しばいにっき
| 2000年7月 | 2000年8月 | 2000年9月 | 2000年10月 |
|---|---|---|---|
| 2「ヒゲとボイン」 | 5「阿修羅城の瞳」 | 10「松竹座九月大歌舞伎」 | 8「奈良三曲協会演奏会」 |
| 15 「楽屋箏乱!出たとこ勝負」※友達と邦楽のLIVEやります。よかったら聴きに来てね! | 10「文楽夏休み公演」第3部 | 15「南座花形歌舞伎」 | |
| 11「上方歌舞伎塾修了生発表会」 | 22「歌舞伎座十月大歌舞伎」 | ||
| 16「松竹座七月大歌舞伎」 | 14「蝠聚会」 | 30「桂吉朝独演会」 | 27 NODAMAP「農業少女」 |
| 19「松竹大歌舞伎」巡業 | 20「上方落語会 双葉寄席」 | 28「RUN FOR YOUR WIFE」 | |
| 20「山崎まさよしライブ」 | 21「南座狂言の会」 | ||
| 23「文楽夏休み公演」第2部 | 25「サマージャンボ落語会」 | ||
| 26「上方歌舞伎会」 |
今までに観た芝居を全部リストアップしてみても面白いかもしれない。
チケット代合計とかさ(笑)。ま、それはやらない方が身のためかもしれないけど。
10/28 加藤健一事務所「ラン・フォー・ユア・ワイフ」 @近鉄小劇場
加藤健一、比企里恵、加藤忍、山崎清介、有福正志、高須誠、西川浩幸、石丸謙二郎タクシー運転手ジョン・スミスは仕事熱心で真面目、どこにでもいる普通の男。でも彼にはメアリーとバーバラという二人の妻と二つの家庭が?!ところがある日、スケジュールが崩れて二つの家庭が大混乱!
初演は93年。これが私の加藤健一事務所の初体験。もーもー、爆笑の連続で椅子から落ちそうになりながら涙をふきながら観て、終わった後は本当にスッキリして、『笑いによるカタルシス』というものを初めて実感した芝居でした。あれから7年・・・早いな〜(汗)。私も芝居ズレ世間ズレして、あの時ほどは爆笑できなかったけど、周りの人が涙ふきながら笑ってるのを羨ましく見てしまったけど。ひたすら知識や経験を増やすことが是なのではなくて、知らないということもある意味では幸せなんですよ。もう昔には戻れない年くっちゃった自分をちょっと悲しく感じながらも・・・やっぱり面白かったです。笑えました。
この芝居はカトケンさんはもちろん、石丸さんあってのもの。タイミングといい表情といい味わいといい、この人以外の役者さんと一緒にこの芝居を上演することはちょっと考えられないです。そして加藤忍。(忍ちゃ〜ん!)清冽で迫力があって上手くて、しかも可愛い。加藤健一事務所の俳優教室出身で今のところ加藤さんの芝居にしか出ていないようですが、他でも十分やっていけるはず。頑張れ〜!!(って書いても読んでないって) そして、山崎清介さん。好きなんですよ〜、単純に。すっごい好み(笑)。山崎さんの写真が欲しくてパンフを買ってしまったわ(爆)。趣味がカレー作りと盆栽で猫を飼ってるってのがまたイイじゃないの(笑)。初めて見た時はロン毛でソバージュっぽいゲイの役、次がヒゲ面の山男風、今回はずいぶんスッキリしていましたね。警官役だったので髪を短く切りヒゲもなし。パンフの写真はやや髪が長かったので、この役のために切ったんでしょう。ちょっとびっくりしましたが、とてもよくお似合いでした。このまま町を歩いても全然分からないと思う。本当に普通のサラリーマン風。あ、今パンフを読み返して気付いた『千人のピエロ』にも出ていたのね。う、記憶がない。えーと・・・シマリスのチャックルズ!思い出した。そうだったのね、と自分の記憶力の無さに軽いショック。今度パンフのバックナンバーを買おうっと。そして西川浩幸。今回は何故か劇場が満員だったんですよ。立ち見まで出るぐらい(最近のカトケン公演@大阪はたいてい後ろ2、3列がガラガラ)。なんでかな〜、と思っていたんですが、原因は十中八九この方のせいでしょう。キャラメルボックス。西川さんは劇団キャラメルボックスの看板役者、そしてキャラメルボックスは(陰で)キャラメラーと呼ばれるほどの熱狂的なファンがいることで有名な劇団。こちらのファンが多かったんでしょうね。そういえばいつもよりも客層が若かったような気がする。まあ、その劇団云々はともかく、今回はかなり思いきったゲイ役で弾けて下さいましたよ。大健闘。
そして次回のカトケン公演は「銀幕の向こうに」。・・・また再演ですか?最近、再演が多いのが気になるのですが、良い脚本が見つからないんでしょうかね。
10/27 NODA・MAP「農業少女」 @近鉄アート館
深津絵里、松尾スズキ、明星真由美、野田秀樹農業を嫌って東京に出てきた少女、百子(深津)、下心を抱きつつ彼女を家に住まわせる男(野田)、彼女を陥れるカリスマ(松尾)と女(明星)。しかし百子は結局、農業へと引き寄せられ・・・
野田秀樹の脚本をあらすじとして紹介するのはとても難しい。結局、野田さんの芝居を観た後はいつも、役者に感動し、自分に投影された芝居の影についてゆっくり感じ、反芻し、になってしまうのですが・・・今回は、まず深津絵里がますますスゴイ事になっていたのにびっくり。あれだけ弾けて叫んで壊れてしまわないんだろうか〜。役者として精神も肉体も強靱なんだろうな、と思います。そして野田さん曰く『役者としての勘がいい』、おまけに可愛い。今回の芝居はロリータもテーマの一つだったわけだけど、そんな雰囲気もアリアリ。野田さんは『化ける』女優を見つけて適切な役を与え、本当に『化けさせる』のが天才的に上手いんです。深津絵里しかり、牧瀬里穂しかり、富田靖子しかり。中でも深津絵里はトップクラスのめっけもん。これからも本当に楽しみ。松尾スズキの暗〜いカリスマっぷりも見事。この人も現実にカリスマだからね、ある意味では。野田秀樹の卑屈で小さい男もさすが。だけどストレスたまりそう(笑)。このメンバーに囲まれて明星真由美はやや不利?でもアンサンブルをきっちり支えるwell-trainedな役者さんなのは間違いない。
