横浜中華街にて
横浜中華街に行った。
なんとこれが20年ぶりかなんかである。が、だからと言って中華料理と御無沙汰だった
わけではないことはこれまで書いてきた。つまり私が中華街に縁を結ばなかったのは
中華が嫌いなのではなく、たんに私が出不精だったからなのだ。(夫は夫で中華は
嫌いではないが、遠いということと、お安くなさすぎることを理由に遠ざかっていた)
ところがその日は妹のところに田舎から母が来ていた。育児の日々を送る妹は、
手がもう2本づつあるのを良いことに、母を送りがてら中華街に行こうと言い出した。
日曜日の中華街!?が、これもお勤めというものではないだろうか??
行ってみれば日曜日の中華街は本当に混み合っていた。
今回の目的は2つ、妹に中華街の空気を吸わせてやることと、田舎に帰る母に土産を
持たせてやることである。しかし、土産と言ったところで横浜中華街なんだから、
周囲は中華料理屋と中華菓子屋しかない。この中で失敗しないためにはどうしたら
いいのか。大体、この場合の失敗とはなんなのか。
母は田舎のヒトである。都会にありがちなヒネた虚栄心なんぞは殆どない。
ということは、そらもうTVで紹介されたとか、有名人の店であるとか、色紙が
沢山飾ってあるだとか、そんな店を選ぶべきではないのか。こんだけ中華の店が
並んでいるなら値段は高め設定で横並びは確実、一方で恐ろしいほど不味い店が存在
してやっていけるとも思えない。上澄みの中の下の方をすくってしまったところで、
それはたいした失敗とも思えないではないか?
大体、大きい店は普通で、小さい店に穴場がどーこーとは言うが、「まだ」流行って
ないのではなく、「相変わらず」流行ってない店なのかもしれない。が。妹こそは
ちょっとした都会的虚栄心の持ち主であった。そういう店はつまらない、と言うのだ。
で、まだ食べたことがないから上海料理の店にしようという。メニュー選びは、
「得々コース」を最低注文人数の二人分頼んで、あとは適当に食べようと言うのである。
お昼のコース、というのは不満だったが、しかし全てを決めるのもかったりーし、
残りの範囲でヘンなものを食べる余裕がある。で、ノートみたいなメニューではなく
添付の、ぴらぴらとした一枚の、季節の料理と、上海名物料理を記したメニューの
中から選ぶことにした。各々6種類ほどある中から母が注文したのはエビの龍井炒め、
私が注文したのは骨つき肉と上海もちと野菜の炒めもの、である。龍井は「ろんちん」
と読んで中国の緑茶で、これと何かを炒めあわせたものは余所でも見た。
料理が届けられる。コースの中の、卵とコーンの、例のスープからである。
とろみがついていても何やら「薄い」感じがする。そこで、そう言えば日本で中華の
コースと言えば必ずコレなんだよなあと思い至る。コースの看板の中身は一応
あちこちでチェックしてみたが、いずれも安いコースにエビチリとこのスープは
必須で、高いのではフカヒレが必須となってた。つまり値段なりにどんなメンバー
でもびびらず食事が出来るメニュー構成である。
「私これは食べたことがない!」と言って変わった食べ物を嫌がる人はいるものだが、
何故かそういうヤツに限って、「じゃ、あんたは一人でラーメン食っとけばいいよ。
お代は別にするからさ。」と言われて素直に「うん!」とは言わないものだし、大体
そういう提案からして出て来ないものだ。(って、ここまで書くと人間としての
良識が問われてしまうんだろーなあー、私ってば。)かくして、当たり障りのない、
中華街に来てまで料理より人間関係を大事にする食事になってしまい、コース・
メニューがそれに対応するものとなっているのは無理もない。
コースの料理は最低限、不味くはないがどうも何やら「薄い」ような気がすると言う
評価はあながち間違いではないのだろう。それは味もさりながら、食べることへの
興味が「薄い」人々相手に「商売」しなければならない、料理人の味気ない思いが料理に
出ているのである。
結局、食べたような気になれたのは、ランチ・コース以外のこの二つだった。
なーんだ、これで良かったのかあ。つまり、あのぴらぴらでメニューを構成すれば
良かったのである。店のオススメと、季節限定メニューとで。よーく考えてみれば、
どこの国でも本場のまともな店ではこの二つでメニューが出来あがってるもんだし。
その後母には、帰途に「ごちそう賛歌」とやらいうTV番組で紹介されたという店で
中華菓子や肉まんを買ってお土産に持たせた。もちろん自分も買った。
こういう割り切り方が出来るというのは、私もけっこ〜「薄い」のかもしれない。
ただ、沖縄のアメリカンなケーキ屋で贔屓にしてたのと同じ、ココナツ・パイが
あったのでうれしかった。ここまで来たからこそ、ちまきや肉まんというヒトもいる
だろうが、そういえば私はそっちは買うのを忘れたのである。。(^^;)
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家庭菜園の会のティー・タイムに和菓子を作ってきてくれたヒトがいた。
花を乗せたそれを見てよくまあと感動もしたが、「これは・・道明寺ですね。」
とお菓子の名前を言ったオトコのヒトがいたのにも驚いた。姉妹がいるからか、
そういうことに無関心ではいられない人柄なのか。私には想像もつかない繊細さだ。
しかし、こんな私でも、金沢にいた頃は、お菓子の名前に喜んでいたのである。
それで大分に住む友人にそのことを書き送った。そしたら彼女も喜んで、和菓子を
買いに行ったときにお店のヒトに目の前のお菓子の名前を尋ねたそうである。
帰って来た答えは、「あんもち。」というものだった。
この話はHPのどこかに書いたような気もするが、すっかり忘れていた。
「道明寺」のおかげで思い出したのである。