名水大全カバー画像・2001年3月号


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鳥海山山麓
牛渡川湧水群
(山形県飽海郡遊佐町.1999年7月探訪)

表紙画像 牛渡川湧水群

 いいかげんにしろという声が聞こえてきても(←もちろん来ていないけど),まだまだ鳥海山シリーズは続きます.今度は前月のような不思議な水というよりは,湧水ファンならば一度は見ておくべき「正統派」,王道を行く湧水の紹介です.

 鳥海山の熔岩流が麓に向かって流れ出し,やがて冷え,そして後には特徴ある(プロなら一目の)地形を残します.その末端は急な斜面や崖になって終わっています.そして,その中腹や基部近くから,湧水が湧いています.去年10月号で紹介した胴腹滝もそうでしたですが,ここ牛渡川も同様に典型例を見せてくれています.

 上の写真左側が牛渡川の光景です.一見すると,崖下に沿って流れるごく普通の川です.しかし,流れる水の大半は,まさにその崖の基部にある数ヶ所の湧出点から湧いてきている水なのです.東京の湧水に詳しい人なら,ママ下湧水(今はどうなっているのかな…)の規模を数倍にして川の流れを逆にしたような感じといえば大体分かるでしょうか.

 湧き水が多いということは,もちろん水は大変に清澄です.真ん中の写真にあるとおり,水中にはバイカモまでも平気な顔をして生えています.

 近くには養魚場があります.その水源となっているのが丸池という池の水で,もちろんこれも湧き水です.写真右にあるように,深い緑の中にひっそりとある直径50mくらいの丸い池です.湧き水起源の池ということで,遠くから見ると水の色が実に微妙な味わいです.近くに行くと,もちろんかなりの深さまで透けて見えまして,美しいというよりはむしろ人間の触れてはならない世界をのぞいているような気分にさせられます.

 なんとも美しい川です.そしてまた,周囲に何の観光施設もなく実に目立たないところに静かに存在している川でもあります(べつにアプローチは困難ではないが,しかし誰でも寄っていくという感じではない).ちなみにNHKの「にっぽん川紀行」でも紹介された川であります(→概要).訪れる際は,ぜひこの静寂を壊すことのないように…

(詳しい位置等については名水大全山形県編参照.)


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