金沢11月、市場、菓子、八尾

11月7日。蟹漁、解禁!!
というわけで、毎年この日になると初物の香箱蟹やズワイのために金沢の人間は
浮き立つ。いいなあ、季節や、初物のために浮き立つことが出来るっての。

北陸は、寒いも暑いもきっちりしている。暑いとなれば東京ほど暑く、
寒いとなれば雪となる。だから余計にか、金沢の人間は季節に敏感になる。
そして、季節を嫌がるのではなくて、季節を楽しむ。この間まで、近江市場の主役は
キノコだった。今年は、松任の方で、キノコを採りに行ったおばあちゃんが遭難した
とのことである。楽しむあまり、遭難までしちゃう。いいぞう!!

が、なんだかんだ言っても蟹だあ!!というわけで、とりあえずは御近所の
スーパーに。あったあった、大きさによって細かく値段をつけられた蟹が!!
あろうことかズワイガニなどはラップできつく覆いをかけられた上に値段を
貼られた姿で、あぶくを吐いては、何とか海に帰ろうとうごめいていた。(^^;)

大きいズワイガニは食べやすいが、美味しいのは小さくて面倒くさいコウバコの
方であり、金沢の人間はこちらを珍重する。コウバコは「子負箱」から来ていると
する説もあるが、コモリガエルじゃあるまいし、蟹の子(卵)は、お腹にもって
いる。だったら、「香箱」というアテ字が、美しい。



11月8日。
犀川に放流している鮭が遡上しているのが見られる、とはTVでもやっていた。
が、あれが鮭なのかなんなのか?40cm くらいもあろうという魚が2匹、本当に
犀川で見られたのである。しかし鮭にしては腹ビレが大きすぎる気がするし、お腹
の横には3つ大きな点々があったような???

懸案の新巻鮭を市場に見に行ったついでに同定に及ぼうとしたが、塩まみれの鮭
でそれは無茶というものであったか?まさか塩をふれば点々が消えるってわけでも
なかろうに。一体あいつは何ものなのであろうか。

近年の新巻鮭は、安い。これだけ送るのもどうかと思い周囲を見渡せば、乾物関係
の中に「花くるみ」があった。これはくるみの佃煮で、ほんの少し楽しみに食べる
ものだが、さすがは市場の店で、発砲スチロールのパックにどどん!と、そして
安い。小分けになればなるほど、きれいな箱に入るほどに、お高くなっていくのは
世の道理で。お裾分け先のことも考えて3つ、鮭と一緒に送る。

「村上」で、お茶する。ついてきた和菓子は「山茶花」。
友人の一人は、「百万石ミックス」の中でも、お菓子に名前がついているということ
に、非常に感動してくれた。その後、地元でとても美味しいお菓子を見つけ、お店の
人に名前を聞いたら「あんもち」と答えたのだそうで・・・怒っていた。(^^;)

帰りに、「白山の雪渓」なる日持ちのするお菓子を買った。食べると固めのメレンゲ
みたいだが、材料には卵と砂糖だけではなくて、寒天、とある。てことはメレンゲ
ではなく、メレンゲより様々な行程を経ていることは間違いない。一体世の中には
何種類の菓子があることだろう??と思わせてくれる菓子であった。



11月9日。
本屋のハシゴをして、懸案の本を買った。
その一つ、「風の盆恋歌」は、直木賞受賞作家、高橋治による、ご当地本である。
「おわら風の盆」の踊りみたさに一人で高速デビューまでしちゃった身の上としては
読むしかない。それだから、のっけから出て来る八尾の描写への感想は、
「よ〜しよし、うまいぞー」というものだった。

一応恋愛小説であり、男と女が東京と京都からやってきて、八尾で風の盆の間
だけの毎年の逢瀬を重ねる話であり、一応そーゆーことにしてあるけど、高橋治が
描きたかったのは、八尾、金沢(金石)、白峰村、がどれほど素敵かということ
なのである。

金沢をや北陸を「ご当地」にしている本がどれくらいあるかは、わからない。
室生犀星に泉鏡花は古すぎるが、北陸の冬の雰囲気をうまいこと伝えているのは
松本清張「ゼロの焦点」・・・十分古いか。(^^;)高橋治は四高の出身(結局古い)
だそうで、金沢ではとても大事にされたのであろう、この人が実に素直にこれらの
土地が好きであるということが、伝わってくる。

もーちょっと変な人が出てもいいのに、ってくらい。(^^;)