苗場山麓
龍ヶ窪の池
(新潟県中魚沼郡津南町.1994年ころ探訪)
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これまでしつこくマニアック路線をキープしてきた表紙画像火山山麓編ですが,ついにメジャー湧水の登場です.それもいきなり名水百選.新潟県津南町の「龍ヶ窪」です. といってもやはりありきたりの紹介で終わらないわけであります(笑).津南といえば信濃川が作った大規模な河成段丘で知られる「巨大ひな壇状態」の町です.で,そこに湧くこの水はどうしてもその段丘と結びつけて説明されがちです.段丘から湧くとなると,たとえば東京都国分寺市・世田谷区あたりの「ハケの湧水」が有名ですが,それと同類というイメージすらあるかもしれません. しかしながら,1/25,000地形図「赤沢」を見てみましょう.なんだか変な地形が見えないでしょうか.特に,なんだかモワモワした形の妙な帯が南から流れてきて,何段もある段丘のうちその高位面に覆い被さっているのがお分かりでしょうか.実はこれは苗場火山からやってきた火山噴出物で,龍ヶ窪はその末端にあるのです.そして水は段丘堆積物と火山噴出物の間から湧いているそうです.つまり,湧水の存在とその位置に,火山噴出物が大きな影響を及ぼしている,そう,龍ヶ窪は(段丘の水というよりは)火山山麓湧水と言ってよいのです. 先月紹介した浅間山麓・真楽寺大沼池と同様に,こちらも鬱蒼とした森に囲まれた池で,やはり龍の伝説があります.湧き出し口は一箇所ではなく,しかも池底にもあるそうです.差し渡し200mくらいの池は,およそ2mの水深で,もちろん底まで見えそうです.全体的に,あまり池には近づけないようになっていますが,池を一周する細い道があり,数箇所で水面近くまで降りられるほか,湧き出し口をいくつか見ることができるので,ぜひ歩いてみるべきでしょう. 上の写真はその遊歩道から早朝に撮ったものです(実は遊歩道に入らないとこういうふうに池がよく見える所には行けません).暑い日にも寒い日にも,湧水の温度は空気の温度とえらく違う場合がたびたびあり,それに応じて湧出点の周囲(龍ヶ窪の場合は池の周辺全体)に霧がかかることがあります.その結果実に印象的な眺めが得られる可能性があります. それほど汲みはしやすい水ではないですが,一度見てみる価値はある湧き水です. (詳しい位置等については名水大全新潟県編参照.) |