しかし、野田さんがパンフに書いていたように、ほんの100年前まではずっと人間の産業の中心だった農業はいつからこんなに『カッコ悪いもの』になっちゃったんだろう。そして東京は『カッコイイ』? 田舎は『ダメ』で都会は『イイ』の? そんな単純で短絡的な対比について深〜く考えさせられる芝居でした。
10/22 芸術祭十月大歌舞伎 @歌舞伎座
片岡仁左衛門、板東玉三郎ほかわざわざ東京まで行くか?しかも日帰り強行軍で昼の部だけのために。しかし、久々に良い芝居を観たなという満足感をお土産に帰ってきました。仁左衛門丈は昼の部のみの登場ということで4つの演目のうち3つに出演して大活躍。この日劇場内で会った孝夫さまご贔屓仲間は「今月はこれで3回目〜」とか言ってて羨ましい限りです。しょうがない、とりあえず私はこの日の一期一会で。
元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿:仁左衛門サマの紫の羽織の拵えがなんとも素敵〜。綱豊卿という人はとにかくよくしゃべるんですが、こんなにしゃべってる孝夫さんを観たのは久しぶりというか(笑)。演技も型でなく肚で見せる部分が多くて、細やかな表情や声色の変化を堪能できて良かったです。初日近くに観た人によれば声の出が悪かったそうですが、今月は尻上がりに調子が上がっているようで、いい時に観ることができました。そうそう、この芝居は綱豊卿の衣装替えがとても多くて、最後には能装束まで登場します。姿の美しい役者のファンには堪えられませんっ。もー、満足よ満足〜〜。
英執着獅子:福助さんの姫&獅子の精。まあ、まあ、なんというか。思ったより頑張って毛を振っていましたな、というか。振りゃあいいってもんじゃないのよ、というか。
与話情浮名横櫛 見染の場:孝玉コンビで。孝夫さんが若旦那をやると上方風になるんですな。この場は客席に降りて通路を歩くという趣向が通例なのですが、私の座っていたのは1階よ列、後ろは通路。もしかして!と密かに期待していた通り、若旦那は私の真後ろを通っていかれました(むふ)。私は孝夫さんの綺麗な手が大好きなのですが、その手を間近で堪能(むふ)。
源氏店の場:昔はこの役をやるのが嫌だったそうです。理由は、足が細いから。最近は「細いのも個性」と開き直ってやっているそうですが、やっぱり細いよね〜。
お祭り:こちらも孝玉コンビ。この二人を批判的な目で見る人もいるようですが(私も諸手を挙げて賛成というわけではない)、やはり揃って舞台に出てきただけでパアッと輝く華があるというのは素晴らしいことですな。歌舞伎とは、舞台とは、こうあるべきでしょう。日常を忘れて夢を見に行くのだから。玉さんは孝夫さん相手だと露骨に、見せつけるかのようにベタベタするんですね。思わず「オイオイ」とツッコミ。
ついでに夜の部の序幕だけを幕見で観てきました。孝夫さんは出ないので、目的は勿論(笑)松次郎さん。水奴が10人ほどわらわらと出てきたんですが、花道から本舞台に出てコンマ2秒で彼を見つける自分にちょっと感動しましたね(爆)。
10/15 十月花形歌舞伎「鏡山縁勇繪」 @南座
中村翫雀、中村扇雀、中村橋之助、市川染五郎ほかお馴染み「鏡山」の後日談を、男性版・尾上&岩藤で。お家騒動モノでもともと複雑なストーリーにさらに浪人だの許嫁だのが出てきて、さらに複雑・・・途中で意識不明になったせいもあって(汗)満足度はイマイチかなあ。蝶々の妖術とかいう巨大蝶々が出てきたり、仏像が空中に浮いたり、Mr.マリック直伝のマジックが使われているし照明も凝っていて、意欲は買う。しかし…といったところ。
とりあえず橋之助の女形が「デ、デカイ…」のが笑えた。と友人に言ったら「あんたもや」と言われた(笑)。9/30 桂吉朝 独演会 @国立文楽劇場 知る人ぞ知る、吉朝さんの文楽劇場での独演会リベンジ! 去年も文楽劇場で独演会を予定していたのですが、急病でドタキャン。残念だったし心配もしたけど、吉朝さんとしては金銭的に結構大変だったそう。そんな話もマクラで交えながら。一番笑ったのは、客演を頼んでいた米朝師匠に断りを入れに行った話。急病とはいえ手術の予定が入っているだけでピンシャンしている本人が断りに行ったものだから、米朝さんはその姿を見て一言、「出来るやないか!」(笑)。そらそうですわな。吉朝さん曰く「その時だけは師匠を裏切って医者の言うことを聞きました」(笑) ともあれ、今年こそ無事に開演した文楽劇場での独演会。芝居好き文楽好きの吉朝さんの長年の夢がかない、とってもとっても、嬉しそうでした(^^)
「兵庫船」 桂吉弥
「米揚げ笊」桂吉朝
「不動坊」 桂吉朝
=中入り=
「稲荷俥」 桂米朝
「本能寺」 桂吉朝どうよ?!この素晴らしいプログラム!贅沢この上ないですね〜。
