8月最終週に休みを取り、アラスカ旅行に行ってきました。
アラスカはアメリカ本土から遠く離れているとはいえ「国内旅行」。入出国審査や税関が無く、日本から行くよりは楽です。オーロラが見たいという妻の希望もあり、アラスカの夜が長くなる8月下旬に行ってみることとしました。
フライトは、オクラホマシティ(OKC)発だと料金が高い上にスケジュールもうまく組めないため、ダラスフォートワース(DFW)発としました。また夏のアラスカはホテル、レンタカーなどの料金が高く確保も難しいため、パッケージツアーを利用しました。ツアーの内容は、フェアバンクスを出発点として付近のChena Hot Springsに2泊、次にアラスカ鉄道でデナリ国立公園に移動し観光(1泊)、そしてまたアラスカ鉄道でアンカレッジに移動し2泊、というものです。アンカレッジの1日はフリーとなっていたため、オプショナルツアーの氷河クルーズを入れました。また最終日は夜行便となったため、この日の昼間だけレンタカーを手配しました。
手つかずの雄大な自然を満喫できました。オーロラ、氷河、野生動物など初めて見たものが多く、マッキンリー山も眺めることができ大満足でした。
アラスカはもうすぐ9月半ばには長い冬に入ってしまい、来年の春は5月半ばだそうです。夏が短い分、その輝きは凝縮されたものになるのだなあと思いました。
この日はオクラホマからダラスに移動し、DFW空港近くのホテルに宿泊。ショッピングモールのGrapevine Millsで買い物したりした。
(Frontier Flying Serviceの小型飛行機)
(Mt. McKinley)
(道路脇の川に現れたムース)
(オーロラ)
DFWからラスベガス(LAX)、アンカレッジ(ANC)を経由しフェアバンクス(FAI)へ。
DFWからANCまではUS Airwaysで、DFW-LAXが2時間45分、LAX-ANCが5時間20分。ANCでいったん荷物をピックアップし、ターミナルを移動した後、Frontier Flying Service(2F)というアラスカのローカル航空会社にチェックイン。飛行機が小さいため荷重だけでなく体重もチェックされた。また驚いたことにセキュリティゲートがなかった。搭乗人数が少ないので問題ないという判断なのだろう。
2Fの飛行機はBeachcraft Turboという15人乗りのプロペラ機。こんな小さな飛行機に乗るのは初めてであった。離陸、上昇、水平飛行は問題なかったが、FAIへの降下、着陸の際にグラグラしてやや怖かった。
飛行中には幸運にもマッキンリー山(Mt. McKinley)が眺められた。北米大陸最高峰で、冒険家の植村直己氏が遭難した山として日本では知られている山である。
FAIでパックツアーの説明を受け、現地ドライバーの車でチナ温泉リゾート(Chena Hot Springs Resort)へ。すぐ近くかと思ったら約60mile(100km)離れており1時間20分かかるとのこと。フェアバンクスはアラスカ第二の都市で都市圏人口は8万人。Wal-MartやHome Depot、Lowe's等の店舗も見受けられた。車はほどなく山中に入る。道路脇に農地はほとんどなく、山林か原野である。
ドライバーが途中で車を止めたので見るとムース(Moose、ヘラジカ)が居た。ごく普通に見られるようである。途中にわか雨が降ったが虹も出て、「今夜の天気は大丈夫で、オーロラも見られるでしょう」とのことであった。
チナ温泉には午後8時頃に到着。サーモンやハリブット(Halibut、オヒョウ。大きなヒラメ)のステーキの夕食をとり、暗くなるまで部屋で休憩。緯度が高いため日没は午後9時過ぎである。空が完全に暗くなったと思われる午後11時過ぎに外に出た。空はまだ少し明るかったが、北の空に薄い緑色の帯があり、ゆらゆら動くのが認められた。オーロラではあったが、空がやや明るいため輝きがいまいちで、空が完全に暗くなるまで、リゾート内の広場に座ってオーロラを待つこととした。
