イタリア旅行(その5 ナポリの街歩きとローマの夕食)
ポンペイの遺跡は大規模でした。火山灰に埋もれるまでは2万5000人もの人が住んでいたというのも理解できます。遺跡の端まで歩いただけで約2時間、その規模の大きさには圧倒されますが、同じような風景が続いているのも事実で、団体旅行のようにガイドさんが説明してくれればもう少し楽しめるのでしょうけど、個人旅行の我々には慣れない石畳の街並みに足が疲れてしまい、早々とナポリへ戻ることにしました。

ナポリへ戻った私たちは、駅前のピザ屋で本場の美味しいピザを食べた後、ナポリ中央駅の地下から出ている地下鉄に乗って街歩きに出発します。この地下鉄の駅は何とも薄暗くて気持ちが悪い。昨日のローマでスリに遭ってから、余計に警戒心が増しています。地下鉄なのにホームは低くて郊外電車が地下鉄に乗り入れているようです。車内も奇麗とは言えず、その中に紛れ込んだ東洋人の一行は、端で小さく固まっているだけでした。ほんの数駅のっただけで、先ほどのワインの心地良い酔いがすっかり覚めてしまいました。
地上に出て、丘の上に登るケーブルカーに乗車する事にします。ナポリの下町と丘の上を結ぶケーブルカーは4路線有るようで、地下鉄のアメデオAmedeo駅の近くから出ているキアーラ・ケーブルカーで丘の上に登ります。地下鉄からの乗換客を待っていたケーブルカーはバスと同じオレンジ色に塗られた2両編成、約600メートルほどの路線です。ほぼ定員の乗車率でゆっくり坂を上がって行きます。短い路線ですが中間駅も有り、地元のおばさん達が降りて行きました。

ケーブルカーを降りると街並みが一変します。いわゆる山の手地帯なのでしょう、先ほどまでの地下鉄の車内とケーブルカーに乗車した駅の周辺の下町とは見るからに所得の違いを感じさせます。洗練された街を歩き、ナポリ湾と港が一望できる場所から遠くにヴェスヴィオ火山を眺めます。その風景に見とれた後に、往路とは別なケーブルカー、中央ケーブルカーFunicolare Centraleで丘を下ります。こちらの長さは1.5キロほど、長さの分だけ勾配は緩やかですが、乗り出があります。再びナポリの下町へでて、中心地の街並みを歩いてから、ナポリ中央駅に戻ってきました。
往路のローマ・テルミニ駅と同じ方法で切符を購入し、ナポリからローマへ戻ります。往路と車両はほぼ同じながらも、途中の駅に停車するタイプの優等列車で、その分、沿線の小さな町をゆっくり眺める事が出来ます。小さな港町に丁寧に停まってゆき、街に灯がともる頃にローマに戻ってきました。これでイタリアの国鉄と地下鉄に乗車する事が出来ました。残るはトラム(路面電車)だけですが、もう乗る時間が有りません。次のチャンスは行程最後のミラノです。せめてローマのトラムをゆっくり眺めたいものです。トラムの始発駅がテルミニ駅近くに有ることは前日までの街歩きで解っていました。そしてその近くに地元の人が行くような安いリストランテ(イタリア語でレストランのこと)が有ることも・・・。私は同行した人達に「良いレストランを見つけたんだけど・・」と、半ば本当で、半ば嘘の誘いをして、3人で始発の停留所のすぐ脇にあるリストランテで食事をすることにしました。

さすがに地元の人がたむろするリストランテですから、前菜のパスタに始まり、メインの料理まで量が豊富、ワインも美味い、これで安価なのだから店としては「当たり」でした。そして私のとっては停留所に停車しているトラムと街の喧騒、そして時おりに発車していくトラムのモーター音、美味しい料理に酔いながら心地良い時間を過ごしたのでした。

その6に続く
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