一つずつの演目の感想が薄れつつあるので(もう1週間以上たってしまった)、少しだけ。吉弥さんは声がよく通って雰囲気が明るいのが何より。吉朝さんに似ている所もあるけど、自分の雰囲気を確立しつつあります。まだ間が悪いけどね〜。緊張しているせいか、あせって先へ先へと進めてしまっています。でもまだ若いし、これから、これから。米朝師匠。もう出て来ただけで有り難いの何のって。いや冗談ではなく、現れただけで『上方古典落語』の空気が流れて、なんともいえず・・・その空気の中、ご当地(高津)ものの噺。劇場ごと明治時代にタイムスリップしたような。ご高齢だし、時おり話の流れが滞ることはあるのですが、それを『難』とは思わせないのはさすがに芸歴。ひたすら頭が下がります。
そして、吉朝さん。正直に言うと、今回はなぜか今ひとつ笑いの輪の中に入って行けませんでした。周りの人が爆笑していても、私は「プフフ」程度だったり、さらにそんな自分を冷静に見ているもう一人の自分がいたり。吉朝さんとしては決して出来が悪かったわけではないと思います。お客さんは爆笑の嵐だったし、初めて吉朝さんを聞いたという友人も「アナタが吉朝さんを好きな理由、分かる気がする」と言ってくれたし。でも私としては、ほんの少し違和感があったんですよね〜。すごく面白かったんだけど。何なんだろう?あれからずっと考えています。あまりに吉朝さんばかり追いかけすぎて、慣れてしまって、吉朝さんの刺激に飽き足らなくなったきたのかなあ。他の人もちゃんと聞いてみるべき?それとも単に疲れてたんだろうか?うーん。せっかくの独演会なのに、そんな風にしか感じられなかった自分が悲しかった・・・
それにしても吉朝さんはこの日もお洒落でした。薄紅色/黄色の着流し、黒の着流しに羽織り、最後は最近よく見かけるようになった袴姿で。吉朝さんの普段着はかなり”エエ加減”らしいのですが、高座に上がる時はとても素敵です。TVに出ている落語家がよく着ているようなど派手な色の着物はまず着ないし、かといって地味すぎる物も着ない、ちゃんと噺の内容に合わせた綺麗な色合いの着物で出てきはります。(吉朝さんのというより奥様のセンスかもね) というわけで、出囃子が鳴って吉朝さんが姿を見せる瞬間が毎回とても楽しみなのであります。次に吉朝さんを聞けるのはいつになるのかなあ。今度こそ楽しめますように・・・
次々と予定が入りつつある12月。
福ちゃん!まさやん!コンサートやるなら早く日程発表してね〜(^^)
9/10 市川猿之助 九月大歌舞伎「通し狂言 義経千本桜」 @大阪松竹座えー、さて。最近私が俄にハマっている歌舞伎塾修了生くん達。今月の松竹座では彼らが立ち回りで大活躍します。立ち回り、そう、実はそれが彼らの役どころ。本公演で上方歌舞伎会のような役につけるのは、果たして何十年先になるのでしょうか…(遠い目)。思えばあれは夢のような公演でした。…気を取り直して、今月の彼らの出番を一覧表にしてみました。(職業病ですな) ※りき弥さん、千壽郎さんはお休み。
鳥居前 渡海屋
大物浦道行 小金吾 すし屋 四の切 片岡千志郎 ○ ○ 片岡千次郎 ○ ○ ○ ○ 片岡松次郎 ○ ○ ○ ○ 片岡佑次郎 ○ ○ ○ ○ 板東竹雪 ○ ○ ○ まっ、なんつーか、私は松次郎さんしか見て無いので(爆)、彼の活躍を中心にご報告。
鳥居前:木に縛られた静ちゃんを引っ立てようとやって来た鵜の目鷹六の軍兵として9番目に登場。忠信(右近)にコテンパンに蹴散らされてしまいます。軍兵は10人出て来て順番に2人ずつぐらい忠信と立ち回りをやるのですが、彼は中盤に出て来てトンボを切った後、忠信に踏み付けられておりました。これって実は結構目立つし、いい役。トンボを切った後に板を蹴る足音が小さいのが気になるのですが、思いっきり板を蹴る事ができていないのか、足を痛めているのか…。
大物浦:松次郎さんを除く4人が勢揃い。初めにザ〜ッと10人ほど出て来てすぐに引っ込んだ後、舞台上手奥に5人が整列。何のためにいるのかな〜、と思っていると、左端の先輩格の役者さんが局(鴈治郎)の後見、残った4人(左から千志郎、竹雪、佑次郎、千次郎)が自害した局を運び出す力仕事。しかし、鴈治郎さんよ…重そう…(汗)。
道行:これまた静ちゃんを捕らえようとやって来た逸見藤太の家来・花四天として4番目に登場。花道で藤太と家来の滑稽なやり取りがあるのですが、まさか今月見られると思っていなかったユーモアたっぷりの仕種が見られて嬉しかったです。その後は花のついた棒で鳥居の形を作っていたり、あまり目立つ所はなかったかな。
小金吾:小金吾を討ちに来た捕り手の一人として。最初の一瞬、16人の捕り手が一斉にわらわらと出て来たものだから「エ、どこにいるの?」と混乱、見つけられず。でもその後は2〜4人ずつで(最初は3組目かな)都合4回登場して小金吾と立ち回り、後ろから斬り付けてみたり、捕り縄を放射線状に広げた上に小金吾が乗る場面でも「うんしょ」と縄を担いでおりました。若者の仕事、ね。
すし屋:主人弥左衛門の捕り手として8人のうち6番目に登場。一度だけ弥左衛門を全員で「よ〜お」と言って取り囲む他は舞台下手奥で座りっぱなし。これってかえって疲れるのでは?ご苦労様です。座り順はですね、2列になっていて奥が左から竹雪、千志郎、松次郎、佑次郎、手前左から2人目が千次郎さんでした。
それにしても松次郎さん、運動神経が良いのね〜。何やっても決まってたわ〜(爆)。
