石川サヨリ、ボラ、そして蟹

「今日は、サヨリもらったぞ。」へ?サヨリ??
「石川サヨリだ。吉永サヨリでもいいな。」それを言うならここは石川県、
姓をつけるなら吉永、よりは石川サヨリの方だろう。しかし一体、何の関係が
あるのか、サヨリって魚のサヨリだろうが。

そしてそのサヨリの包みを開けてみたら、洗面器にしてゆうに半分以上は
イケそうな、この単位というのは問題があるような気もするが、元々はたらい一杯
ほどももらったのを、皆で分けたのだそうである。

ま、プロからお裾分けをうけるとしたらこの程度の量なのだろうと納得して、
とりあえず刺し身にしてみた。小さくて薄くて細くて面倒くさいが、
しかしひとたび口に入れればそんな気持ちはすっとぶ。
「おねえさん、お刺し身追加ね〜!」って、この場合の「おねえさん」は自分。

金沢名物蓮蒸し(小坂蓮根の皮をむいてすりおろし、少々水を切って 300gあたり
卵白1コ、塩少々、片栗粉小さじ1杯入れて混ぜたのを白身魚やうなぎの上に載せて
15〜20分蒸し、その上からだし汁と塩、醤油で作ったあんをまわしかけ、
そのまた上にわさびをのせたもの)の底にいれたり、ゆでたのをドレッシングに
漬けておいてルッコラのサラダに使ったり・・・。
洗面器1杯ぶんあっても、大して困らなかった気がする。

大体この蓮蒸しにしてからが、初めて作ってみた日からまるで蓮根農家になった
かのように食べまくっている。蓮蒸しの中身は白身魚の他に百合根などで、茶碗蒸し
の中身を想像すればいいかと思う。うちでは行きつけの飲み屋の真似をしてうなぎや
肝串、ヤキトリのネギマなどなど毎回替えているが、サヨリが一番美味だった。

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後日、近江市場に行った。仕事で忙しい夫がカルパッチョ食べたさに
「君に鯛を買ってあげるから。」というので、自分も食べたさについて行ったの
である。しかしその日は鯛にはしなかった。新鮮なボラが売られていたのである。
「ボラ700円」。あらまこのボラときたら大きい。40〜50cmくらいか??

うろこはすごいけど、この場合は話が逆だ。1枚1枚が大きいから、実にわかり
やすいのである。モノの本によれば、ウロコをつけたまま3枚に下ろし、ウロコ
ごと皮をひく、とあるが、読んだのはおろした後で試してはいない。しかしあの
ウロコをつけたままのボラに、本当に包丁が入るものだろうか???

そして、このボラを食う何者かの胃袋を尊敬してしまった。
考えてみりゃ、鳥も魚も、魚を食べるにあたって、ウロコなんてとらない。
魚にとっては、鯛も鰯も一緒なんだろうか。一緒なんだろうなあ。
でも、エビしか食べない図々しい魚もいるらしいけど。よくわからない。
誰か教えてほしい。←すぐコレだ

しかし、以前見たときのボラは、大きいのが 400円だったそうだが、季節の違いか
それとも水揚げが少なかったのか。他の店も見回ったけど、ボラはここしかない。
鯛は700円ということはないし、量的にも充分で、新鮮なのは確かである。
どうせカルパッチョなら、こんなもんでいいのではないかしら。

というわけで、近寄ってきたおじさんに、「ボラ1つちょうだい。」と言ったら。
「あ、これはね、ハコなのね。1箱で700円なの。」
えっ?とあせる私達の耳に、ぴっ、がさっ、しゅるしゅる、がささっ、という音が
聞こえたと思ったその直後、「はい700円!」おじさん、さすがプロ。仕事早い。

3尾のボラは、重たかった。果たして700円のボラを持ち帰るのに1000円の
タクシー代を支払っていいものか。いいわきゃー、ない。バスとは時間が合わな
かった。近江市場と我が家とは中途半端な距離にあって、下手にバスなぞ待つ
くらいなら歩いた方がまし、という距離なのである。しかし、重かった。

帰るなり、すぐさまさばいた。
いやあもう、こんなに大量のカルパッチョ、よそでは絶対食べられません。
普通の刺し身でも、美味だった。ヅケ丼も、ムニエルも美味だった。信じられない
ことだが、なんだかんだで、2日で、だましだまし?二人で全部食べてしまった!!
新鮮だから出来ること、なんでしょうね。きっと。ええ。げぷ。失礼。

ところで、同じ店ではサヨリは 100gが 170円なのであった。
するとあの大量のサヨリはどれくらいの値段になるものなのかと計算してみて、
驚いた。とにかく早めにとがつがつ食べてしまったが、これからはもっと
大事にしなければ??石川サヨリを???

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そしてそのまた後日。また近江市場に行った。目当ては、蟹。
石川県産の香箱蟹はとっくに漁が終わっている。3月末で、ズワイも終わり。
だというのに、近江市場にはカニがあふれまくっている。ここは魚介の一大消費地、
とにかく、各地から取り寄せてまで売るのである。それが目当てで皆さん
いらっしゃるのに、ないとは言えませんよというわけで、袖につぎあてまでして
振り袖にしてふってくれるのだ。ばっさばっさと音たてて。

しかし、相変わらず、蟹の値段ってわからない。
そして、顔を覚えられてしまったのか、店によっては声もかけてくれなくなった。
「おねえさん、これ、5000円にするよっ!」「きゃ〜うれしい〜。もう一声〜!」
って、もう一声どころか、最初の一声が飛んでこないのだ。うくく。

それでも、安いところは大体のところ、掴んでいる。
3ばいで3500円のを2箱、実家に送ってもらう手はずを整えた。
それにしても、物流とかいうものは不思議でしょうがない。どうして北陸は金沢から
静岡県の田舎までまる1日で蟹が生きたままで届くのだろうか??それも、その
蟹じたい、金沢でとれたわけじゃないはずなのに???

が、嘘や幻でない証拠に送ったとも言ってないのに届いたという電話が来て、
確かに6ぱいの蟹を受け取ったと母は言うのである。少し数が減ってても不思議では
ない気がするのだが、そんなこともなく届いてしまう。わあすごい。
あまり深く考えず、そういうものだと思っておけばいいのであろうか。

ところで、値段を聞いて安いというので母は驚きもしたが、それ以上に生きている
のが珍しくて良いのだと母が言う。「あまり長く生かしておくと自分の身を食べて
しまうから早めにゆでた方がいいよ。」すると即座に「大丈夫、そう長くはないよ!」
って、おかーさん、それって何か違うと思いませんか・・!?(^^;)

そんなこんなで、最後の追い込みに忙しいのであった。
まあ、たんなる自慢話ですけどねえ。あと何日だろう?
金沢に来る予定の人々は、ホテルや時間を早く教えるように。