Jack Higgins No.8

脱出航路

原題  STORM WARNING
訳者名  佐和誠
出版社  ハヤカワ文庫(NV)
ページ数  409

introduction

1944年8月ブラジル。
第二次大戦もそろそろ終幕を迎えようとしていた頃、1881年建造のバーカンティーン型帆船<ドイッチェラント>号は北を目指して密かに出航した。船長はブラジルで仮釈放中のドイツ海軍将校エリッヒ・ベルガー。なんとしても故国ドイツへ帰りたいがための無謀な計画だった。帆船、しかもとうに引退していてよい老朽船での8千キロの航海。さらにアメリカ・イギリスの軍艦や爆撃機にいつ発見されてもおかしくない航路。さて、彼らの行く手には何が?

涙、涙の大傑作でした。(ノ_・、)
出航間際に無理矢理乗船したのはシスターたち。無理矢理というワザを使うあたりに、先の『神の最後の土地』を思い出し不吉な予感にとらわれる。(しかも5人…)それに海洋ものと言っても乗り物は軍艦じゃないし、別に戦うわけじゃないみたいだし。登場人物が多く、ストーリーもドイツ・アメリカ・イギリスのそれぞれに分散するため、中盤辺りまでは読むのに時間がかかってしまった。
しかし、しかし。海に魅せられた男たちって、なんて奴らなんだろう。彼らは理屈で動くのではなくて、そう、たぶん本能で行動するのだろう。海の男というまた別の本能で。いや、それを知っている女たちだって…。特に救命艇を操り、長く海に囲まれて生きてきたファーダ島の彼らにとっては、あるいはしごく当然のことなのかも知れないが、私にとっては驚きと涙と感動の嵐だった。
海の勇敢なる友人たちに敬礼。∠(・_・、)

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