はじめ

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64号

旧姓使用が認められました

 (じょり)

 初めまして。私は群馬県の高等学校教諭をしておる、じょりと申します。

 実は今年3月10日に結婚し、戸籍上の姓は変わったのですが、3月中は職場において旧姓の使用をして参りました。その際、学校長と事務長からは、給与に係わる文書(出勤簿、出張申請書など)以外は大丈夫だ、と言われ、3月27日に改姓の申請書を提出しました。

 その後3月30日に辞令の交付があり、勤務先が変わりました。そして4月2日に新たな所属長(学校長)に対し、通称姓を認める要望を口頭で行ったところ、前任校では今まで旧姓を使用してきた実績があるので、生徒の混乱を避けるため、便宜上通称姓の使用を認められたが、人事異動に伴い「生徒の混乱を避けるための便宜」の必要がなくなったため、通称姓の使用は認められない、との回答を口頭で得ました。また、私が教育公務員として、法の遵守を宣誓していることにも触れ、民法上夫婦別姓が認められない以上、戸籍上の姓を使用することが当然であるとの見解を示されました。

 また、この学校長による回答が学校長個人の見解であるか、群馬県教育委員会の見解であるかについて確認したところ、群馬県教育委員会の見解であるとの返答でした。翌4月3日、通称姓の使用が認められない理由について法的根拠を文書において示して欲しいと口頭で学校長に要請したところ、私からその様な要請が文書において提出されれば回答するとの返答をいただきました。大阪府教育委員会が府立学校の教職員について希望により公簿や書類に旧姓を用いることを認めている

実例を考えますと、仮に私が質問状を学校長に提出したところで、学校長もしくは群馬県教育委員会から納得できる回答が得られるとは思えません。

 そこで、旧姓使用取扱要項の案を作成し、要望書を群馬県教育委員会に提出するのが、最善の方法であるかと考えました。そこで、要望書提出に際しアドバイスや参考になる事例など、別姓を考える会としてバックアップしていただける事があればお願いしたくメールした次第であります。通称姓の使用について、断念しようかとも思いましたが、本会を知り、私と同じように悩みつつも勇気を持って行動されている方々を知り、私も頑張ろうと決意いたしました。何卒ご協力お願いいたします。

 

(樋口典子)

じょりさま
 旧姓使用の取組について敬意を表します。

 まず、「仲間は多い!めげないで!」というメッセージをお伝えいたします。旧姓使用については、今年度(2001年度)からスタートしたところも、とても多く、県レベルでは埼玉県、宮城県を皮切りに、熊本県(知事が男女共同参画の視点からも評価できると言っております。)、岐阜県でも4月からスタートすると聞いております。(※2001年9月現在では旧姓使用ができる県は15県(別姓通信調べ))旧姓使用を妨げる「法的な根拠」と言っても根拠のあることを書けるものではないと思いますので・・・旧姓使用レベルでは今のところ一番範囲が広いものは(給与や辞令関係でも戸籍名と旧姓が両方併記されている)岐阜県多治見市(首長がやる気のある人らしい)、東京都三鷹市あたりですね。大阪府豊中市では職員の集まりで旧姓使用要綱の討議がなされているとの情報もあります。

 旧姓使用が認められる自治体の認められ方には、基本的に3つのパターンがあって、
1.男女共同参画の視点から行政レベルですすめていった。
2.労働組合の要求に旧姓使用を出した。
3.地方議会議員が議会で旧姓使用について質問
で、1パターンは埼玉県。2と3のブレンドタイプは仙台市。3は宮城県です。どこの自治体でも「旧姓使用をしたい」人がいて、制度ができるようです。初めの一人になるのはなかなかしんどいですが、全国レベルでみると風はこちらむきですので、ファイト!です。

 反対に旧姓使用要綱を作ってもいいのだけれど、希望する人がいないのでできない・・・というじょりさんからみると、よだれのでそうな自治体もあるんですよ。まず、仲間を作ってください。男性でも女性でも旧姓使用いいよね。と言う人がいると力が出てきます。労働組合や議員さんで力になってくれそうな人を見つけるとベターです。実際私の手元にはいくつかの自治体の旧姓使用要綱がありますし、どのような情報がほしいのかお伝えいただければ、微力ですが、お力になれるかもしれません。