さて、本題(遅すぎ)。猿之助をフルに観るのは本当に久しぶり。古典からの離れぶりにはさらに磨きがかかっていて(私が忘れてただけかも)、古典至上主義者の私には「そらちゃうやろ」と思える場面がいくつもありました。具体的には、台詞を歌い上ずにまっすぐ話す(分かりやすくてスピーディだけど古典っぽさは無くなる)、言葉を現代語に変える(分かりやすいけど古典っぽくない)、感情表現が過剰(分かりやすいけど…)、そんなところ。要は古典好みの私とは本質的に肌が合わない。
しかし、碇知盛の入水、道行の忠信の引っ込み、狐忠信のケレンと宙乗り、何もかも「スゴイ」の一言。面白いんですよ、悔しいけど。純古典な歌舞伎はそれはそれの面白さがあるけど、一般の人が観て「面白い」と思うのはきっとこちらの方なんだろうな、と。うーん、悔しい。ま、仕方ないですがね。
猿之助自身のことも少し。今回、古典での猿之助をじっくり観て、衣装の着こなしの美しさ(*)、型の美しさ、演出の確かさ、分かりやすさ、アイディア、ケレン、そして何より自分自身の肉体を自在に操る技術(**)、このあたりにおいて、猿之助の右に出る人はいないのだと改めて感じました。
(*)玉三郎的美しさとは違います。同じ衣装を着ても、それを自分の体で着て、動いた上で
最大限に美しく見せるにはどうしたらいいかをちゃんと計算してるってこと。
それに、早変りや引き抜きの処理が実に見事。一瞬たりとももたつく所がない。
(**)猿之助、当年とって61才。膝を付いて上体反らしで頭が床につきそうだわ、1mも跳躍するわ、
天井から飛び下りるわ、膝で回転するわ、極め付けが宙乗り5000回/ギネス認定。
踊りもちょっとした所作も本当に上手いし。ほんと超人ですよ…
ただただ、のんべんだらりと役者をやっている人は、猿之助に見習うべきところ大でしょう。また、観る方から言っても、これまで歌舞伎を見慣れていない人に「歌舞伎って面白い!」と思わせた功績は本当に素晴らしいものです。頭が下がります。
でもでも、私は古典が好きっ!(と最後に開き直ってみる…虚しい)
8/26,27 上方歌舞伎会 @国立文楽劇場普段は幹部俳優たちの脇を固める役者さんたち。そのうちでも特に上方系の方が集まって年に1回の公演で、今年は10回目。補助席まで出る大入り満員で、未だかつて無い大盛況。いったいどーしたの?!っていう勢い。想像するに、歌舞伎塾をはじめ若手の役者さんたちがたくさん出て来たからなのでしょう。実は私もそういう理由で観客数を増やした原因の一人。4回公演のうち3回も観てしまった・・・(汗)
「寿曽我対面」:多すぎるんで出演者略。本公演で何度も観たけど、何度観てもドコが面白いのかさっぱり分からない、不思議な演目。でもこの日は面白さがちょっと分かった気がしました。要は、役者が良くないと見ちゃおれん!ということなのね〜。申し訳ないけど1回目は、間があき過ぎてお世辞にも芝居になっているとは言えませんでした。さすがに4回目ともなると間は良くなっていたけど、今度はどうにも型の悪さが目に付いて仕方がない。登場人物の設定もストーリーも極めて単純、気持ちで芝居をする所が少なく、型の美しさと役者自身の華だけが勝負の演目で、一生懸命お稽古されているとはいえ、まだまたこの役者さん達の手に負えるものではなかった様です。
「仮名手本忠臣蔵」山崎街道鉄砲渡しの場〜与市兵衛住家勘平腹切の場:ハイ、すみません。「すし屋」と並んで、私の”絶対寝る演目ベスト3”に入る六段目。最初から最後まできちんと観たのは1回目だけです。演出はことごとく上方風で、いつも見なれているものとは随分違っていたらしいです。私はいつも意識を失いながら観ているので、全然分かりませんでしたが(爆)。
「道行恋苧環」:3人とも美しい〜!思わず橘姫&求女のツーショット写真を買い求めた私。しかし演技ではお美輪・扇之丞さんに一日の長。濃ゆ〜い芝居が上方らしくて良かったです。
「棒しばり」:若手実力派・中村芳彦VS上方歌舞伎塾修了生のヒヨっ子・片岡松次郎の一騎討ち。配役を見た時にもびっくりしましたが、実際に舞台を見て、さらにオドロキ〜〜!!松次郎さんは全く臆する事無く、堂々と勝負を挑んでおりました。凄い度胸、それだけでも賞賛に値します。しかも表情の明るさや愛嬌では全く引けを取っていませんでした。(ちょっと贔屓目?)いやまあ、エライ子が出て来たもんだわ・・・確かに、細部でダメ出ししたい所はたくさんあります。袴の動きが綺麗でなかったり(多分まだきちんと膝を割れていない)、ふとした仕種に素が出てしまったり、表情がパターン化していたり。でも、そんなことは補って余りある渾身の舞台。最後の挨拶で他の出演者全員と舞台に立ち、流れる汗を拭いながら今にも倒れそうになっているその姿に、ああ全ての力を出し切ったのだなあ、と目頭が熱くなりました。この日の舞台、彼の最初の大きな舞台を観られて、幸せでした。
8/25 サマージャンボ落語会 @ワッハ上方「米揚げ笊」桂歌々志
「ふぐ鍋」桂吉朝
「菊江仏壇」桂千朝
=中入り=
「大晦日」桂千朝
「舟弁慶」桂吉朝またもや遅れていったので「米揚げ笊」聞けず。聞いた事のない噺だから楽しみにしてたんだけど。まあいいか、吉朝さんの独演会で聞けるし。枝雀さんの本によれば、お目出度い噺みたい。楽しみ。
今回の演目の選定は「暑い夏に冬の噺をしたら、ちょっとは涼しなるんちゃうか」という発想だったそう(笑)。吉朝さん&千朝さんらしいというか。そんな話をマクラでした後、本題へ。
「ふぐ鍋」:これはやや短い噺で若手がよくやるもの。吉朝さんで聞くのはなかなか新鮮。しかし、いくら冬の噺といっても鍋をハフハフ言いながら食べるのでは、余計暑くなるような気が・・・
