はじめ

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66号

Web日記サイト「ある小学校教員の毎日〜夕張の父さん母さんへ〜」(3/14)より
校長先生が女子トイレに入った

土屋聡

 今日は5年生のみんなに「中学生の自分」「20歳の自分」への手紙を書くという予定になっていました。今日は、メモまでということにしていたのですが、中学生のイメージ・そして20歳のイメージのために、前々から子どもたちからリクエストが出ていた、僕の子どもの頃の写真を披露しました。赤ちゃん時代、幼児期、そして5年生のとき。5年生のときの写真を見たときが、みんなの反応が一番大きかったです。「こりゃ、いじめられそう!」という声が、すぐさま出ました。ちなみに、20歳の写真、学校教員になりたてで髪が短かった頃の写真も見せました。そして、赤ちゃんの頃から並べて、「全部、私」と、変遷(成長)を示しました。

 手紙には、「予想」ではなくて「希望」を書こうと言いました。みんな悩みます。笑いを取ろうとする少年の傍らで、集中して書いている少女がいました。みんな、いろいろ考え、明日、清書をする予定です。

 午後、5年で最後の家庭科の授業をしました。4月にみんなに「家での仕事」を紙に書いてもらい、やったことがあるものに赤印を付けるということをしました。その紙を、僕は預かっていたのですが、今日、ほぼ1年ぶりに返しました。字の変化に驚いたり、懐かしんだり、もうこんなことしているよ!と、仕事の内容に目をやる人もいました。そして、いろんな仕事をしながら、暮らしていこうねと、まとめるつもりでしたが、ちょいと思いつきで、問題を出しました。それは、次のようなものです。

問題です。まずは、お話をよく聞いてくださいね。大きな客船が、沈没しました。乗務員は、全員死亡しました。新聞記者が、船長の娘に、こう言いました。「気持ちを落とさないようにしてください。これからは、お母さんと手を取り合って、頑張っていってください。」 すると、その娘は「?」とへんな顔をしました。...さて、それはなぜでしょうか?

 今、これを読んでいるあなたは、どうしてだと思いますか? 「本当は、死んでいないから」「そこに、亡霊が出ていたから」そんな意見が出ました。でも、答えは違います。正解は、出ないと思っていたのですが、ある女の子が、さらりと言いました。驚きました。正解です。
「船長は、お父さんではなくて、お母さんだから」
...これは、ある男性学の講座で知ったものです。正確には、ちょっと違う内容だったかもしれませんが、「船長」と聞いて、すぐに「男性」=娘の「父親」と無意識に考えてしまうジェンダーに気付くためのものだったんです。正解がさらりと出るとは、驚きました。さすがKちゃん!です。

 みんなが「な〜るほど」という顔をしていたので、「家の中のいろんな仕事」と「職業選択」の自由について、話しました。妙にしんとして、集中して聞いていたみんなでした。
「校長先生が女子トイレに入った」
という例文を示したところ、「前にいた教頭先生、女の先生で、校長先生になったよ」などなど、いろんな話が出ました。「総理大臣だって、女でいいんじゃん」とのこと。

 そんな話をふまえ、教室の上に貼ってあるあいことば
「自分のことは、自分で決める〜相談してもいいんだよ〜」
を、確かめ合いました。明日、将来の自分への手紙の清書します。みんな、どんな手紙を書くだろうなぁ。後1週間で、修了式です。

 上の写真(※ごめんなさい。「別姓通信」には載りません)は、昨日みんなで撮ったもの。こんへんに集まってと言わなくても、誰がリードするわけでもなく、みんなしてくっつける雰囲気が、僕はとても愛しいです。

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