午前0時を過ぎてようやく空が暗くなった。しかしオーロラはさっぱり出なくなってしまった。日が出ているうちは暑いほどであったが、次第に気温が下がり寒くなってきた。ウィンドブレーカーだけでは耐えられなくなり、午前1時過ぎに妻はフリースや毛布をとりに部屋に戻った。
ところがこの直後、東の空に3本ほど縦線のような光が出現、やがて東から天頂を経て西に至る二重のアーチ状のオーロラとなった。色は明るい緑色に見えたが、北の空の特に明るく輝いた部分では裾のあたりが少し赤くなっていた。周囲には日本から来た観光客が多くおり(30人程度)、「すごーい」「きれーい」等と歓声があがっていた。妻は部屋でお茶を準備したりしてきたため遅く戻ってきたが、このオーロラに何とか間に合った。ただ30分ほどたって次第にオーロラは暗くなっていたため、次の大出現をもう少し待つこととした。午前2時過ぎに西や北の空でオーロラが再び明るくなり、カーテンのようにゆらゆらと動いた。特に北斗七星のあたりで明るく輝き、今度は妻も十分に眺められた。何とも神秘的な光景であった。
午前2時半過ぎに部屋に戻り、すっかり冷えてしまった体を部屋の風呂で暖めた。
(チナ温泉の岩風呂)
目覚めると午前11時過ぎであった。天気は今日も良いようである。
サーモンバーガー、ターキーサンドイッチのブランチをとり、周囲を少し散策した後、温泉に入る。岩風呂(岩に囲まれたプール)、室内プール、ジャグジーなどを備えており、硫黄分などを含む本物の温泉である(水着着用)。最初のうちは英語やフランス語が飛び交っていたが、途中から日本人(大半は爺さん婆さん)が押し寄せ、日本の銭湯のような状態となった。
カキフライやクラムチャウダー、シーフードパスタの夕食をとった後に少し睡眠をとり、午後11時前から再び温泉に入る。温泉からオーロラを眺めたいと思ったのだが、残念ながら雲がかなり出てきてしまった。温泉は午前0時で閉鎖となり、いったん部屋に戻る。1時前に昨日と同じ場所に行ったのだが、空が曇ってしまいオーロラは全く見えそうにない。そばに待合用の建物があるのだが、今日は昨日以上に日本人観光客が大挙して押し寄せ、150人以上が中で待機していた。部屋に戻り、2時半頃にまた出てみたが曇ったままで、結局この日オーロラを見ることはできなかった。なお大勢居た日本人観光客はすでに諦めて退散していた。
(展望車の様子)
(ツンドラでのカリブー)
(デナリ国立公園での「月の出」)
朝4時に起床。1時間強しか眠っていない。6時にドライバーの車でフェアバンクスへと向かう。チナ温泉のあたりは曇っていたが、フェアバンクスに近づくと晴れてきた。早朝のため、ところどころに低い霧がかかり幻想的な雰囲気であった。またムースも何頭か見かけ、遠くにはマッキンリー山が眺められた。
フェアバンクス駅から、アラスカ鉄道に乗ってデナリ国立公園駅へと向かう。アラスカ鉄道の機関車、客車の後ろに、複数のツアー会社の車両が連結される編成となっており、乗ったのはこのツアー会社の車両である。1階が食堂車、2階が展望車となっており天井までガラス張りである。午前8時に出発。さっそく朝食をとった後、車窓を眺める。だいたいは無人の大地を進む感じで、タイガ(針葉樹林)、湿原、平行する河川、といった風景である。
正午にデナリ国立公園駅に到着。まずはホテルのシャトルバスでホテルに行ってサーモンバーガー等の昼食をとった後、今度はパックツアー会社の手配したドライバーの方(Michaelさん)の車に乗せてもらい、国立公園を回るツアーバスの発着所へと行く。