「舟弁慶」:吉朝さんお得意の芝居のアテごと。ハメモノとよばれる下座音楽が賑やかに入ります。友達どうしが集まって船遊びをするという設定なので、これは文句なく涼しいですな。
最後に、恒例の抽選会。今回の商品は吉朝&千朝さんの手拭と、あれ、何だっけ?忘れてしまった・・・
8/21 南座狂言の会 @南座「三人三番三」茂山千五郎、茂山七五三、茂山あきら
「宗論」茂山千之丞、茂山千作、丸石やすし
「妙音へのへの物語」茂山正邦、茂山童司、茂山逸平、茂山宗彦、茂山千三郎、茂山茂というわけで、茂山一門の狂言会。平日夜にもかかわらず、3階までほぼ満席状態でした。遅れて行ったので、「宗論」から。
「宗論」〜身延山から帰る法華宗の僧侶と、善光寺から帰る浄土宗の僧侶が、都への道中で道連れになり、宗派の違いから悪口雑言の並べ立て、果ては「踊り題目」と「踊り念仏」の掛け合いへ〜
歌舞伎の方でよく見る「宗論」は「連獅子」の中のいわゆる”つなぎ”で、ストーリー的にはほとんど同じ。ただしキャラクターの性格は狂言の方がより際立っていて、頑固な法華僧と皮肉屋で柔軟な浄土僧を対比させて描いています。歌舞伎を見なれた目には、なかなか新鮮。出演者では、とにかく千作さんの笑顔がイイ!年を重ねて来た人にしか出せない暖かみのある笑顔がなんとも言えず素敵な方です。
「妙音へのへの物語」〜曲屁の名人・福富織部は、その妙なる音色で長者となっている。隣に住む男は女房に強いられ名人に弟子入りするが…〜
中納言役で出てくる”麿”逸平ちゃんがいい味だしてます。眉間から抜けていくような声で「ふ〜ん」って。ツボに入りまくって、帰り道ではずっと真似をして遊んでいました(笑)。出番は少ないけどインパクトは一番。南座ならではのセリ、何に使うのかと楽しみにしていたら、女房が物凄い形相で睨み付けて舞台から消えるところ。そして(時間が経過していることを表してから)出てくるところ、それだけ。勿体無いけどいいアイディアで有効な使い方でした。オチはなんとも”臭いそうな”雰囲気・・・これが狂言?!という照明で(なんとミラーボールまで!)、多分一生忘れられないと思います。
最後にアンコール。出演者一同がずらりと一列に並び、謡いを。浅学にして題名を知りませんが、目出たく祝う系の謡い(なんていい加減な)。全員が子供の頃から鍛えている方ばかりだから、そりゃもう、物凄い迫力。狂言という芸の足元の確かさをズシズシと感じながら劇場を後にしました。
8/20 上方落語会 双葉寄席〜なにわの花形夏季公演〜 @近鉄アート館盛況でした! 前売り完売、当日は立ち見のみ。私も立ち見で聞いていたんですが、まあ¥1,200なら安いでしょう。2階だけど真正面に陣取れば、サンケイホールの1階後ろなんかより、ず〜〜っと見やすくて、さすがにアート館はいいですね。秋のNODA・MAP番外公演も楽しみだな〜
番組はこんな感じ。桂 あさ吉 「寄合酒」
桂 こけ枝 「手水廻し」
笑福亭 鶴二 「牛ほめ」
笑福亭 仁嬌 「風呂屋番」
◎仲入◎
桂 吉朝 「地獄八景亡者戯」当然、仲入りまでは、全く気合い入らず(笑)。床に座り込んで半分寝ながら聞いていたという…だって、どうでもいいんだもん(暴言)。あさ吉くんだけはちゃんと聞いておりましたが。彼は、吉朝さんの一番弟子でありながら一番マズイことで有名な人で、それでも何ともいえない愛嬌があって、結構笑えるのです。毎度毎度本当に不思議なのですが…今回も結構面白かったです。微妙に上手くなってきているような気がするなあ。うんうん。その後のお三方は、可も無く不可も無く。(すまん)
で。
「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ):
〜鯖にあたって死んだ男や、世の中の遊びという遊びに飽きて冥土に遊びにきた大金持ちの若旦那にたいこ持ち、歯抜き師、ヤブ医者、軽業師、そんな人々が地獄で繰り広げる大騒ぎ…〜 というか、そんな筋は、かなりどうでもいい噺。吉朝さん、マクラで曰く、「大阪らしい、何かギャグがあったらエエというような噺」「ただ、長いというだけの噺」「しょうもない所や筋に関係ないところは省いていくと、何にも残らない噺」「途中で帰って『あの後どうなったんかな?』そういう心配もいりません。どーにもなりません」…そう、これはそんな噺(笑)。訳わからんよね、うん。要は、三途の川を渡ったり閻魔大王のお裁きを受けたり地獄の責め苦を受けたり、そういった噺の大筋と決まったネタだけは押さえておいて、あとは時事ネタなんかを入れていって、いかにお客さんに笑ってもらうかがポイント。米朝さんと比べると吉朝さんは『念仏を買いに行くところ』をかなりカットしています。吉朝さんの「地獄」はCDにもなっていて、これが平成9年の録音。この時の時事ネタは、新進党、横山やすし、松葉、寅さん。今回は、デヴィ夫人に足裏に雪印、などなど。どれもこれも爆笑だったんですが、CDしか聞いた事のない私にとって一番嬉しかったのが「噺家の出の真似」というもの。これはCDで音だけ聞いててもちっとも面白くないですからね。もちろん出囃子もちゃんと入るし、歩き方、座り方、お辞儀の仕方、一度見てみたいとずっと思っていた夢がようやく叶いました。で、その物真似。一応お客さんにリクエストを取ってはみたものの、「米朝!」「枝雀!」という声に混じって「あさ吉!」という声も(笑)。これには吉朝さんも思わず苦笑、結局は「こっちで勝手に決めさせてもらいます」ということで、米朝、露の五郎、枝雀の三人を披露。似てる〜〜!噺家さんって、みんなこんなことが出来るんでしょうかね。それとも吉朝さんがとりわけ器用なのかしらん。
