話のあわせかた

 美容院に行くのは、私にとって難行苦行である。
何が嫌って、美容師と話をするのが面倒くさいのである。
先日の美容師は、男であり、31歳だった。

 彼なりに、何か話をしなければならない。てなわけで、自分は美容師なのに、
身内の男全員、髪が薄い。自分もいずれは見事なことになるだろうという悩み話?
なんかしてくれるのはいいのだが。

 しかし、私に何を言えというのか。
彼は美容師なんであるから、職業上の義務というものがある。髪が薄かろうが
なんだろうが、それなりに格好良くあらねばならぬという義務である。そしたら、
道は決まっている。つまりこの人は、「格好良いハゲ」になるしかない。
実にわかりきった話であって、もー、つまらないったらありゃしない。

 大体、ハゲるかもしれないという悩みは、私には同情出来ないものである。
だって、サンプラザ中野のファンなんだもん。(いや、別にあの頭だから好きに
なったわけではなくて、書く詞が好きなのだが、詞が可愛けりゃ、それを生み出す
頭も可愛いわけで、つまりこれは「坊主憎けりゃ」の逆バージョンなのね。)

 元々、子供時代、周囲にハゲがいなかったせいか、それとも自分の髪が多すぎる
せいか、ハゲに対し、なんら負の方向への意味づけができない。つまり、何が悪いん
だかわからないのだ。してみりゃ、「勝手に悩んどけ」ってなもんである。

 その他、年齢の話なんかになる。夫が10歳上であると言うと、驚愕している。
何故かと言えば、自分は10歳下の後輩と話をしていても、話があわないんだと。
「そのへん、どうなんすかねえ?」と言われるが、「話をしてると、なんか、本読んでる
みたいよ。」という正直な答えに、敵さんは変な顔をしている。

 少なくともうちでは、話というのは、相手と同じであることを確かめる為には
なく、持ち寄って楽しむためにある。・・・考えてみりゃ私、他人と思考回路の
違いを感じたことはあっても、世代の違い、って意識したことはないな。

 そう言えば先日ベランダにいたら、庭で遊んでいたチビ達が私がいるのを見つけ、
「あれは、誰のお母さんなんだろう?」と言ってるのを聞いたときには笑ったが。
こっちに言わせりゃ、「あんた達、どこのコ?」ということになるってのに。
(・・・これって「世代の違い」とかいう次元の話になるのかね?)

 そう言えば、若く見せようと考えたこともない。隠してるわけでもないのに、
「年がバレるわよ。」と言われて驚いたことがあるくらいで。少なくとも年齢に関して
は、聞かれれば、はっきりきっぱり大声で答えている。(そうだ、今度聞かれたら、
答えついでにヤツの目の前で、同じ年だと皆にバラすのはどうだろう?)←いけず

 そう言えば、うちは両親が若いうちに結婚したせいで、「ご両親、若いね」と言われ
続けてきたのだが、子供心にそれがどうしたと思っていた。若いうちに結婚して
子供つくりゃ、ご両親は当然若くて子供は思った以上に大きいさ。1たす1は2
だし、犬が西向きゃ尾は東、白い犬は尾も白い。(←最後の言葉だけ、なんか違う?)

 誰だって、その年までの年月は平等に流れているはずで、50才の人が40年しか
生きてないなんてこと、あるわきゃーない。ちゃんと自分なりの時間を過してきた
くせに、今更なかったことにしようなんて、図々しいにも程があるんじゃないか?

 ・・・てなわけで、帰宅してから夫に愚痴る。
そしたら、「バカだなあ、それは所謂、天気の話と一緒なんだよ。敵は実際に、
1たす1は2であると言っているわけだ。今日は良い天気ですねと言われて、それが
どーしたと答える奴はいなかろうが。大体がとこ、どこの誰とでも意味のある話や、
面白い話が出来るなんて、思っちゃいかん。」と言われてしまった。

 まーそーかもしんないけどさー。(^^;)
髪の毛を切りに行くと、もれなくそういう話がついてくるのが苦痛だっていう、
これだって立派な悩み話じゃないのー。夫の奴、冷たい冷たい、あー冷たい。
ウデはそこそこでいいから、面白い美容師、どっかにいないかしらねえ。
百歩ゆずって、よけいな話をしないウデの良い美容師でもいいぞ。

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 相変わらず小泉純一郎が好きだ。
彼は、官邸の2階か、NHKのニュースなんか見てると、そこから出て来る時に、
TVカメラに向かって、にっと笑って手をあげる。私はそれを見ると、つい
同じように、にっと笑って手をあげてしまうのである。
(かなり、バカである・・・)

 昨日、アフガンだかどこだったかUNTACの視察だったかで、純一郎は、
「気候も風土も違うところで、何十日も仕事をするのは並大抵のことではない。」
てなことを言っていた。

 実に凡庸で、実にまともなセリフである。
だが、こんなまともで、人間らしいセリフを、「首相」の口から聞いたことがない。
ああ、自分が考えついた自分の言葉だなあと思えば、私はコロっとイクのである。
(ちなみにこのセリフは首相だからイイのであって、そのへんのおっさんが同じ
ことを言ったとしても、返事は思いっきり気のないものになる可能性、大。)

 それは別にいいのだが。
先日、ブック・オフ(古本屋)に行ったら、小泉の写真集が2冊も出ていた。
「定価で買う気にはなれないけど、800円だったらイイかもしんないなあ・・」
思わずつぶやいた私に、夫の声が飛んだ。「バカ、よせ。」
「半額だもん、よろっと来るじゃない!」そう言ったら、
「いずれ100円になる」だと。(夫のばか〜、おたんこなす〜!)

 そして、またブック・オフに行ったら、写真集が、売れていたというこの事実。
定価で買って、売った人の気持ちも知りたい。800円で買った人の気持ちも
聞いてみたい。

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 先日、母に聞いた話。舞台は、例の「菜の花、桜祭り」。
同じように出展を頼まれ、余ったミカンを売ってる人がいたのだそうである。
で、その人の売店では、出展者が店番をしてたわけなのですね。

 お客さんというのは、来る時は来るけど、暇なときは俄然、暇。
それで、何を考えたか店番しながら七輪持ちこんで、シイタケ焼いて食べて
いたらしい。(私はこの、七輪持ちこむという姿勢もさりながら、そこで焼くのが
「シイタケ」であるところにえも言われぬものを感じてしまうのであるが。)

 ところがその、漂うシイタケの香りに寄って来る人もいたわけなのですね。
「それ、ちょーだい。いくら?」と聞いたんだろうとは思うんだけど、
「えっ、これは売り物じゃないんだけど。」と答えたとは思うんだけど。

 しょうがないから1枚分けてやったかどうかは、わからない。
「美味しい〜、これならミカンより売れるのに。」とお客が言ったかどうかも、
私は見てないから、わからない。しかし、同じような人が何人もいたんだろうなあ、
だってその人は、翌日からそれを売り始めたそうなのである。

 で、それが売れも売れたり、1日に2万円以上も売れた日もあったのだそうで。
私の感覚では、中くらいのを2枚つけて100円、が相場なのだが、2枚つけて
200円というのもアリかもしんない。でも、シイタケの焼いたのって、そんなに
ついうっかり、食べてしまいたくなるものなんだろうか?タコヤキみたく?

 しかし、返す返すも笑えるのが、ミカンのお客を待ちながら、「暇だから、
シイタケでも焼いて食うか・・・」って、そんなことを思いついて実行しちゃう
おぢさんなんである。いいわあ。