百万石ミックス

  6/9〜6/11まで、金沢では、百万石祭りだった。
一昨年は、ちょうど終わったところで転勤してきた。去年は、そこそこ見た。
初日夜は提灯行列があり、中日はパレードがあり、最終日は???忘れた。

  去年は、生まれて初めて提灯行列なるものを見に行った。
それは、たくさんの小学生たちが、「金沢市、ばんざーーーいい」「石川県、
ばんざーーーいい」というようなアナウンスに合わせて提灯を持ち上げたり下ろし
たりするものだった。ほおお、これがそうかと一種感動した。

  あれは飛行機の上から見るものですねと言って、馴染みの酒屋の奥さんにウケた。
提灯行列も、今時は子供の数が少なくなり、地区に一人当該の学年の子供がいるか
どうかで、しかも子供が行きたいと言ったら、連れていくのは地区の役員でもあり、
子供は子供で言い出したはものの、歩きなれてないので、現地到着までに疲れて
しまって本番まで保たないという話なのであった。なんだかなー。

  パレード。オープンカーに乗った市長や姉妹都市のミス・なんとかが手を振り、
地元短大のチアガールが愛敬をふりまき、お神楽の披露もいい。そのあとは、加賀鳶
が素晴らしい演技を披露し。

  それから時代絵巻きの大名行列となるはずなのだが、今年は畑の地主さんが
表千家をやられるおかげで、百万石茶会のチケットが懐にある。
時間が押していて、大名行列まで見られない。パレード見物から、撤退する。

  今年の呼び物は兼六園内に再建された時雨亭。10日の担当は、表千家。
受付に行くと、947番!?すごーい。待ち時間はときけば、「あと2時間くらいですか」
というが、「3時間待たれた方もいますから」と言われてうれしいか、っちゅーのだ。

  札をもらって、同じ兼六園内の重要文化財、成巽閣に急ぐ。こちらの方を見てから
でもいいだろう。こちらも表千家が担当だった。番号札は400番台だったが、その数
はリセットするからアテにはならないのだと後で地主より聞いた。

  去年の成巽閣は遠州流だったかがお当番で、私は生まれて初めてこんなに大量の
着物に袴のオッサン達を一度に見たのであった。オッサン達は、実に堂々と確信的に
金沢弁を話す。イヤミや当てこすりを相手に効かせるに足る充分なゆるやかさ、
優雅さ。ああ、特権階級。同じ調子を私は当地では開業医からしか聞いたことがない。

  席に上がれば、堂々たる中年男性を目指して「正客お願いできまへんか」の声が。
「いえ、私はただの旅行者ですから。」「だからこそ、よろしいんどす。」
それってフォローでしょうか?(^^;)しかし、始まってしまえば簡単だろう。

  お菓子は何処が作ったか忘れたが、皮は透き通った水色で、中身は黄身あんの、
実に上品なおまんじゅう。うまーーーい!!でも、一気食いはつらーーいい。
お茶と一緒ならいいのにと思いながら茶を待つ。やがてお茶は運ばれてきて、
うひゃー、おいしーー!!んもう、ぷはーって感じ。
何か間違えている感があるが、まあいいだろう。

  そのあとは、花だのお道具だのについての説明が。
つまりこれはティー・セレモニーと訳されてはいるが、ティー・パーティーだ。
文人飾りはカンバセーション・ピースだ。お茶が盛んな金沢ではこのために
骨董屋があっちにもこっちにもあるのだ。でも、ほんとに?

  時雨亭に、戻る。
最後の席に潜り込ませていただけた。30分と待たなかったぞ。
それにしても、時雨亭から見る風景。これが新築間もない、我が家だったら。
のっけて間もないあの苔と、つっかい棒がしてあるモミジの苗と、一緒に年をとって
いけるのに。これを見逃す金沢市民は、もったいないことをしている。

  茶席には、香が燻かれていた。
時雨亭には、今日1日だけで1000人の客が来て、最初用意したお菓子だけでは間に合
わず、2軒目に声をかけ、目の前のお菓子(たしか紫陽花という名前だったが)は
3軒目に作らせたのだそうである。

  お客は2人を残して皆若い女性であり、8割りがスリークォーター、と言って悪
ければ、流行の 7分袖のお洋服を、1割が下三分の一が透ける素材のスカートを
着用していた。うーん。今年新築の時雨亭に混雑もかまわず駆けつける人々という
のは、まあそういうことなのであった。

  翌日は、中村邸と三芳庵別荘に行った。三芳庵は、室生犀星のてびきで芥川龍之介
も泊まったことがある建物で、兼六園内にある。部屋から、滝と、池を見下ろすこと
が出来る。外の景色がゆがんで見える古い 1枚ガラスが、シブい。

  それは良かったのだが。今回は、なぜか茶の量が多すぎた。おまけに少し熱すぎ。
飲んでも飲んでも減らず、ごっくん!と多めに飲み込んだら胃がきゅううううっ、と
痛む始末。あぶなく百万石茶会殺人事件、になるところだった。裏でお茶をたてる
方々も忙しくて死にそうかもしれないが、客まで殺すなー。

  茶会は秋にも、ある。春は百万石祭り、秋は金沢城祭り、だっけか??前売りは
2500円、当日券3000円で、野点と煎茶を含め、5〜6箇所の中から3箇所で茶会を
体験出来る。お茶の量が多すぎても、3軒目の菓子屋がふりしぼるようにして作った
お菓子でも、参加しさえすれば忘れられない思い出となってくれるだろう。多分。

お茶のあと、最終地点まで急いだら、うまいこと時代絵巻きも見ることが出来た。
が、畑の地主によれば、毎年お茶会の手伝いで、パレードなんか見たこともないとの
話であった。さもあらん。ま、秋もまたチケット買うから。あらいきなり機嫌よく
なっちゃって。ほほほほほ。