月の土地購入 2002/5/11

 月の土地が買えるそうです。1エーカーが1,980円。1エーカーといってもピンときませんが、約1,224坪、サッカーグラウンドひとつ分に相当するそうです。正方形なら一辺が約63メートルになりますね。それが1,980円。安っ! つか、マジ? 今なら映画「月のひつじ」公開記念として、土地の権利書が特別デザインで、場所がアポロ11号の着陸地点に比較的近いという特典があります。映画なんてどうでもいいですが、ネタのために買ってみました。
※アポロ11号…アームストロング船長が「これは1人の人間にとっては小さな一歩だが…」と言ったアレ。

 販売元のLunar Embassy Japan社(以下LEJ社)から届いた権利書です。日本語訳もあります。「月のひつじ」特別デザインということですが、紙の右下にひつじのシルエットが追加されているだけのようです。

土地の権利書

土地の権利書(部分)。
※スキャナの読み取りサイズより紙が大きいため

月の地図

月の地図(部分)。
が僕の土地、はアポロ11号の着陸地点。

拡大地図

拡大地図。
「静かの海」というだけあって、なだらかな地形のようです。
近いように見えて、アポロ着陸地点から120Km以上離れています(笑)。
CLIB Lunar Feature Extensionで検索すると、月の画像を地名で探すことができて便利。


 なるほど道具立てはしっかりしています。しかし、本当に月の土地が自分の物になるのでしょうか? LEJ社のHPによると、同社は米国のLunar Embassy社(以下LE社)によって販売資格を認可されているとあります。ではLE社とはいかなる組織なのか。月面の土地を販売する権利とはいかなるものか。そのへんを考えてみましょう。

 LE社が売る月の土地は、同社の代表であるデニスM.ホープ氏が所有権を宣言したもので、ほかにも8つの惑星とその衛星の土地の所有権を主張しているようです。ようするに、太陽系はデニスさんの物ということですね。
※太陽系はデニスさんの物……異星人が来襲した場合は、持ち主として直接かけあってほしいです。

月憲法

月憲法 第1条

月憲法

月憲法 第6条、第7条。


 所有権の根拠としてLEJ社は
デニスM.ホープ氏による所有権の宣言は、サンフランシスコカウンティーオフィスで最初に提出し認可され、次にアメリカ合衆国、旧ソビエト連邦および国連に提出されました。
と述べています。サンフランシスコカウンティーオフィスとやらがなんなのか知りませんが、安易に認可してんじゃねーつの。アメリカ・旧ソ連・国連にも提出されたそうですが、認可はされていないんですね。馬鹿馬鹿しくて無視されたか、門前払いを食らったとか?

 深く考えなくても結論が見えてきましたね。たぶん皆さんが思った通りでしょう。いいんですよ、別に。ネタだから
※皆さんが思った通り……僕はなにも言ってませんからね(笑)。

 しかし、考えようによっては、実によくできたビジネスモデルです。巧妙と言ってもいい。なにしろ、売り物は間違いなく我々の頭上にあるわけで、月の表側だけで55億エーカーあるそうです。しかも、タダ同然で手に入れたものだから、原価はゼロ。売るにあたっては紙切れを印刷するだけ。「LE社に所有権はない」と断言する組織もなく、言ったもん勝ち。買うほうも大半はシャレでしょう。「マリオットやヒルトンもホテル建設のために購入している」そうですけど、マジですか? 株主はそのことを知ってるんでしょうか?

 今はまだ我々が実際に月面に家を建てることがないので、境界線や所有権を巡る争いはありません。したがって、法的な問題はうっちゃって、売りっぱなしの状態です。アメリカには月の土地を売買する会社が10社以上あるそうなので、所有権を主張しあって、同じ土地を二重売りしている可能性もありますが、それすらも表面化することはまれでしょう。実際に問題が起きてクレームになるとしても、その頃には買ったほうも売ったほうも死んでるだろうから、うやむやになると思います。どうせシャレだしね。

 まったく素晴らしい! どこから見ても問題なし(今は)! 宇宙開拓前夜という気分が感じられるこの時代だからこそできるビジネスです。その意味でデニスさんの発想に感服しますね。そうやって集めたお金でなにするのか、そっちも興味あるなあ〜。

 どっちかつーと、ブッシュ大統領に「アメリカが着陸してアメリカの旗を立てたんだから、この土地はアメリカのモンだ!」と言われるほうが、ムカツクけど言い返せなくて、しかも心のどこかでは「しょーがねーなー…」と納得しちゃう気がするのは僕だけ?
※ムカツクけど言い返せない……英語が話せない、という意味ではなくて(^^;。

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