Lost Time 3
前から後ろから
先日、健康診断で「潜血反応」が陽性で、大腸検査をする羽目になってしまった。
大腸検査というと、「カメラ」をケツから入れるアレなのだ。トホホ・・・。
2年前は胃の検査で「胃カメラ」を「飲んだ」。今回、ケツから「飲んで」、まさに
「前から後ろから」になってしまった。
ミニマグライト・・・・・
大腸検査は前日の夜から始まる。前日の夕食から絶食なのだ。おやつ好きな私には、
夕食後のおやつタイムが無いということは、ゴールを目の前にシュートをふかしてし
まったよりも辛いかも知れない。
さらに辛い「準備」は検査の朝にも続く・・・。朝8時から、何とかという(早く
忘れてしまいたいので、名前は忘れた)ポカリに似た粉末を2リットルの水に溶かし
て10分おきに200ミリリットルを飲まなくてはいけないのだ。
これは、腸の洗浄液なのだが、けっこう辛い。10分おきに、何とも言えぬ味の液体
を飲まなくてはいけない。しかも飲めば、「下」から出てくる。
トイレにしゃがんで、「ん〜何だかオシッコのような感覚だ?」「不思議だ。女性は
こんな感じか?」等と考えつつ、ウンチが混ざっていないか、綺麗になっているか、
ケツを拭きながら、便器の奥を覗いて確かめるのだ。
検査の前日、机に向かって気が付いたことがある。以前に胃カメラを飲んだ時のカメ
ラが、友人からもらったオーストラリア土産の「ミニマグライト」に似ているのだ。
いよいよ、この「ミニマグライト」をケツに入れなければならない!と思いつつ、ち
ょっとだけケツに当ててみた。ん〜イヤだ!助けてくれ〜!!
怪しいボクサーパンツ
いよいよ検査の日だ。「ミニマグライト」で予行演習もしている。自信はあるぞ。
検査の前に、看護婦さんから特殊なパンツが渡された。
「お尻に穴の空いた紙パンツです」「検査が終わったら捨ててください」。
見ると、ボクサーパンツの様なパンツで、通販で売っている「エッチパンツ」の様で
もある。こんなパンツは初めてだ。ちょっとだけ興味が湧く・・・。
その「パンツ」を履いている時に、前に検査を終えたオヤジが更衣室に戻ってきた。
何だか、トボトボと辛そうに歩いている。「オイオイ、オヤジ、ガンバレよ!」なん
て声をかけてあげたくなるほど、ショボイのだ。
いよいよケツ丸出しだ〜
検査室の前で待っていると、「藤田さん、ど〜ぞ」。
見ると、若い看護婦さんではないか。「そんな〜!若い看護婦さんにケツ見られたく
ない〜〜」。逃げたくなってしまったが、このパンツ姿で病院をウロウロしていたら、
間違えなく「変態」なのだ。
「グェ〜、もう観念するしかない」と診察室に入る。
中には若い男の先生と看護婦さんが4人。しかし、年輩の看護婦さんを2人残して、
若い看護婦さんは隣の部屋へ・・・。
「良かった〜」と思っている間に、そのおばさん看護婦さんが、私のケツに、ケツの
穴に、ゼリーを塗っている。
「塗るなら塗るって、言ってくれよ〜」と、心の準備もできないままに、ケツを見ら
れてしまった。
ケツにマウスピースの様な器具が突っ込まれ、ついにカメラがケツに・・・。
「ん〜、それほどでもないな・・・」「そうか、ああいう時って、こういう感じなん
だ」等とシュールに考えつつ、ケツを看護婦さんの前で丸出ししていたのであった・・・
突然、予期もせずプスッ、プスッという音が・・・
看護婦さんの目の前に丸出しになったケツ。ケツの穴に差し込んだマウスピースみた
いなものから、時折、プスッ、プスッという音が・・・
「違う違う!これは屁なんかじゃない!」「腸を撮影し易いように、空気を送り込ん
でいるんだ!いわばゲップみたいなものだ!」と、心の中で看護婦さんに言い訳する。
しかも、先生が「そうそう、いっぱいガスを出してください」とダメ押し。
「そんな事言ったら、ますます屁みたいじゃないか〜!」
診察台に「生板」状態の自分が、妙に哀しかった。
検査が進むにしたがって、カメラも奥に入っていく。途中、腸の壁にカメラが当たる度
に引っ張られるように痛い。
「昔、虫垂炎を起こした時の痕が癒着しているから痛いんだね〜細いカメラに替えて入
れますね」と先生。
「始めからそうしてくれよ〜」と私の無言の抗議。そう、私、20歳の時に、虫垂炎を
我慢して、中で、破裂させ、1ヶ月半も入院した経験があるのです。
「若気の至り」がこんな時になってから・・・・・
ホルモンに謝りつつ、やっとのことで検査終了!
その後は検査も順調(?)に進み、カメラを見せてもらいながらの検査へと・・・。
「ん〜、まさにいつも食べているホルモンのようだ」と思いつつ、腸に空気を入れられ
る痛みとカメラが腸の壁に当たる痛みを我慢する。
「ホルモンさんごめんなさい〜!」そんな気持が脳裏をかすめる。
何かにすがりつきたいのだが、診察台には掴む物がない。
そうだ、さっきの若い看護婦さんだ。
「ここに来て手を握ってくれ!」という願いも空しく、お腹のあたりを押さえていたら、
あのオバサン看護婦さんが「あ〜っ、お腹押さえたらダメだよ!」って。
こっちはケツ出して、ケツからはプスッ、プスッなんだから、お腹くらい押さえたって
いいじゃないかよ〜。
こうして約30分の検査が終了したのだ。
検査の結果は小腸に炎症あり。要経過観察だった。もう「飲みたくない〜」。
更衣室に戻って、鏡に映った我が姿は、前に検査を終えた、あのトボトボ・オヤジその
ものだったのだ。オヤジ、ごめん!自分もオヤジだったのをすっかり忘れていた。
ボクサーパンツも、検査前には「ん〜面白いから帰りに持っていこう」なんて思ってい
たが、そんな元気も失せていた。
こうして私の「ケツにモノを入れる」という初体験が済んだのだ。
P.S.プスッ、プスッは決して、屁ではない。検査を受ける方は、恥ずかしがらずに思
い切りプスッ、プスッしよう!

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