ともあれ、吉朝さんが熱演すること1時間20分! 独演会なみの持ち時間を十二分に楽しませて下さって幕、となりました。うふ。幸せ。今、自分の文章を読み返していて気付いた。私は最後にオチをつけないと満足できないヒトらしい。
しかもセルフつっこみ付きの・・・
8/11 上方歌舞伎塾修了生発表会 @松竹座八階稽古場つい先日、いつも歌舞伎を一緒に見に行ってる友人に「歌舞伎塾?何それ?」と言われて絶句。「あのねー!これはねー!秀太郎さんがねー!!」と思わず力を入れて熱弁をふるってしまった・・・かなり、引かれた(笑)。まあ、とりあえず、上方歌舞伎塾というのは、「沈滞化した上方歌舞伎復興の切り札として、1997年に松竹座の開場をきっかけに開講された、上方歌舞伎の役者を養成する制度」というところです。二年制で正座や着物の着方、踊りや立ち回り、鳴り物などの基礎から学び、授業料は無料、1期生は21人が受験したうち8人が選ばれ、全員が卒業、現在も頑張っているのは7人。去年の12月顔見世で正式にそれぞれの師匠と芸名が決まり、役者としてのスタートを切りました。秀太郎さん好き、上方歌舞伎好き、な私にとって上方歌舞伎塾が出来たのはとても嬉しいことで、塾生のお稽古を見学させてもらったり、歌舞伎の舞台に立つ塾生くん達に注目したり、なにかと彼らの存在が気になる3年間でした。
で、今回はその1期修了生7人による発表会で日頃のお稽古の成果を見てもらおうというもの。会場が普段は塾生の稽古場として使われているところなので、舞台も客席も狭くてお客さんは70人ぐらい。なかなかアットホームな空間で見せて頂きました。
「仮名手本忠臣蔵」大序:足利直義(片岡松次郎)、高師直(片岡千志郎)、桃井若狭之助(片岡千次郎)、雑式(板東竹雪、片岡りき弥)、顔世御前(片岡千壽郎)、塩冶判官(片岡佑次郎)
雰囲気からいうと直義/師直は逆だと思っていたのですよ、なんとなく。千志郎さんは優し気な顔立ちだし、松次郎さんはいわゆる役者顔だし。ところがどっこい、千志郎さんの師直は大きくて力強くて嫌〜な奴で非常に良かったです。これはかなりの驚き。千次郎さんは子役出身ということで、声もよく通るし所作もきれい、芝居も上手くて優等生ですね。もう一歩アピールするものが欲しい気もするけど。そして千壽郎さん。もー、この子(黒川くん)はねー、塾生のころから可愛いわ上手いわで注目度No.1。それで塾生になるまで「歌舞伎の”か”の字も知らなかった」というのだから、天賦の才と言わずしてどーする?!久々にきちんと芝居する姿を見たけれど、ますます美しさと演技力に磨きがかかっておりました。うーむ。将来楽しみ。
「黒髪」板東竹雪/「藤音頭」片岡りき弥
ごめん、まとめて(笑)。しっとりした踊りって素で見せるのは難しいですよね。下半身のふらつきもよく分かるし。お二人ともかなりお稽古されたようで、それは分かるんですが、それでも気になって気になって・・・発表会とはいえ、楽しめなくて残念でした。
「越後獅子」片岡松次郎、片岡千志郎、片岡千次郎、片岡千壽郎、片岡佑次郎
こっちはかなり勢いで誤魔化すぞ系の踊り(笑)。それでも決まる人、決まらない人、観客にアピールできる人、できない人がいて、不思議なものです。その辺りは好みの問題でしょう、私は松次郎さんから目が離せませんでした。下半身の安定感、大きくて迷いのない、力強い振り、ちょっとした表情の変化や手先の表情ににじみ出るおかしみ、愛嬌、目の強さ・・・失礼ながらここまで踊れるとは、ここまで魅力的だとは想像もしていなくて、ひたすら「うっっわ〜・・・」という感じ。そのおかげで、この発表会のお世話役「関西歌舞伎を愛する会」の方に頼み込んで次の日も見に行くハメになったという(爆)。相変わらずの、このハマりやすい体質、なんとかならないでしょうか?真剣に悩んでおります。(嘘)
※後日談:「愛する会」の方に、しっかり顔を覚えられてしまいました。「上方歌舞伎会」にも
しつこく3回行ったのですが、3回目はさすがに「凄いですね…」とまで言われてしまい、
非っ常〜に、恥ずかしかったです(大汗)。
しかしねー、みんなあっという間に『役者』になっちゃってびっくりですわ。塾が始まった頃は、秀太郎さんが「ゴッツイ子がいたりして、役者になれるんかしらと思った」とおっしゃったぐらい。お稽古場を見学させて頂いた時も、さすがに選ばれただけあってキラリとするものはあっても、まだまだ普通の子たち。ある時など、松竹座の3階客席で見かけた松次郎さん(石垣くん)は、ジーンズにダボッとしたTシャツ、ズックのカバンを斜がけして、どっからどー見ても”そのへんの大学生のにーちゃん”で、これこそ「ほんまにこの子が役者になるんかいな」と思ったものです。それが今や、ねえ、カッコイイ役者さんになっちゃって・・・感慨深いわ〜(なんでやねん)
ともあれ、次の塾生くん達の舞台は、26,27日の「上方歌舞伎会」。当然これも見に行くべく、チケットは手配済み(爆)。こんな風に応援しているファンもいるのです。これからも精進して10年後、20年後の上方歌舞伎を背負って立つ役者さんになって下さい。(ってここに書いてどうする・笑)
8/10 文楽夏休み公演 第3部 「国言詢音頭(くにことばくどきおんど)」 @国立文楽劇場堂島の蔵屋敷に勤める薩摩の武士八柴初右衛門は曽根崎新地の遊女菊野に入れ揚げている。あるとき初右衛門は菊野が恋人の仁三郎と一緒に自分の悪口を言っているのを耳にして怒り、菊野を斬る。仁三郎を探して家中の人々に次々と手を掛けながら・・・
