこんでしまったことも
ある。話の中身はバスケットだったので、その時は普通に話をした。最後に敵さんが
タネあかしをしたときには、なるほどこうやって会話の糸口を作るのかと感心した。
で、またやって来た。だが、せっかくなので、どんな人がこんなことをやっている
のかと、個人的事情を聞いてみた。(・・ここまでは面白かったのである。)
彼女のダンナは「北の国から」も真っ青な北海道のド田舎出身、水も川からひいてくる
ようなところで育った人で、宗教大反対!だったそうである。彼女はそれでどうした
かと言えば、「あきらめるまで待った。」そうな。
それって、どう考えたってダンナの方が正しい。大体その人、いい男なのでは
ないか。良くも悪くも「自分」であることを知っている自助努力の人で、そういう人
こそ、頼れると思えるのだが。って、そこまでは良かったのだが、この彼女が
また来てしまった。
私が面白そうだと思い、話を聞きたいと思ったのは、どこでどんな顔して暮してる
かもしれない彼女のダンナの方であって、こいつではない。そのうえこの人ときたら、
何を話しても紋切り型で面白くないのである。神様とやらの指示にそのまんま従う
クセがついているからだろうか?
「植物をやる人はやさしい。」、「インターネットなら、最新の情報が得られる。」
って、一例をあげればコレである。植物にはやさしくても人間にはキツい人なら
心当たりがあるし、最新は最新でも、最新の嘘や悪口なんてのもあるし、更新して
ない古いまんまの情報も沢山あるのだが。・・・これで会話やお世辞になっていると
思うような相手に、そこまで言うのもかったるい。わかるわきゃーないのだもの。
多分この人は同じ紋切り型の思考回路で、庭いじりというのは、長閑で暇だから
するものだと思っていて、私もそういう人間だと思っているのだろう。そして私の
周囲で園芸やってる人々はどうか知らないが、確かに私自身、長閑で暇なのである。
だって、その、長閑で暇、という部分を私自身が大事にしているのだから。
そして長閑で暇であっても、私は全然退屈していない。
つまり、私に「長閑で暇」という状態をくれて、続けさせてくれるのが、私の神様
である。邪魔する人間てのは、してみりゃ悪魔の使いってやつざんしょ?
結局、作業中にやって来た彼女を殆ど怒鳴りつけるような調子で追い返した私は、
植物やってるにも関わらず、全然やさしくなかったのであった。