STEINBERGER FREAKS



左からGL-2T/GR、XL-2/GR、GL-2T/GR(初期型TransTrem付)
ついに来ました!! 幻のギターシンセ内蔵Lシリーズ!
かも3本も!もう普通のギターには戻れないのね・・
Apr 2001

Steinberger/GR シリーズ(GL-2T/GR, XL-2/GR)

僕が洋楽にハマり始めた80年代、英国のバンド「Genesis」は積極的に新しいテクノロジーを導入していて、ギタリストのMike RutherfordさんもRolandのギターシンセ「GR」を初期の段階から使ったり、Steinberger初のアーティストモデル(?)「GM」の誕生に手を貸したりしていました。

そんな当時、全音さんのSteinberger豪華カラーカタログにはGLシリーズの最上位機種としてギターシンセ対応の「GL-2T/GR」がラインナップされており、当然の様にMike Rutherfordさんもステージで使用していて、憧れる反面、「欲しい」と思うことすら許されない価格設定(たぶん一番安い軽自動車なら新車を買えたでしょう..)を前に、僕は御茶ノ水のイシバシ楽器中二階にディスプレイされていたGRなしのSteinberegerをただ眺めるだけの日々でした。(まだ義務教育中でしたからね)

ところでこの「GL-2T/GR」、以来10数年間結構マメに楽器屋さんを覗いていたにも関わらず現物は一度も見かけた事がありませんでした。(80年代終わりには「SteinbergerのGR」はGMシェイプの廉価版を意味するようになってたし..) 結局、初めて実物を見たのは今年2月にebayで購入した品物が我が家へ届いた時、という次第です。

ご覧になって判る様に、外見上の違いはボディ上側面に追加された数本のノブと、下側面に増設されたGR用24ピンOutPut、ボディ裏の各弦独立ゲイン調整穴、そしてブリッジとピックアップにはさまれたGR用ディバイデッド・ピックアップです。(かつての僕は、このモノモノしいルックスにやられてしまったのかも知れません)。ちなみにレッグレストは折り畳む際に24ピンOutPutと干渉するので、最後までL-2や初期のXL/GLと同じ着脱式のものが使われています。

内部はもっと強烈で、Rolandが同時期にリリースした「G-707」(サイバーな例のギターです)をベースした2枚のコントローラー基盤とケーブル類が押し込まれていて、まさに「電気楽器」の様相を呈しています。
ベース版の「XL-2/GR」については、確か先の全音カタログにもラインアップされていなかった筈なので、存在自体を知りませんでした。(ところが今になって昔の「The楽器」をめくって見ると、確かに載ってたりします..)内容は同じくRolandのベースシンセ・コントローラー「G-77」を基にしています。
こちらの方がディバイデッド・ピックアップの外見がEMGとマッチしていますね。GLと比べてボディが長いので、レッグレストは通常の折り畳式です。

片方のGLに付いている初期型のTransTremは、ネジ山が切られたダブルボールエンド弦が必要ですが、米国からのWeb通販で現在も新品弦を入手可能です。以降のTransTremと比較すると、部品の加工が鍛造(削りだし?)で行われているという違いの為か、「よりサスティンが得られる」と主張する人も居るようです。(僕自身はあまり違いを感じません)弦交換は慣れてしまえば簡単です。

考えてみると、通常のダブルボールエンド弦も各セット毎に微妙な弦長のバラツキがあるはずなので、言わば弦交換の度にトランスポーズ調整を行うこちらのタイプの方が、何だか理屈にあってる気がします。

この「Steinberger/GR」シリーズ、もとはPat Methenyが現在も使用している事で有名な「ブルーボックス」ことGR-300や、その後継機種(でもあんまり活躍していない)GR-700といった、80年代のギターシンセユニットとの接続を想定していますが、24ピン端子を使った接続方式がGR to midiコンバータの「GM-70」を以降姿を消してしまった現在のGRシリーズとも、実は接続できたりします。

ここがRolandの立派なところで、10年ほど前(ちょうど現在の13ピン端子への移行時期)に販売されていた「BC-13」という24ピン to 13ピン変換アダプターを利用すると、弦シグナルだけでなく、現行の後付ピックアップ「GK-2A」が持っている各種コントロール機能も24ピン型GRコントローラーから使えるようになります。
という事は、同じく13ピン端子を利用するRolandのバーチャルギターシステム「VG-8」シリーズにも接続できるという事で、これが何とも素晴らしいサウンドを奏でます。

元々、Steinberger/GRが企画されたのは、ギターシンセ特有の「トラッキング」の問題を解消する手段としてグラファイト素材が有効だと考えられた為で、(しかしながら一方でRolandは「G-707/G-77」において、ヘッドとボディを結ぶ「スタビライザー」という無茶な策でトラッキングとデットポイントの改善を図っているのですが..)、そのメリットは現代のVGでも十二分に活かされているのが実感できます。

以上、VG-88と組み合わせて「TransTremで簡単に移調可能なアコースティック・ギター」や、「リッケン・サウンドからピエゾまで、気の向くままにピックアップを交換可能なベースギター」を生み出してしまう、今なお現役の「Steinberger/GR」シリーズのご紹介でした。(haruさん談)

特長


ギター上側面のコントロールノブ(右)と下側面の24ピン端子(左)。
端子上方にあるのは着脱式レッグレスト用ソケットです。

ピックアップとブリッジに挟まれているのがGR用ピックアップ。
このTransTremは初期型なので、写真のネジ山付きダブルボールエンド弦が必要です。

これがGL-2T/GRの内部。

こちらはXL-2/GRのピックアップ。EMGとマッチしています。

XL-2/GRの内部。基本的にGLの基盤を流用しているので結構余裕があります。

XLボディ裏の各弦独立ゲイン調整穴が見えます(ベースなので4穴です)。
よく見ると、GLの基盤を流用した弊害で貫通ボルトを逃がす位置がずれてしまい、本来画面下中央にあるはずのトップパネル固定ボルトが一本省略されているのが判ります。

手前の「GR-300」時代に誕生したSteinberger/GRですが、
外見的にはむしろ最新のVG-88(奥)と並べた方が違和感がありません。
Ned Steinbergerデザインの普遍性/先進性なのでしょうか.. 


haruさんありがとうございました!
あなたは日本一のGRistです。