ペーパー離婚について
(中西清子)
初めましていつも別姓通信楽しみにしております。今日は悩みというか、質問したいことがあってお便りしました。それは、「ペーパー離婚した場合、子供が将来、就職・結婚の際に不利益・差別を受ける可能性がある」というのは本当かどうかということです。
私たちが結婚した93年というのは別姓というのはもう数年以内には法制化しそうな勢いがあるように感じました。そこで私たちは「どうせすぐだから」という感じでその後の生活がどう変化するのかほとんど想像しないままに夫の姓を選んだのです。そして、主人の転勤の際に年収の少ない私の方が専業主婦となり、私たちの家庭はスタートしました。ところが、そうすると外見的には今までの慣習通りの夫婦になってしまい、周囲からも今まで通りの価値観を当然のように押しつけられ、失敗したことに気が付きました。
そこで、ペーパー離婚して、私の姓を戸籍名にし、(夫の会社は通称使用を認めているので)夫に通称を使ってもらおうと思ったのですが、ペーパーでも「離婚」という言葉にひっかかりを感じたので、「離婚しないで姓を変える方法がないのか」93年4月頃に弁護士に相談したのです。そのときに返ってきた言葉が「姓を変えるにはペーパー離婚・再婚するしか方法がない」という言葉と、「ただそうした場合、将来、子供の就職・結婚の際に不利益・差別があるかもしれない」という言葉だったのです。
それ以来、一日も早い民法改正を心から願っていました。が、もう8年がたとうとしています。その間にいろいろありました。例えば次女を出産した際に、当たり前のように「がっかりしたでしょう。」と慰められ、私の祖父の告別式の焼香を決めるときには「清子(私)は他家に嫁いだ子だから、この家に関係ないもっと下で・・」とこれまた当然のように目の前で言われ、etc.etc.きりがありません。しかし、これ以上、女性差別を感じぜずにはいられない今までの結婚の慣習にはがまんできず、今度の転勤の際に、ペーパ-離婚しようと思っています。ただやはり子供のことを言われると気になって・・・ご意見・ご回答をお聞かせ頂きたいのですが、どうかよろしくお願いいたします。
(樋口典子)
中西様本当にレスが遅くなってしまい、申し訳ありません。丁寧なお手紙、そして署名用紙も送っていただき、ありがとうございます。
お手紙の内容ですが、93年に弁護士さんがおっしゃっていた「姓を替えるにはペーパー離婚・再婚するしか方法はない」というのはあやまりです。実際別姓を考える会のメンバーでカップルで姓の変更を家庭裁判所に申し立てて認められた例があります。それは94年3月から5月にかけてでしたので、中西さんが弁護士さんに相談した時期と同じ頃になりますね。ですから、弁護士さんに情報がいっていなかった可能性があります。この別姓を考える会のメンバーの方は仙台家庭裁判所に申し立てております。またそれ以前にも千葉県で認められた例もあります。このような事柄は前例があると結構すんなりといくようですので、中西さんもチャレンジしてみる価値があると思います。
氏の変更をしたメンバーは「具体的にはカップルで家庭裁判所に姓の変更の申し立てをします。日本では氏名の変更権というのは認められていますが、名については正当な理由、氏についてはやむを得ない理由というのが必要とされています。そのやむをえない理由の解釈が問題になるのですが、通常変更しないと社会生活に不都合が生じるほどの深刻な理由でなければならないとされていて、こんな申し立てをしても許可される可能性などないと裁判所の窓口でも散々脅されましたし、根掘り葉掘り事情を聞かれました。でも許可されたのです。裁判官の認識もだいぶ変わってきたのかもしれません。」とコメントしています。また、氏名の変更については婚姻してから「まわりでは中西で認識されている証明・・・中西宛にきた手紙」などを持っていくのもよいですし、行政関係(例えば行政関係が主催の講演会に中西で応募してその案内を行政の封筒でもらうとか)からの手紙なんかは心強い味方になりそうですよ。NPO関係などで名前を売るとか、個人でかんばれるところはあります!厳密に戸籍名でなければならないところは限られていますのでまずは通称使用からいってみてはいかがでしょうか?
子どものことを言われるのはどうも弱くなってしまいますが、これからはどんどん価値観も変わっていきます。むしろこちらから世の中を変えていく気迫でいかなくっちゃ。また、親の離婚で、子どもの将来が不利になると考えている考えこそがこれからは衰退していくものだと思います。ましてや実態が「離婚」していないのに紙切れで離婚しているから差別をするなんてナンセンスです。(水島広子衆議院議員だってペーパー離婚暦3回だし・・)