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書籍名 著者名
酒・タバコって本当に悪いの? 橋内 章
出版社 巻数 ジャンル 対象年齢
真興交易医書出版部 全1巻 ノンフィクション 一般
 
 タイトル通りに尋ねると、多くの方はこう答えるのではないでしょうか。
 「酒は適度に飲めば、楽しくなるし健康にも良い。しかしタバコは、百害あって一利なしである」
 さて、本当にそうでしょうか? これが本書のテーマです。
 酒は少量でも判断力と運動能力の低下をもたらしますし、飲酒運転が危険であることは、誰でも知っています。これに反して、タバコを吸っても、判断力や運動能力が低下することはありません。にも関わらず、酒の害はさほど問題にならず、タバコの害だけがクローズアップされている。これは少々変ではないでしょうか。酒にも効用と害があるのですから、タバコにだって何か効用があって良いはずではありませんか。そういうものについて科学的に調べた資料はないのでしょうか。タバコを吸っている人なら、誰でも一度は考えたことがあるはずです。
 実は、あるのです、そういう医学的資料が。
 これは、「禁煙」という「流行」の中でもみ消されてしまっている、そうした資料について紹介し、科学的根拠を挙げて喫煙の効用を説明した本です。執筆者は医学博士であり、紹介されている調査結果や学術論文には、個々にその信頼性についてのコメントが付されていますから、かなり信憑性の高い書物であると言えましょう。喫煙者にとっては、まさに福音ともいえる一冊です。

 筆者はまず、タバコの効用として、以下の諸点を挙げています。
 1.アルツハイマー病になる確率が大幅に低くなる。
 2.パーキンソン病になる確率が大幅に低くなる。
 3.乳ガンになる確率が低下する。
 4.知的能力・思考力が上昇する。
 5.作業効率が上がる。
 6.精神の沈静作用がある。
 勿論、喫煙によって肺ガンになる確率が上昇することを、筆者は否定していません。しかし、タバコには上述したような効用もあることが、研究・調査によって立証されているといいます。つまり、タバコは「一利なし」ではなく、かなり効用のある嗜好品というわけです。

 では何故、この事実があまり知られておらず、タバコの害ばかりが喧伝されているのでしょうか。その理由も、筆者はちゃんと書いています。
 嫌煙運動のきっかけになったWHOの女性理事は、タバコが「大嫌い」だったそうです。要するに、「好き嫌い」という多分に感情的な動機から、彼女はタバコの良い点を意図的に隠蔽し、悪い面だけをクローズアップして見せたというわけです。一体に、タバコを吸わない人は煙を嫌がりますから、即座にこの運動に飛びついた。その結果が、ヒステリックとも思える、禁煙の流行になったということでした。ちなみに、この状況は、二十世紀初頭に施行された、悪名高い禁酒法の成立前後と、実に良く似ているそうです。

 こう述べてくると、タバコを吸わない人は、「受動喫煙」の問題について、声高に反駁してくることでしょう。しかし筆者は、それにもデータを挙げて反論しています。
 それによれば、受動喫煙が健康に悪影響を及ぼすのは、大体思春期ぐらいまでで、成人がいくら受動喫煙をしても、肺ガンになる率は高くならないそうです。また喫煙は、胎児への影響も指摘されていますが、これも妊婦がヘビースモーカーだった場合で、受動喫煙による影響は殆どないということでした。受動喫煙について騒いでいるのは、つまり「煙が嫌い」という感情的なものと、「ガンになる」という情報への恐れが原因であるということです。
 しかし、ガンにならなくても、アルツハイマーになってしまえば、長生きしたところで意味はないと、私は思うのですが。

 ところで、本書には「発ガン物質」についても書かれています。
 タバコには発ガン物質が含まれていると、巷間では盛んに言われていますが、そもそも発ガン物質とは、どのように決められているのでしょうか。最近、これまでガンの特効薬と言われていたアガリクスに、発ガン物質が含まれているとの報道があったことは、皆さんもご存知のことと思います。一体、どのような検査をすれば、「薬」が「発ガン物質」になってしまうのか。この本を読んで、私にもやっと分かりました。
 発ガン物質の検査は、動物実験によって行われるのですが、検査対象の物質を、一度に大量に投与して結果を見るのだそうです。タバコでいえば、例えば100本分とか200本分とかですね。それで、毎日20本吸ったら、人間にも同じ事象が起こるだろうと類推するというのですが、これはいかにも変だと筆者も言っています。
 大抵の物質は、一度に大量投与すると、ガン化を引き起こすと言われます。ですから、このような検査方法では、タバコや酒はおろか、薬であるはずのアガリクスであっても、発ガン物質となってしまうのです。まして、人はその物質だけを摂取して生きているわけではないので、何かと何かを組み合わせた結果、ガンになったとしても、それを特定することは困難であると言わねばならないでしょう。
 知人の医者に聞いたところでは、人は最終的には必ずガンになるそうです。つまり、人間は絶対にガンから逃れられないということです。脳卒中や心臓病で死ぬのは、単にそちらの病気が先に発症したからであり、そういう病気で死ぬ人も、もし生きていれば、いずれはガンで死ぬ運命だと、彼は言っていました。ですから、酒やタバコを断ったところで、大した違いはないということになります。
 ちなみに、一度タバコを吸ったことのある人は、たとえ禁煙したとしても、肺ガンにかかる確率は下がらないと、筆者は言っています。健康のために禁煙した方も多いと思いますが、それは全く無駄であると、データは物語っています。

 さて、こうしてみると、タバコが体に悪いなどとは一概に言えないようですし、禁煙だ嫌煙権だなどと騒いでいるのが、いかにもヒステリックに聞こえます。マスコミやタバコ嫌いの医者の意見に踊らされるばかりでなく、そろそろ公平な物の見方をしても良いのではないかというのが、私の個人的な意見です。
 タバコの好きな人は、是非この本から得た知識を楯にして、嫌煙を主張する人に反論して下さい。タバコの嫌いな人は、是非この本を読んで、タバコの効用にも目を向けて下さい。偏った考え方は、偏った結果しかもたらしません。そういう意味で、私はこの本を、特にタバコの嫌いな方にお勧めしたいと思います。
 

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