プロローグ
季節はずれの台風3号のおかげで、今年もまた富士山に拒まれた。しかし、台風一過の素晴らしい好天で富士山は私に7号目から山頂の鳥居を見せてくれたのだ。早くここまで来いよって事だとおもう。ああ、又トレーニングのやりなおしだ。しかし昨年よりも確実に体力がついている事も実感した。こうなったら更に精進して必ず富士山の山頂に立ってお鉢巡りもしてやろう(2000.7.10)


台風一過
登山を予定していた8日の午前3時は台風が絶好調。いくら無謀なワシでも台風の真っ只中に登るほどアホではない。結局台風は関東地方をかすめて北上して行ったが、残された時間はぎりぎり。みんなで話し合った結果、本日夜9時から深夜登行し行けるところまで行ってご来光を見に行くことにした。とりあえず、午前中に須走口5号目を下見に行く。台風一過で汚れた空気が一掃され房総半島、伊豆諸島、ランドマークタワーまで綺麗に見えた。その後ペンション近くの美味い蕎麦屋でてんざるを食し、夜まで仮眠をするはずだったが、30分ほど昼寝しただけでもう眠れない。仕方ないのでペンションに置いてあったプレステの電車でGOをしたのだがはまってしまった。夕食後、富士山を目指しペンションを出発した。ペンションから見える富士山も山頂までクッキリと見えた。
台風一過


富士山五号目

見にくいけど須走口五合目
車の冷却水の警告ランプが付くというトラブルがあり、午後9時に須走口5号目に到着。台風一過で汚れた空気が一層され、夜景が非常に綺麗だ。富士山はドコモだけが使えると言うのに電波の状況は非常に悪く、i-modeで富士山実況中継をしようと思っていたのだが、HPにアクセスできないどころか、通話もままならない状況であった。今回、万全を期すためにENZO氏が5号目で待機してくれることになったのだが、結局きちんと通話できたのは夜が明けてからという状況であった。気象条件にも左右されそうなので、いくら携帯があるからといっても過信は禁物です。と言う訳でヨッシ一家と無事合流。(どう言う訳なんだ?)恒例のお清めを行ない、5号目で体を慣らす。9時30分、いよいよご来光への深夜登行がスタートした。


樹海

緩やかなスロープを1歩1歩富士山を噛み締めるように登っていくとすぐにお約束どおり階段でけつまずいて、ボケをかます。これでみんなの緊張感も和らいだことだろう。すぐある祠で登山の無事をお祈りし、樹海の中をひたすら登った。しかーし、須走口は深夜登行には向かないことが判明する。まず樹海の所がヒジョーに長い。標高2000からスタートするため、全然植物が小さくならないのだ。(前回の河口湖は2400からのスタート)前回のイメージだと徐々に植物が小さくなっていきだんだん砂礫の世界へ行くという感じだったのに。樹海部分が長すぎる。これは昼間のハイキングコースだな。懐中電池の灯りと登山道の標識だけが頼りである。一瞬開ける場所では満天の星空。1日遅れの七夕さん。眼下に広がる夜景。ポッカリ穴が開いたような山中湖。深夜登行には昼間の登山と違った素晴らしさがある。そしてまた樹海の中に入っていく。樹海での歩行はかなり汗をかき最初から重装備のワシは服が絞れるほど汗をかいてしまった。寒くなってきたので着替えるが着ていた服は汗を吸ってずっしり重たい。須走口からの登山は最初は寒くても軽装が良いようだ。後は寒さに合わせて服を重ねて行けば良い。相変わらず運動は苦しいのだがトレーニングのおかげか昨年に比べれば楽でペースも少しいいペースで登れるようになっているのだが、時間だけは非情に過ぎていき結局樹海を抜けたときには深夜1時近くになっていた。


富士山六合目
樹海を抜けると今度は岩場の登場である。しかし、何号目とかいう標識は全くなく、自分がいったいどの位置にいるのかさえも把握できてない状況での深夜登行。休憩をしながら登っていくと何やら山小屋らしき物を発見。あそこは7号目か?かなり勾配がきつくて高度は大分稼いだはずだから、ひょっとして8合目かもなどと期待が膨らむ。ようやく辿りつくと6合目。ガーン。去年は6合目は比較的すぐ着いてしまったぞぉ。須走は山小屋が数えるほどしかないので、次の目標という物が見つからない。とりあえずジグザグの頂点を目標とし少しずつ登っていく。