グロい!とにかくグロいっす! 直情型の武士が遊女に騙されて逆上するなんて話は歌舞伎や文楽ではお馴染みだけど、ここまでグロいのは初めて見ました。斬って、グリグリ〜ってやって、切り口に足を突っ込んで、内臓が足に絡んで、斬った腕をチャイして・・・うう、書いてるだけでグロいぜ。人形だからできるんですな。歌舞伎じゃちょっと無理だし、映画やドラマだとグロすぎて放映できないでしょ。この演目の一番のウリはこれなのかな。お話としては全く目新しいものはないし、登場人物は類型的であまり面白く無い。
そんな中でも、やはり初右衛門を遣う玉男さんはすごいです。『なんかよーわからん話』にリアリティを持たせてしまうのだから。相変わらずお元気で、人形を遣う姿に衰えなし。そして簑助さんの菊野はとーっても色っぽい。肩を落として座っている姿が美しいです。
と・こ・ろ・で。去年、簑助さんが入院されていた病院は、うちの叔母が働いている病因だったということが判明!(このお盆に・笑) え〜〜!!早く教えてよ〜!叔母は気安く「みのちゃん」などと呼ばわっておりました。夏休み公演の切符も貰って見に行ったりしたんだってさ〜。いいな〜。(って、違うだろ!)8/17・・・今、上のスケジュール見直したけど・・・狂ってる・・・狂ってるとしか思えない〜(汗)
8/5 「阿修羅城の瞳」 劇団☆新感線 @大阪松竹座
客演:市川染五郎、富田靖子、江波杏子、平田満、加納幸和、森奈みはる徹頭徹尾、余すところなく、豪華・極上のエンターテイメント! 思わず大きい字にしちゃったけど(笑)、まさにそう。新感線はまだ3回目ですが、毎度思うのは
「ひたすら!」「楽しい〜〜!」ということ。これだけ完璧にエンターテイメントに徹した劇団は他に類を見ないのではないでしょうか。破天荒なストーリー、豪華な衣装、過剰な動き、ヘヴィメタなBGMに突然のカラオケ大会(笑)、役者の魅力を最大限に生かす為のアテ書きの脚本、だからマンネリといえばマンネリだけど予定調和の待ってました!的オチの数々がツボに入って笑えて仕方ない、そんな感じ。とにかく、幕が開いてから閉まるまで、ひたすら、『楽しい!!』のです。当日券も出るそうなので、まだご覧になっていない方は是非どうぞ。大阪松竹座にて8/12まで。東京は新橋演舞場にて8/17〜27まで。(って、誰に宣伝してるんだ・笑)
役者の事もちょっと書いておこうかな。劇場を出て友達に感想を聞かれた私は開口一番、「染、カッコエエ〜〜!!!」 ・・・他にないんかい?!って感じですが、いやいや〜、ほんと染はかっこよかったです。時代設定が江戸なので、基本的に役者はみんな着物(またはそれ風な衣装)なんですが、染は眠狂四郎をイメージした黒の着流し(しかもラメ入り・笑)で、他の人がスニーカーを履いている中で、一人だけ草履なんですね。当然、着物が一番似合っているのは彼だし、スラッとして立ち姿が綺麗だし、メイクはアイシャドウバリバリでますますお父様に似てきて美しいし、歌舞伎調台詞回しが当然一番上手だし、立ち回りは上手いし。もう言う事ないですね。それに意外と喜劇もイケるんだということも新しい発見でした。実は、私は歌舞伎における染はあまり買っていなかったのですよ。線が細いし顔だちがシャープすぎるし台詞回しも今一つ時代っぽく決まらないし、ということで。でもそれらは現代劇にあてはめれば長所になるのですね。そういえば、同じく染パパも歌舞伎では今イチだと思っていたのに『マクベス』を見て「かっこいいやーん!」と友達と大騒ぎしたこともありました。もう五年ぐらい前かな。血は争えないってことでしょうか。染パパも最近はかなり雰囲気が歌舞伎に馴染んできた(戻ってきた)し、きっと染もそのうち歌舞伎でもいい味を出してくれることでしょう。とりあえずは今は染@現代劇だけを買っておきます、私は。あ、そうそう。染はカーテンコールでも超ゴキゲンで、最後まで舞台に残って手を振るわ、投げキッスはするわ、汗までちぎって投げるわで、ものすごく楽しそうでした。私も手振ってもらったもんね〜〜(と周囲3mぐらいの女性は全員思っているに違いない・笑)。
その他の役者さんたちのこと。富田靖子は前半は良かったけど後半は威厳に欠けました。彼女の魅力はやはり”等身大”にあるのだな、と。そこを持ち味にしてやっていくのか、そこから脱皮するのかわかりませんが、今のままでいくなら今回の役は荷が重かったということでしょう。江波杏子さん、綺麗でしたわ〜、この人こそ威厳があるしね。この日は2回公演のソワレで少々お疲れ気味、台詞がちょっと怪しかったですが。平田満さん、「動けるのね、この人」なんて私が馬鹿なことを言っていると友達が「だって、『つか』やん」と。そうか、彼はつかこうへい劇団でした。それでも今回は友達によると動きが新感線ちっくで、「動かされてるな〜」という感じだったそう。加納幸和、ユキちゃああ〜〜ん!!(はぁと)もうね、何やっても無条件に好きですわ、この方は。でもこれは完全に好みの問題なので、周りの人に聞いても残念ながらちょっと反応はニブかったです。今回は実にユキちゃんらしい役所でユキちゃんの魅力全開だったんだけどなあ。ま、私的には満足満足。年末の花組芝居公演が楽しみです。森奈みはる、宝塚出身、ヤンさん(安寿ミラ)がトップ時代の相手役、この頃から声が高くて可愛いけどズッコケで色気に欠けるみたいな事を言われていたけど、今回もまさにそんな役で、変わっていないのに安心しました(って変?)。でも、もっと違うミハルが観たかった気もしないでもないかも。
