情報誌と熱血中華屋

  碧羅が載った情報誌を、見せてもらった。
変てこりんな記事の作り方で、メイン・ゲストたる日本在住の中国人の大学教授は、
日本的な中華料理に理解と興味を示し、「日本のラーメンは美味しい」と語って
いて、その記事と共に3軒の店が載っているのだった。

  特集に出ていた他の2店は、金沢において、中華でご馳走食べようとするなら
ココより他になし!ってな店だった。それらの店と一緒に掲載されるということは
確かに名誉なことなのかもしれないが、本物の中華料理で勝負しようとしている
マスターがこのようなご意見と一緒に紹介されていると知ったらどれほど屈辱的な
気分になることだろうか。そうしてみれば、彼が日本語を充分に読めないのは幸運
なことであった。

  マスターが、「またラーメンの注文ね。ギョウザ、チャーハン、麻婆豆腐・・」
と、タメイキまじりに言うときには「しょーがないじゃん、おいしいんだから!」
という言葉で却下してきた。この日本語は言葉数にすれば最低限で、意味としては
最大限を盛り込んだつもりだが。

 ほんとうに、文化の違う場所で「本物」であろうとするのは難しい。
同じ記事の中で一皿 8000円の伊勢エビ料理をマスターは「素材だけで美味しいから、
料理として前面に出す意味がない」と言う。

  しかし、ナマコと伊勢エビが並んでいたら、普通の日本人はどっちをより豪華と
とるか?ホストが気張ってくれたと思うか??お客に喜んでもらうために彼が費や
した乾しナマコをもどすための2週間は、かくてあっさり無視される。そう思えば、
「伊勢エビ出したらあ?」と言いたくなる。

  4/19日。富山より知人夫妻がやって来た。3度目だか 4度目だかは忘れたが、
夫人の園芸趣味から端を発し、家族ぐるみのお友達になった。で、他の人々も交え
碧羅で食事はしたが、あまりの喜びようにそれからは、「金沢に行きます」とメール
が来れば、すなわち中華料理につきあえという意味だな、と了解するという次第。

  で、お昼だった。茄子のはさみ揚げのあんかけ、みょーーに大きくて味が濃い貝
を使った炒め物、おなじみの拉皮、豆腐料理(中華風うま煮ってかんじ)はなかっ
たが、食うだけ食った。広くもない店内を小走りで運ばれる料理のどれもが、いつも
通り火傷しそうに熱かった。