デナリ国立公園では園内を回る観光バス、Tundra Wildlife Tourに乗車した。ドライバーが園内の動物や自然について案内するツアーである。国立公園のゲートまでは舗装道路なのだが、その先約60マイルはずっとダート道で、断崖の上を走るような箇所もあった。アラスカのこのあたりの植生はタイガ(針葉樹林)なのだが、進むに従って標高が高くなり、草原のツンドラとなった。
道中ではグリズリーベア(Grizzly Bear、ハイイログマ)、カリブー(Caribou、トナカイ)、ムース、ドールシープ(Dall Sheep オオツノヒツジ)などの動物を見ることができた。残念ながら公園の奥の方では曇ってしまい(帰路は途中まで雨であった)、マッキンリー山は見られなかったが、デナリ国立公園の大自然を満喫することができた。
乗車したバスはTundra Wildlife Tour「24号」で、ドライバーのTomさんは非常に熱心で細かく解説してくれたほか、ダート道で土埃がたって窓が汚れたといって何度か窓を磨いてくれたり、ゴミの分別回収を指導してくれたりした。これは非常に良かったのだが、到着が22時半とかなり遅くなってしまい(「31号」にも抜かれた)、迎えのMichaelさんを1時間半も待たせてしまった(携帯も通じないので、連絡のしようがなかった)。なおツアーではパンやハム、チーズなどの簡単なランチボックスが配られ、これを夕食とした。
ホテルに帰着後、オーロラの寝不足もあり、早々に眠った。
(アラスカ鉄道の機関車)
7時に起床し、ゆっくり朝食をとった後、近くのハイキングコースを少し歩く。良い天気である。
10時半にホテルからシャトルバスに乗り、デナリ国立公園駅へ。12時にアンカレッジ行きの列車が到着し、昨日と同じように2階建ての車両に乗り込む。今日は8時間の長旅である。さっそく車内の食堂で昼食をとる。車窓はやはりしばらくは山、川、森、湿原など自然の風景であった。残念ながらマッキンリー山は望むことができなかった。途中停車したタルキートナ駅(マッキンリー山の登山基地となる街である)を過ぎると、ポツポツと建造物が認められるようになった。
18時頃、夕食としてニジマスのステーキや野菜炒めをとる。食堂車は相席であるため、反対側に座った別の客と話す羽目になるのだが、この時は昔立川基地に居たという一行であった。バンクーバーから数日間クルージングをしてアラスカに上陸、各地を観光し、明日に地元のカリフォルニアに戻るとのことであった。日本人だが、オクラホマに居るというと珍しい、と驚いていた。
20時にアンカレッジに到着。25万人程度の街なのだが、大都会に見える。預けていた荷物を受領した後、タクシーでホテルへ。チェックインの後、隣のスーパーマーケットで飲料や食料を買い込み、この日も早々に眠った。
(遡上するサケ)
(サプライズ氷河遠景)
(海に崩れおちる氷河)
少し遅く8時に起床。今日も良い天気である。昨日買ったパン、バナナやヨーグルトなどを朝食にとり、10時前にホテルを出て少し歩く。海を望むレゾリューション公園などに立ち寄った後、今日参加する氷河クルーズの出発集合場所であるキャプテンクックホテルへ。
バスに乗り、船の出発場所であるウィッティアへ。約2時間の道のりで、ターナゲン入江に沿ってしばらく走り、途中山上の氷河やサケの遡上などを眺めた後、長いトンネルを抜けてウィッティアへ到着。
クルーズ船に乗り込み出発。このクルーズは26の氷河が眺められるというもので、山の上の方にさっそく2つの氷河が眺められた。配られたランチパック(チキンナゲットやマカロニサラダ、クッキー、チップスなどの入った簡単なもの)を食べた後、デッキに出てみる。天気は良いが、船のスピードが速いこともあり、かなりの風で寒い。時々船室に戻り、無料のコーヒーや紅茶で体を温める。
