はじめ

目次

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一括

 

 

法律婚と事実婚

夕陽の牛くん

法律婚:通称(本名)使用

 法律婚は、民法(民法第750条(夫婦の氏) 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。)に基づき、夫婦どちらかの姓を選択することを条件とした婚姻届を出した(その効果として新しい戸籍を作る)形態をさします。法律婚カップルの別姓は、通称(本名)使用ということになります。婚姻届を出し、改姓します。けれども今まで通りの姓を名乗りたいというわけです。いつ今まで通りの姓を名乗りたくなるかは、人それぞれです。改姓したときから、それまでの姓を使おうと考える人もいれば、改姓してから何年もたって、改姓前の自分こそ自分だと気付く人もいます。

 法律婚の場合、夫婦で同じ戸籍に、改姓後の姓で記載されています。文書上B谷C子ですが、本人としては「A山C子です」と名乗るわけです。問題は、A山さんという名前とB谷さんという名前の力関係です。文書上でB谷という姓(戸籍名)が幅をきかせてきますので、なかなか苦労も多いようです。

 法律婚をしているわけですから、子どもの姓はB谷(戸籍名)になります。通称使用は、本名と戸籍名と名前が二つ生じてしまうので、ダブルネームとも言われます。

ペーパー離婚(法律婚から事実婚へ)

 通称(本名)使用は、ダブルネームのしんどさにぶつかります。それから逃れる方法は、現在のところ戸籍名に負けてしまうか、戸籍名を変えるかの二つしかありません。戸籍名を変えるとは、離婚するということです。しかし、パートナーとの関係は今のままでよい...そこでペーパー上の離婚という手段に出ます。要するに離婚届を出すわけです。すると「B谷C子」という人は存在しなくなります。100%A山C子さんになるわけです。紙切れ上では別々。けれど実態は変わりません。法律婚ではなくなります。すなわち事実婚になるわけです。

事実婚

  事実として婚姻していれば、すなわち当事者が「結婚してるんだよ」といえば、それは事実婚です。結婚という極めて個人的な事柄に、資格だの条件などと、第三者がとやかく言うのは野暮なものです。ここでは、事実婚は、法律婚の対称となるものとして挙げておきます。

 事実婚は、婚姻届は出さない結婚です。かつては「同棲」「内縁」など正式でないものとしてともすると差別的に扱われてきました。「法律婚をしたいけれど、それが許されないので、仕方なく」的発想です。しかし今日においては、積極的に法律婚をしないという意思を持ち、あえて事実婚を選択するカップルが増えてきています。

 事実婚の場合、戸籍は別々です。住民票は、事実としての住居形態によります。ちなみに、住民票上では婚姻届を出していなくても「夫婦」であることは、重婚をしていない限り、自己申告で表記させることが可能です(「(未届けの)妻」など:それをよしとする人も、嫌だという人もいますが)。

 なお、戸籍上子どもの姓は、母の姓になります。父が認知をすれば、法律上の父子関係は発生しますが、姓は、当然には変わりません。姓を父の姓に変えるには、家庭裁判所に申立をして、「氏(姓)変更の許可」を得る必要があります。また、許可を得て父の姓に変更されると、母の戸籍から父の戸籍に移ります。

 法律婚カップルの間では、女性(妻)から生まれてきた子は、当然そのカップル(夫婦)の子とされます。確かに、女性の子であることには違いありませんが、父親がその男性(夫)であるかどうかは、実は確かとは言い切れませんね。他の男性との間にできた子である可能性もあります。法律婚の場合、女性の夫が、その子の父親と推定されるということになっています。これを「父性の推定(民法第772条嫡出性の推定)」といいます。事実婚カップルの場合は、自動的には推定されないというわけなのです。

 この「父性の推定」の話をすると、苦笑いする方がいますが、離婚制度の改正を巡る中では一つの大きな課題になっています。夫の暴力に耐えきれず、家を出るという女性が、実は多くいます。...女性は、離婚を希望するけれど、夫は拒否をする。女性は、別の男性と出会い、やり直したいと希望する。その新たに出会った男性との間に、子どもができる。しかし離婚できないので、結婚ができない。多くの場合、女性は改姓している。すなわち暴力を振るう夫(法律上の夫)の姓。「父性の推定」によって、その子は、本当の父親の姓でもない、母親の旧姓でもない、法律上の父親(暴力を振るって母親を苦しめた人)の、姓を名乗ることになる...という問題です。

 ここでは、離婚制度については、述べませんが、結婚を取り巻く・家族を取り巻く課題は、たくさんあるということを、知ってほしいと思います。

つづき