女性差別撤廃条約日本レポート審議 仙台報告会
〜世界からの風をうけて〜に参加して樋口典子
2003年12月14日(日)北京JAC仙台・日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)主催の報告会に行ってきました。
女勢差別撤廃条約というのは「世界女性の憲法」とも言われ、日本を含む世界174カ国が批准しており、あらゆる形態での性差別を禁止しています。
今年、7月日本政府から日本政府から出された女性差別撤廃条約の原則が日本社会でどの程度実現されているか、条約の締約国としての義務を満たしているかのレポート(今回は第4次、第5次)を検討した、国連女性差別撤廃委員のシャムシア・アーマッドさんをお招きしての報告会でした。
女性差別撤廃条約の第16条には夫および妻の同一の個人的権利(姓および職業を選択する権利を含む)。あらゆる場合において、子の利益は至上である。などと[婚姻・家族関係における差別撤廃]がうたわれています。当然、わが国の国内法において、選択的夫婦別姓ができないこと、婚外子の相続差別がいまだあることについては、別姓通信75号にも掲載しましたが、今回の日本レポート審議では「国内法に差別の 明確な定義が含まれていないことに懸念を表明する。」などと、かなり具体的なところまで早急に国内法を整備せよというコメントがなされました。
シャムシアさんは今回の審議では日本のNGOがネットワーク(JNNC)を作り、効率的に国連の委員に日本の状況を知らせ、今国連として何をしなければならないかを討議できた点が良かったのではないかとと話していました。また、私は選択的夫婦別姓など民法改正の点について、婚外子の相続差別について質問をしました。シャムシアさんは現在インドネシアで活動をしている方ということでベースには家族観の差異も感じるお答えでした。「姓」の問題はとても難しいことだと考える。子どもにとって母親は誰かということはわかりやすいが、父親が誰かということはややもするとわからない場合もある。子どもにとって一番の利益を考えるべきではないか。姓はこのことと関わってくるので慎重に考えなければならないと思う。ということでした。別姓に関しては、(インドネシアには戸籍がないので)その人が誰かということを登録する場合は個人の名前を登録し、それが誰の子どもであるかのみを記せばよいと思われる。との話をされました。
その後、国際女性の地位協会理事の堀口悦子さんからのコメントもあり、婚外子の差別についてはよく「法律婚」を守るべきなので、相続差別は合理性があるという話をされるが、例えば、婚外子と婚内子がいる場合、子どもの父親が死亡した場合、父親の財産の1/2は妻、それ以外の財産を婚内子は1、婚外子が1/2となる。しかしながら、婚外子がいて、婚内子がいない場合は子どもの父親が死亡した場合、父親の財産の1/2は妻、それ以外は婚外子が相続することになる。このようなことが行われているということが「法律婚」を守っていることになるのだろうか。また、ひいては「女性は子どもがいて1人前」という考えを強要していることにつながってしまうのではないか。ということを話しました。
その他、今回の政府のレポート(英語)では「シングルの子ども」に対する英訳語が「fatherless」となっており、本来の意味が通じなくなってしまっていて、子どもにとって父親がいないという意味合いにとられてしまったという話も聞かれました。民法改正をすすめている立場からは「なくそう戸籍と婚外子差別・交流会」「ふぇみん婦人民主クラブ」がNGOのネットワークとして参加しており、だからこそ、国連からかなり心強いコメントが得られたと思いました。