名水大全カバー画像・2000年12月号


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表紙画像(2000年12月号)

鳥海山山麓
元滝伏流水
(秋田県由利郡象潟町,1999年7月探訪)

表紙画像 元滝伏流水

 今回も鳥海山山麓の水の紹介です.気分を変えて秋田側の水を紹介してみましょう.

 車止めから木立の中を歩くこと数分,谷に下りるところで近くからドウドウと水音が聞こえます.これが元滝か…と思ったらさにあらず,元滝は実はもっと奥にあります(筆者が訪れたときは遊歩道が通行止めで,元滝まではいけませんでした).水の音は,実は谷底に湧く大規模な湧き水が発していたのです.これが元滝の下にある元滝伏流水です.

 幅数十メートルにわたって山肌のあちこちから水が湧き,川に落ち込んでいます(上の写真はそのほんの一部しか写っていません).山形側の胴腹滝に匹敵,あるいは凌駕する水量ですが,こちらのほうはいささか水を汲みにくいためか,あまり知られていないようです.

 写真で見ればお分かりのように,常に水が滴っているこの斜面は分厚いコケにびっしりと覆われ,独特の雰囲気を作り出しています.また,筆者が訪れたのは夏でしたが,このときは谷底に湧き水由来の冷気がこもり,猛烈な霧が発生していたのも印象的でした.

 こういう水を訪れると,まだまだ世の中には知られざる湧き水というものが多いと実感させられるものです.読者の皆様のご自宅近くあるいは故郷にも,もしかしたらそういう第一級の水が人知れず存在しているかもしれません.慣れ親しんでいるつもりの自然をそういう目で見てみると,また違った見方ができて大変面白いものです.

 我々人間にとっては,自然についてはまだまだ分からないことだらけです.このような水に出会うと,知っているつもりの日本の自然について実はまだ知らないことがたくさんあることを思い知らされます.しかし,知らないことがあるということは恥じるべきことではありません. 全く新しいものに出会ったときそういうセンス・オヴ・ワンダー(「これはビックリ!」という気持ち)を感じられれば,そして自然の新しい一面に触れることが出来た喜びを素直に感じられれば,それが一番いいのだと思います.

(詳しい位置等については名水大全山形県編参照.)


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