イギリス旅行(その9 ロムニー鉄道)
イギリスに来て3日目、今日は友人と2人でロムニー鉄道THE ROMNEY,HYTHE & DYMCHURCH RAILWAYへと向かいます。
ロムニー鉄道、イギリスに数多く有る保存鉄道でも、日本で一番有名ではないでしょうか。何故かというと線路の幅が15インチととても細い。日本でも軽便鉄道といわれた線路の幅でも2フィート6インチ、つまり30インチですから、その半分です。まさに遊園地の鉄道のような線路がドーバー海峡に近い地に13.5マイルも敷かれていて、本物の蒸気機関車が運転されているのです。
ところでイギリスの鉄道は休日になると運転本数がかなり減ります。しかもドーバー方面の線路はユーロトンネルへの新線が建設中で工事区間が多く、この日は途中からバス代行、さらに肝心のロムニー鉄道はまだシーズンオフですから運転本数は少ない、などなどの悪条件が重なってしまいます。おかげで朝を出るのが7時過ぎとかなり早くなってしまいました。そうそうロンドンの地下鉄は休日になると朝も遅く、私が乗ったのは2番電車でした。乗り換えてロンドンのビクトリア駅Victoria Staから乗った列車は、イギリス独特の、車両の側面に手動のドアがズラリと並んだクラシカルな車両でした。数多くのドアの一つを開けて車内に乗り込みます。車内は適当に暖房が効いていて、かつクラシカルなソファーのようなシートはフカフカで、座り心地も良さそうです。
相変わらず影のあるロンドン市内を抜け、郊外の美しい街並みが見られる頃には、ぐずつき気味だった空から陽射しが漏れはじめ、快適な汽車旅になってきました。1時間余りの汽車旅で、途中のアッシュフォードAshfordからはバス代行になります。駅の構内はユーロスターを受け入れるホームや線路が急ピッチで仕上げられています。街外れの駅前からごく普通のバスに乗ると、アッシュフォードの街並みを抜けて高速道路に入ります。代行バスですから高速道路を降りて途中の小さな駅にも丹念に寄って行きます。そしてフォークストンFolkstoneの街に入ってきました。Folkstone Central駅前のバス停で降りて、ここからロムニー鉄道へ行くというバスに乗り換えるのですが、地元の路線バスのターミナルは駅から離れた場所に有るようです。場所を尋ねるにしても駅はクローズされていて、バスターミナルの場所が解りません。駅前にいるタクシーを捕まえてロムニー鉄道の出発地であるハイトHytheに向かうことにしました。
途中に海が見える快適なドライブ、そしてロムニー鉄道のハイト駅に着きました。駅舎には土産物屋も併設され、いろいろなグッズを買うことが出来ます。切符を買って店を冷やかしていると、シューシューと音をたてて蒸気機関車が入ってきました。あわてて駆け出す子供達と一緒にホームへ入って行きます。あらためて線路と車両を見てみますと本当に小さい!。実際に見てみますと、その小ささが実感できます。機関車は切り離され、別の線路を通って回送され、ターンテーブルに乗って方向を変えます。一連の作業を小さな子供と一緒に眺めていました。方向を変えた機関車は列車の先頭に連結されて出発準備完了。発車までの時間が撮影タイムとなります。
発車まで編成をざっと眺めていると、面白いことに気付きました。それは1等車と車椅子用の車両が連結されていたのです。こんな小さな鉄道にSaloonと書かれた特別車両が連結されているとは驚きです。さすが階級社会のイギリスですね。1両に2部屋がSaloonで、中央部にビュッフェが設けられて暖かいコーヒーやお茶が飲めるようになっています。売店も兼ねているので、そこでビールを買いました。車椅子用の車両は従来の車両を改造したようですが、小さな車体の中央に大きな扉が設けられていました。私が乗った列車には車椅子の方は居ませんでしたが、小さな子供用のベビーカーが乗せられていました。
時間が来て、汽笛を鳴らして発車。ゴトゴトと硬い乗り心地で複線の線路を進んで行きます。はじめは運河に沿った水辺の道を、やがて羊が戯れる田園地帯を、汽笛を鳴らしながら進んで行きます。小さな駅を2つ過ぎてニューロムニーNew Romney駅に着きました。ここには機関車のメンテナンスをする工場などが集まっているロムニー鉄道の中心地であります。ここから単線になって海岸沿の荒れ地を小さな列車は進んで行きます。遠くに見えてきた灯台が近づいてきた場所が終点のディグネスDungenessでした。ここで列車は小休止して元の方向へ戻ります。小休止の間に駅舎兼レストランで、フィッシュ&チップスで昼食。残念なことにビールはなかったので飲み物はコーヒーで我慢します。
再び海岸沿の荒れ地を走ってニューロムニーに戻りました。ここで乗って来た列車を降りて、ニューロムニー駅に設けられた資料館を見学します。駅には資料館の他に簡単なレストランと土産物屋が設けられていて、あれこれと見るスポットが有りました。私的には駅前に有るパブ。宿泊施設に併設されたパブで、意込んで訪ねてみると灯りがついているにもかかわらず鍵が掛かっています。店の人に尋ねると、日曜日なので宿泊者だけを相手にしているとのこと。残念。そういえば今日はまだパブに入っていません。

意気消沈して駅のレストランで缶ビールでも飲んで気を紛らわすことにしました。売っていた缶ビールの中にケント州で作られているというBISHOPS FINGERというストロングエールを見つけ、それを買って飲みます。缶ビールにプラスチックのコップじゃ気分が出ないよ、とブチブチ言いながら飲んでいると、とても美味い。調子に乗ってもう1本。さすがに2本も飲むとかなり効いてくる。ニューロムニーから戻った列車の中では夢の中に居るようでした。

出発したハイト駅に戻り、再びタクシーでフォークストンの街に戻ってきました。このまま駅に行っても代行バスまで時間が有るので街の中心街で降ろしてもらい、町の中をフラフラ歩きます。石と煉瓦で造られた建物が建ち並ぶ、気持ちの良い街でした。

そして代行バスでアッシュフォードへ、帰りの車中では友人と多いに飲み、とにかくロンドンへ戻ってきました。今日は帰りが遅くなると連絡してあるので、何処かで夕食を取らなくてはなりません。ビクトリア駅のパブで飲みながら検討したのですが、日曜日の夜ではまともに食事が出来る店は開いていないようです。現に適当に入ったパブも20時前だというのに間もなく閉店とのことでした。仕方なく友人の家へ戻り、奥様が造ってくれたパスタを食べてこの日の夕食としました。


その10に続く
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