富士山七号目

疲労困憊
岩場も少なくなり、だんだん砂礫へと変わってきた。相変わらず満天の星空。出るのはため息とオナラのみ。高地へ来ると気圧の関係でオナラが良く出る。もしもここが火星であるならば、オナラだけでも1メートルぐらいの推進力にはなるだろうなとしょーもないことだけ相変わらず考える。3時前7号目山小屋に到着。風が出だして、汗をかいた体の体感温度は休憩するとあっという間に下がってしまう。深夜登行のためか、頭がボーっとし昨年は食べられた食料も全く食べられない。


富士山本七合目 ご来光
今回はライバルもなくとにかく自分との闘いである。時間は刻々と時を刻み、空も白み始めてくる。鳥取に帰るのに10時間近く掛かるので、とにかく7時ぐらいには5号目に帰らなければならない。時間の目安はご来光のある4時すぎ。肉眼でうっすらと山小屋が見えてきた。これが8合目か??とにかくひたすら山小屋を目指すがペースが上がらない。足を進めれば必ずつくのは判っている。でも足が進まない。水平線が赤く染まり始めた頃。山小屋到着。残念ながら本7号目であった。ここで先に行ってもらったよっし一家とばったり遭遇。今回登山に参加した全員でご来光をみる。4時20分。見たこともないような真っ赤な太陽が東の空から出てきた。山頂に立てなかった悔しさもあってか感動はしなかったが、本当に美しかった。山頂で見たら少し違ったかな。まぁとにかく寒さと悔しさと疲れと寝不足と渾然と一体となってボーっとしていたと言うのが正解かも知れない。太陽が出てくると山頂の鳥居まで見ることができた。素晴らしい天気だ。前回は山頂は雲で隠れていて見えなかったのだが、今回ははっきりと山頂が見えた。想像とは少し違ったが行って見なけりゃ解るまい。



下山 砂走り
というわけでいよいよ下山の時を迎える。朝を迎え眼下に山中湖を見下ろしながら、振りかえれば山頂の鳥居。見晴館で下山道を教えてもらうと、もう少し上に登ったところにあるらしいので動かない足を無理やり引きずって下山道まで登る。兎に角下山には自信がある。がなかなかそこまで着けないのだぁ。ようやく下山開始。登山のときとは違って足取りは軽やかだ。あっという間に砂走り。砂走りは名前の如く、走った方が楽に下りられる。注意深く下りれば下りるほど足に負担が掛かってしまうようだ。薬屋S氏はスキー下りという新しい画期的な下り方を発見したようだが、実際に効果があったかは定かではない。


樹海〜ゴール
今回はご来光という目標に向けて、あせって歩を進めたせいか、余力が全くなくて砂走りで足がつりだしてしまった。一杯、一杯でようやく砂払い。看板には5合目まで20分と書いてある。所が樹海部分に入っても20分どころか全然、5合目の気配さえ見えないのだぁ。まぁ良く考えれば登りは樹海部分を抜けるのに3時間以上も掛かっているのだからそれを20分で抜けるのは虫が良すぎるってものか。ハイキングコースとしては最高な樹海部分だが富士山にチャレンジした後は最高に辛い部分であった。ようやく登山の無事を祈った祠に到着。ゴールは近い。見覚えのある景色を辿りながらようやく5合目の売店に到着。感謝の意をこめてスーパードライ350を飲み干した。


エピローグ
所で前回は悔しくないと書いたが、今回の登山は非常に悔しかった。時間さえあれば確実に山頂に到達できていたことであろう。
昨年は河口湖口(標高2300)〜本八合目(標高3360M)、高度1060Mを登るのに8時間近く掛かっていたが、今年は須走口5合目(標高2000M)から本七合目(標高3250M)七時間足らずで1250Mも登れているのだ。季節はずれの台風3号さえ来なければ。。。まぁ登山も自然との闘い。余裕を失った我々も悪いのだ。今度はじっくりと作戦を立てて、余裕を持って富士山をせいはしてやる。今回は深夜登行のためデジカメがぼろく、上手く撮れている画像が少ないので写真は少なめです。


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