蓼科山中腹
女ノ神氷水
(長野県茅野市.1990年ころ探訪)
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えんえんと続く火山シリーズ.しかし今回は火山山麓というよりは火山中腹にあると言った方がよい水の紹介です. 東京から見ると八ヶ岳連峰のカゲになってしまう蓼科高原は,なだらかな斜面と深い森林に包まれたちょっとした穴場です.その蓼科高原を通り抜けるメインロードが「ヴィーナスライン」と称される立派な舗装道路です. そのヴィーナスラインの道端に,何気なく流れている水があります.良く見ると,一部は斜面の上方から来ているようですが,しかしかなりの量の水が火山噴出物の隙間から湧いて出ていることが分かります.1990年ころ探訪したときにはまったく何の標識もなかったのですが,蓼科山に登る前だったのでありがたく水筒を満たしたもので,強く印象に残りました.現在は道の脇に小さく女ノ神氷水の看板が立っています. ヴィーナスラインの名の由来は正確には知りませんが,二つ考えられます.一つは,南の入り口である茅野市は目下先史時代遺物の唯一の国宝である土偶の出土地であり,その土偶の通称は「縄文のヴィーナス」というのです.そしてもう一つは,蓼科山の別称が女神山というのです. なぜ女神山というのか,これも由来は知りません.しかし現地に言ってみるとはっきり分かることがあります.赤岳などの八ヶ岳連峰中央部の山稜は侵食が進んでギザギザとなり,実に峻険なシルエットを見せるのに対し,その北に位置する蓼科山周辺は実になだらかで優美な長い長い曲線を示しているのです.そうなると赤岳方面を男神の山,蓼科山方面を女神の山とみなすのは自然の流れというものでしょう(ちなみに筆者は,この山の近くに行くたびに雷か強風か濃霧に遭遇してひどい目に遭うのですが,何か女神サマの逆鱗に触れてしまったのでしょうか(笑)). 展望で知られるピラタスロープウェイへはこのヴィーナスラインの途中から山の中に入ります.そちらへな大勢の人が行くようです.しかしヴィーナスラインを通り抜ける方面には,そこに別荘地を持っている人以外はあまり多くの車は通らず,静かなドライブとなることが多いです.が,その周りにはそこらじゅうを水が流れている「べていじん」の森(北佐久郡立科町)や,ちょっと足を伸ばせば高原の湿原である御泉水公園(同)など,なかなか面白いものがあるものです.自然水探訪という意味でもちょっとした穴場と言えるでしょう.これから来る暑い季節に,避暑がてら探訪してみてはいかがでしょうか. (詳しい位置等については名水大全長野県南部編参照.) |