ドイツビールめぐり(その7) 

長いようで短い旅行も今日が最終日、ケルンの朝を迎えました。美味しい朝食をいただきチェックアウト。鞄を駅のコインロッカーに放り込み、朝のケルンを散歩します。まずは駅前にある大聖堂。いくらビールが目的とはいえケルンに来て大聖堂を見なくてはケルンの人に怒られてしまいます。1248年に着工されて中断期間を経て完成したのは1880年という大聖堂、さすがに見事な造りです。残念な事に私はクリスチャンではないので、彫刻で表現された人々や内部の壁に描かれた宗教画の宗教的な意味が全くわかりません。私のようにビールばかり飲んでいる者は神の怒りに触れそうなので、大聖堂を辞して中心街をブラブラ歩くことにしました。

やがてライン川に出ました。河口から何百キロも上流にあるにも関わらず、川の流れは堂々としていて、多くの船が行き交っています。河の岸壁にはライン川のクルーズ船が出向準備を整えていました。暖かい季節にはこんな船に乗って川からの景色を眺めるのも良いでしょうね。

再び大聖堂の前に戻ってきました。さてビールツアーの始まりです。大聖堂の前にあるケルシュのレストラン、フリューFruhに入りました。旅行最終日ですから大いに飲もうと思います。まだランチタイムにも早いので店の中は人影も疎らで、多くの人たちは朝のコーヒーを飲んでいますが、私は当然ケルシュを注文します。

ケルシュとは「ケルンの〜」という意味の言葉ですが、その名を付けたビールはシャンパンと同じようにケルンで造られたビールのみに名乗ることができます。淡色の爽やかな味が特徴のビールで、例のクランツと呼ばれる手提げのトレーを持った強面のウェイターからケルシュを受け取り、飲みます。朝から結構歩いたので、疲れた体に染みわたります。もう一杯飲むのか?!と強い視線を送る店員に負けてもう一杯、負けてたまるかともう一杯、やはり朝から飲んでしまいます。さすがに6杯目は要らないので下に敷いているコースターをグラスに乗せてゆっくりくつろいでから店を出ました。

大聖堂の前を通ると、中からパイプオルガンの調べが聞こえてきました。大聖堂に入ってみますと礼拝の時間なのでしょうか、パイプオルガンが演奏されていて、しばし聞き惚れます。こちらは酔っていて不謹慎なので大聖堂の一番後ろで聞いていました。一通りの演奏を聞いていると、近くに大聖堂の塔への入り口が有りました。ガイドブックには高さ157メートルの塔に上るとケルンの街が一望できる・・・。なんて書いてあります。酔い覚ましに登ってみることにしました。しかし考えてみれば13世紀に着工された建物にエレベーターが有るわけがなく、塔のてっぺんまでひたすら狭い螺旋階段を登ることになります。やっと大聖堂の鐘が置いてある階まで登りました。大小さまざまな鐘が置いてあり、大きな鐘は能の『道成寺』にも使えそうな巨大な鐘で、しかるべき時間にはケルンに鐘の音を響かせているのでしょう。

やっと登りつめた展望台のような回廊からは文字通りケルンの街が一望出来ます。ライン川を航行する船舶と渡る列車の組み合わせは素晴らしく何度もカメラのシャッターを押して写真を撮ってしまいました。

それにしても157メートルの階段を登るのは容易ではなく、まだ春先なのに体中から汗が噴き出してしまいました。とある本には、観光客は大聖堂に登って汗をかいてからケルシュを飲むと良い、などと書いてありました。私もそうすることにしましょう。駅のホームの下に有るファーストフード風の店のカウンターで、ケルシュをさっと飲み、デュッセルドルフ方面の列車に乗り込んだのでした。

その8に続く
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