産業カウンセラーとは
1.産業カウンセラーの必要性
「近年我が国経済の著しい発展の中で、技術革新の進展、経済活動の国際化、女子の職場進出、勤労者の高学歴化等により産業現場の様相が一変している。特に高度の情報化時代に移行した結果、勤労者のストレスはますます高まりつつあり、また、恒常的な労働力不足と流動化に伴った転職機会の増加等の影響も受け、男女を問わず若年労働者から高齢労働者に至るまで、労働者の相談内容は多様化してきている。
こうした労働者の職場生活の適応上の諸問題に対して心理学的な手法により相談を行い、解決への援助ができる産業カウンセラーが広く求められてきており、今後ますますこの社会的要請は高まるものと考えられる。このため産業カウンセラーに対する能力開発とそれに対応した能力評価の実施も必要となってきている。
以上のような産業カウンセリング業務に対する社会的ニーズにこたえ、職業能力評価を推進するため、社団法人日本産業カウンセラー協会が行う技能審査を労働大臣が認定することとしたものである」(日本産業カウンセラー協会 平成4年会報特別号より)
2.産業カウンセラーの任務
「産業カウンセラーの任務は、いうまでもなく、企業従業員全員を対象として、その心身両面における健康の回復・維持ならびに増進について、主としてカウンセリング業務を通じて貢献し、ひいては各企業や産業全体の活性化と発展に寄与することをその任務とする。」(「産業カウンセリング」内山喜久雄編著 日本文化科学社)
「産業カウンセラーは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーです。心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。その仕事は、時代によりいろいろ変化してきました。最初の頃(高度成長期の初期)は地方から集団就職してきた多くの若者の援助者として、また高度成長期の最頂期には、OA革命に象徴される職場環境の激変でメンタル・ヘルスの推進者として、そして今では、リストラの中で苦しむ多くの人たちの良き理解者・援助者として活躍しています。カウンセラーは、コンサルタントでもなければ、身の上相談者でもありません。私達は、人間はより良い自己を目指して生きていく、素晴らしい力をもっているいう確信をもって、それを援助する者と考えていますから、クライエントの伴走者を任じています。 こうした活動が評価され、公的資格として「産業カウンセラー」の呼称が労働省により認められています。カウンセラーとしては唯一の公的資格です。」(日本産業カウンセラー協会)
3.産業カウンセラーになるには
「産業カウンセラー」は労働省の認定による公的資格である。初級・中級・上級の3種類あるが、いずれも試験に合格しなければならない。実施団体は社団法人日本産業カウンセラー協会で試験は、初級試験・中級試験及び上級試験の3種類あり、初級は毎年1回、中級は2年ごとに、上級は3年ごとを標準に、協会が指定する場所で実施している。受験資格は初級でも大学または旧大学令による大学において心理学または心理学隣接諸学科を専攻し、学士の学位を有する者とあるが、協会もしくは協会が他に委託して行う産業カウンセリング講座(約7ヶ月 費用18万円)を受講することにより、誰にでも受験資格は与えられる。合格率は近年のカウンセリングブームを反映して年々厳しいものになりつつある。
詳細については社団法人日本産業カウンセラー協会のサイトを参照のこと。
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