 

(じょり)

 早速のご返答ありがとうございました。私の最大の理解者であり協力者である夫共々大変喜んでいます。

 まず、群馬県では男女共同参画室という部署が県庁に存在し、今年度から、「ぐんま男女共同参画プラン」が実行されるということなので、この参画室に問い合わせをしました。本プランの主な施策の基本課題?として、「県職員の旧姓使用を検討する」という条項が盛り込まれていますが、これについては、任命権者である県知事に呼びかけを行うということに留まっているらしく、旧姓使用要綱を作成し提案するという様な具体的な行動まではいかないようです。私が教職員について旧姓使用要綱案を作成し、要望していきたいと話したところ、参考資料にしたいので要望書を参画室にも送って欲しいとのことでした。

 樋口さんのおっしゃる『1.男女共同参画の視点から行政レベルですすめていった』のパターンに填ればいいと考えていましたが、正直言って反応はあまり良くなかったです。

 『2.労働組合の要求に旧姓使用を出した』のパターンについてですが、現在教職員組合として、協力していただけるかどうか検討中で明日書記長と事務局長から返答をいただく事になっています。

 また、樋口さんのアドバイスを受けまして、今後地方議会議員さんにも協力を仰いでいきたいとおもいますが、これはやはり女性議員さんにお願いしていくべきなのでしょうか? どちらにせよ、私が旧姓使用要項の原案を作成し賛同者を募る形にはなると思いますので。そして特に知りたいのは教育公務員について旧姓使用を認めている自治体の存在とその旧姓使用要綱についてです。

大阪府教育委員会では教職員について旧姓使用を認めているようですが、その範囲や要綱など分かりましたら、教えていただけますか?

 

(樋口典子)

 大阪府の教職員の旧姓使用のことですが、情報がありましたので、転載いたします。

 大阪府庁へ電話して尋ねてみました。教職員の人事担当部署の方がおっしゃっていたのは以下のとおりです。

(府立の学校に勤務の教職員についてです)
■公式に旧姓使用を認めるような制度はつくっていません。
■でも実際には、旧姓使用している人が存在しています。
■普通ならば、結婚等で姓が変わった場合には、人事担当へ姓が変わった届をすることになっています。しかし、旧姓を使いたい人は、その届けをしないままにしておいて、旧姓を使い続けています。
■ですから、人事担当部署としては、戸籍上の姓が変わったかどうか、把握できていないので、すべての書類が旧姓のままになっています。
■教育委員会だけでなく、大阪府庁の職員についても、同様です。
以上のことを教えてくれました。

 そういえば、以前、人から聞いたことがあるのですが、大阪府庁では、わりと旧姓使用しやすい雰囲気があって、制度がなくても、旧姓使用しやすいとのこと。

(太田知事も旧姓使用ですもんね。ちなみに、太田知事は、表彰状などでは太田ですが、かなり正式っぽい文書では齋藤房江(戸籍名)を書いていますが・・・)

 

(じょり)

 大変ご無沙汰いたしました。送付していただいた資料を参考にさせていただき、所属長(学校長)へ個人名で要望書を提出したところ、学校内における旧姓使用は認められる事となりました。対外的な部分としては、県教育委員会の中でも対応が分かれており、職員録を管轄する総務課は認め給与関係の人事課は認めないと言う具合です。とは言え、私が考えていた以上に使用の範囲が広がった形となりました。しかしこれは私個人の要望として処理されたにすぎないので、今後は全県的なルール、要綱作成に向け、職員組合を通じて活動するつもりです。今後ともお元気でご活躍ください。

 

※今回、樋口さんとじょりさんのメールのやりとりを載せましたが、掲載に当たっては、じょりさんに許可を頂いています。別姓を考える会へのメールが、送ってくださった方の許可なく、「別姓通信」に掲載されることはありません。相談メール、原稿メール...お待ちしています。なお、「別姓通信」への掲載を希望される際は、@掲載可であること、A署名は本名かペンネームか...を、明記頂けると幸いです。(編集部)