どこが『ちょっと』なんだよう(笑)。思いっきり語っちゃったぜ。
7/20 Yamazaki Masayoshi in Augusta Camp 2000 @舞洲スポーツアイランド特設会場最近私がめちゃめちゃハマっている山崎まさよし。どのくらいハマっているかというと、家に帰るとMD(アルバム6枚+シングルコレクション)をエンドレスで流す、シングルCDは全部買う(さすがにアルバムはレンタルした)、写真集や本やビデオを一気買いする、出演したTV・ラジオは全てチェックして録画・録音する、載っている雑誌は全て買う、バックナンバーまで注文する、こんな感じ。普通、よね?(ちょっと不安だけど) まあ好きになればココまでやるのは私にとっては結構普通。でもさすがに、このライブの翌日にギターを買いに走ったのは我ながら「アホちゃうか」と呆れましたけど。はい、アホです。
まあ、そんなことはいいとして。
行ってきましたよ〜。まさやんライブ初体験!野外でオールスタンディングという年寄りには辛い形式で、しかも舞洲には交通機関なし!一応会場までシャトルバスが運行していましたが、2万人を超える大観衆には間に合うはずもなく、帰りのバス乗り場は長蛇の列。正直言ってかなり大変でした。舞洲を出るまで2時間もかかったもん・・・帰りのバスの中で座れなくて必死に吊り革にしがみついていた時、家に辿り着いてドアを開けようとしてカギを落とし拾おうと腰をかがめたら「イッテ〜!」腰に激痛が走った時、何度も「もう来年からは絶対来ない!」と思った・・・けど、もう今では忘れてます。楽しい事ばっかり思い出して。「セロリ」で観客みんなが一緒になって両手をフリフリしたり、「パンを焼く」で早口言葉のcall & responseがあったり、「スクリーミン2000」でまさやんが最近お気に入りのアフリカの太鼓を披露したり、「僕はここにいる」に涙したり、「根無し草ラプソディー」にじーんと感動したり(※バラードじゃなく大騒ぎ系のナンバーです、ちなみに)、「TVに出るのイヤ」って子供みたいな愚痴に思わず笑ってしまったり、そんなことをいろいろと。
そうそう、ライブではCDと全くアレンジが違っている曲がたくさんありました。イントロでは何の曲だか?Aメロが始まると、あ、あの曲なんだ、でも、どうやってノったらいいの?と前半はちょっと戸惑ったりして。バンドは山崎(ギター)、ベース、パーカッション×2という実にシンプルな構成。このシンプルさ故に自由度が高いんでしょう。かなり”遊び”の部分が多いようでした。パーカッションのgentaさんがいいんだー、これまた。盛り上げ隊長No.1って感じ。「明日の風」のプロモビデオで、まさやんの隣でめちゃノリノリでコンガを叩いているボーズ頭のおじさんです。
まあね、今さら私が言うのも何ですが、天才ですよ、この人は。しかも無邪気な天才。普通バラードってシリアスな顔して歌うでしょ?この人はニッコニコしながら歌うんだから。ステージで歌うのが楽しくて仕方ないって感じ。ギター弾いて歌ってオレは楽しいぞ〜!お前らも楽しいか〜!って。こっちも当然楽しくなるってもんです。ちなみに評判のMCは暑さのせいかちょっと不調(笑)。音楽的にも、一度聴いたら忘れられないメロディとリズム、普通の言葉を並べただけなのに何故か独特の世界を作っている歌詞、インパクトのあるアレンジ、電光石火のギターテクニック、誰にも似ていない歌声(デビュー当時は和田アキコに似ていると言われたらしいけど)、どれをとっても素晴らしいっす。それら全てを”無意識のうちに””本能的に”やってしまう才能。というか本能?インタビューで歌詞の出来た経緯を聞かれて「わからん、書いてもうた」、メロディーを褒められて「わからん、イメージは浮かぶけど細かいところは本能的に作ってるから」、ギターのリズムが特殊だと指摘されて「わからん、ああなってもうた」などなど。単に言葉で説明するのが得意じゃないだけかもしれないけど。まあ、なんつーかね。この人は凄いですよ。デビューした時のキャッチコピーが『天才より凄い奴』。本当にその通りだと思う・・・
まさやんはこの夏のライブの前、去年の秋から今年の春にかけてギター1本で全国を回るツアーをやっていました。題して「Yamazaki Masayoshi ONE KNIGHT STAND TOUR 99-00」。BS-2でもその模様が一部放映されたのですが、この秋にはその内容をほぼ完全に収録したCD2枚組、ビデオ&DVD各2枚組が出るらしいです。しかもCDとビデオはテイクが違うとか。両方買えっちゅーんかいっ?!DVDにはオマケ映像がついてるとか。見られへんっちゅーに!!さらに密着取材本まで出るらしいです。それも買えっちゅーんかいっ?! 一体いくら貢がせたら気が済むんだろう(笑)。まあ、どうせならDVDプレーヤーも買っちゃおうかと思っている私も私だけど(爆)。
まあまあ、そんな感じで、それまではおとなしく去年のDOMINO TOURのビデオを見て満足しておる今日この頃でございます。もう新曲のプロモーションも終わったからTVにも出ないしね。平穏だわ。
・・・長いな、この文章。気持ちに正直に書いてるからね、そうなっちゃうんだけど・・・(苦笑)
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