進んでいくと周辺に多数の氷河が眺められるようになり、やがてハーバード氷河、エール氷河が海に落ち込んでいるのが見えてきた。船はここで少し停泊。これらの氷河にはあまり近寄らなかったが、次に停泊したサプライズ氷河では氷河が海に落ち込むほんの20メートル手前にまで近寄り、白に少し青みがかかった氷河の断面が眺められた。高さは海から10メートル以上、幅は100メートル以上あり、大迫力であった。小規模だが氷河が海に崩れる場面も見ることもできた。途中にはラッコが群れになって輪を作り浮かんでいたりする姿や、アザラシが氷河から崩れたと見られる海氷に乗り休んでいる姿も眺められた。その後やはり海に落ち込むバリー氷河の前でしばらく停泊、また鳥のコロニーとなっている断崖を眺めたりして、3時間半のクルーズは終了となった。帰りのバスに乗り、途中スキーリゾートのアリエスカに少し寄り、またターナゲン入江を泳ぐシロイルカを眺めるなどして、午後7時半頃にアンカレッジのホテルに戻った。
ホテル近くの日本食の店へ。ここは魚屋兼居酒屋といった感じの店で、メニューも壁に貼ってあるだけである。久々の和食で、刺身盛り合わせ(マグロ、サーモン、ホタテ、ヒラメ、ハマチ等)、サケ親子丼、タラ粕漬け焼等を頂いたが美味であった。食後に魚を見たが、明日の帰り際に買うことにした。
(マタヌスカ氷河)
(アラスカ動物園のドールシープ)
天気が悪いとの予報であったが、朝はまだ晴れていた。部屋で朝食をとり、チェックアウト後にホテルのシャトルで空港へ行きレンタカーを借りた。市内に戻りスーパーで飲料や菓子を買い込んで出発。次第に曇ってきたが、アンカレッジ北方のマタヌスカ氷河まで行ってみることとした。
途中、エルクートナ湖に立ち寄った後、さらに北上。次第に深い山中に入っていくと、晴れてきた。しばらく氷河はおろか雪も見あたらなかったが、アンカレッジから約100マイルに達するあたりで、向こう側の山の下に舌のように伸びてきているマタヌスカ氷河が見えてきた。氷河の上をスキーで滑れそうなほどの傾斜であった。氷河を眺めるレストランで昼食をとりしばし休憩。妻はサーモンバーガー、私はその名も「グレーシャー(氷河)バーガー」(ベーコンやタマネギののったハンバーガーであった)を食べた。
アンカレッジに戻り、アラスカ動物園へ。けがをしたり、親や群れから離れてしまったりして保護された動物を主に紹介しており、クマやカリブー、ムース、ドールシープなどアラスカの動物を多く見ることができた。オオカミは体が大きい上に目つきが鋭く、妻は少し怖がっていた。またホッキョクグマはやはり大人気であった。
土産屋に立ち寄った後、昨日とは別の和食レストランに行き、鮨を食べた。その後昨日の魚屋に行ってサケやタラなどを土産に買った。店内にはスチュワーデスと思われる方も居り、日本人やアメリカ人で賑わっていた。アンカレッジは25万人の街なのに、100万人のオクラホマシティよりもはるかに日本食や海産物が充実しており、うらやましいと思った。
午後9時過ぎに空港に戻ってレンタカーを返し、チェックイン。帰路はFrontier Airlineでデンバー経由ダラス行である。空港で少し土産を眺め、11時過ぎにアンカレッジを出発。
約5時間のフライトで、朝6時過ぎにデンバーに到着(時差−2時間)。ダラス便は45分間後の7時発、ダラスには9時半に到着した(時差−1時間)。Frontierは格安航空会社ではあるが、全席にモニターが付き、またデンバーでの乗換時間が短かったが預け荷物も問題なく届いた。<BR>アラスカの気候に慣れてしまったのでダラスの暑さに備え、Tシャツ短パンに着替える。駐車場の車は屋内にもかかわらずひどく汚れていた(雨漏りのためのようであった)。食事をとり、魚屋さんで買い物し、オクラホマには午後5時過ぎに帰還した。やっぱり暑い。なお翌日は昼まで眠った。