所謂太平洋戦争開戦を描いた映画では、日本帝国海軍連合艦隊は、悪役にならざるを得なかったが、この映画では、何とかその実像に迫ろうとする意欲のようなものが窺えた。彼らは彼らなりに頑張ったのだと、一時間遅かったなら奇襲攻撃は妥当な先制攻撃になったのだと、彼らはそのつもりだったのだということを、きちんと描いている。 不謹慎な言い方になるが、戦闘シーンは面白かった。でも、これって、本当にラヴ・ストーリーなのかい? レオンは志願して英国空軍の助っ人になるが、ダニーには命令だと言っている。志願だと言えばダニーも志願するだろう。それが分かっているから、ダニーを危ない目に合わせたくなかったから、命令だと言ったのだ。そして、レオンは撃墜される。 レオンを失ったイヴリンに、ダニーは恋をする。レオンを失った哀しみを乗り越えて、二人は愛し合うようになるのだが、嘘だと思った。 レオンを失ったダニーは、哀しくて、淋しくて、辛くて、同じようにレオンを失った哀しみに耐えているイヴリンを愛していることにする。イヴリンといると、レオンが近くにいるような気がするからだ。 レオンが生きて帰ってきた時、ダニーは嬉しくて仕方がない。抱き締めたい、抱き締められたい、ダニーはそう思うが、イヴリンの存在がそれを許さない。ダニーは、レオンの死に耐え切れなかったのだ。だから、イヴリンを愛していることにした。それが、ダニーに後ろめたさを感じさせているのである。 極秘任務への参加を打診された時、レオンとダニーはこれに志願するが、レオンは最早ダニーを止めない。ダニーは二度と同じ思いはしたくなかったし、レオンもまた同じ思いをダニーにさせたくなかったのである。イヴリンは、関係ないのよ。 極秘任務で、ダニーはレオンに向けられた銃口に身を晒し、結果撃たれて戦死する。ダニーは愛するレオンに抱かれて、息を引き取るのである。これ以上の、悲劇的な幸せがあるだろうか。 ダニーの遺体と共に帰国したレオンは、その後ダニーと同じ名を持つダニーの子供の父親となる。一緒に、飛ぼう。レオンは、いつの日か、ダニー・ジュニアにそう言うだろう。そして、その時、イヴリンは、レオンにも、ダニーにも愛されてはいなかったのだということを知るのだ。 酷い話だ…。これを、ラヴ・ストーリーというなら、それでも良いけど、本当に「愛」なんかあったんかいと、イヴリンに聞いてみたいと思うのは、多分私だけだろう。すいません。(2001,8,14)
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