ドイツビールめぐり(その2) 

昨晩はいっぱいビールを呑んだにもかかわらず、快適なホテルのおかげで目覚めは爽やかでした。今日も天気は良さそうで、古都の街並みに朝の日差しが差し込んできています。

食堂に行くと女将さんが迎えてくれました。Guten Morgen!、今日が始まります。コーヒーを飲みパンを食べる、それが昨日までのイギリスのホテルとは同じ物か?、と思えるほど美味しいパンでした。ベーコンも美味しい。朝から何個もパンを食べてしまいました。食事が終わって女将さんに声をかけて、チェックアウトの手続きをします。カーボン紙を挟んで何やら書き込んでいるのを見ていると、どのように見てもカードは使えない雰囲気でしたのでした。50ユーロ、あの快適さでは安い値段でしょう。多少のチップを添えて払い、快適だったホテルを後にしました。

昨日は落ち着いた雰囲気を見せていたバンベルグですが、今日は朝の活気に満ちています。新市街のバスターミナルにはスーツ姿の通勤客の姿が見えるのは日本と同じで、古いビルの1階にある店でコーヒーを飲みながら朝食を取っているのも同じ。でも街全体に落ち着いている雰囲気があるので、ゆとりが見られます。駅前の街並みを抜けてバンベルグ駅へ。今日はここからバイエルン州の州都であるミュンヘンMunchenへ向かいます。ミュンヘンまでは昨日と同じくICEで向かいますが、ダイヤの乱れがあったようで、1時間遅れで到着しました。ビールを飲みたい私はかなりじらされています。

さあ、いよいよビールの街であるミュンヘンにやってきました。ミュンヘンで開催されるビールのイベント、オクトーバーフェルトは、今や全世界から観光客が訪れる一大イベントになっているミュンヘンの象徴となっている祭りです。バイエルン州の州都であるミュンヘンはドイツ第三の大都会、数多くの綺麗な城が建ち並ぶアルペン街道への観光の拠点、多くの美術館が建ち並ぶ街、車好きにはBMWの本拠地、と色々な顔を持っていますが、私にとっては余り関係の無いこと。私には有名なビアホールが数多く有って、美味いビールがたっぷり飲める方が重要なのです。

ところでミュンヘンには多くのビール会社がありますが、有名なのは下記の会社です。
パウラナー Paulaner
レーベンブロイ Lowenbrau
ハッカー・プショル Hacker-Pschorr
シュパーテン Spaten
アウグスティナー Augustiner
ホーフブロイハウス Hofbrauhaus
正式な社名は違いますし、欧米の会社の常で合併やグループの移動があるので現在は違っているかもしれませんが、ミュンヘンでは有名な“銘柄”であることには変わりません。どの会社も何世紀もの伝統をもつ会社で、それらの会社がビール会社直営のミュンヘン市内にビアホールを持っています。まずは中心部にあるホーフブロイハウスを目指してみましょう。

ホーフブロイハウスはミュンヘンの中心地、巨大なからくり時計で有名な新市庁舎やオペラ座の近くにあります。ミュンヘン中央駅から1キロほどの距離ですから、散歩がてらトラムが走っている道路を歩くことにします。ミュンヘンの中心部は所々がトラムと歩行者だけが通行できるトランジットモールになっていて、散歩がてら歩くにはちょうど良いです。まず目印にしていたオペラ座に着きました。オペラ座の前がちょっとした広場になっていて、広場に面した店は店頭に椅子とテーブルを並べています。ちょっと寒いけど暖かな陽射しがあたっていて気持ちよさそう。そんな店を眺めているうちに、そのうちの1軒がシュパーテン直営のレストランであることに気づいてしまいました。もう午後になるのに、まだ朝からビールを一滴も飲んでいない。引き寄せられるかのように、店頭のテーブルに座ってしまいました。思えばこれがミュンヘン呑んだくれの第一歩となったのでした。

歩いて汗をかいたので、まずは淡色系のビールを注文します。ドイツ語が解らなくてもビールの意味だけは解ります。小さいグラスでラガータイプの淡色系ビールを呑みます。ホップが実に爽快です。2杯目は色が付いたデュンケルタイプのビール、思ったよりサッパリしていて汗をかいた体には心地良いです。レストランですからウェイターが料理の注文を取りに来ますが、次の店があるので会計をしてホーフブロイハウスに向かいました。

ホーフブロイハウスは、目立たぬ場所に建っていました。ちょっと迷いかけてふと建物を見上げたら、それがホーフブロイハウスでした。ミュンヘンで一番というより世界一有名なビアホールがこのホーフブロイハウスです。あまりにも有名になりすぎて観光客ばかりで地元の客は来ないようですが、今なおミュンヘンを代表するビアホールであります。入ってみますと、バイエルンの民族衣装に身を固めた楽団が演奏していてまことに賑やかです。かつてアドルフ・ヒトラーもナチスの集会に使ったというこの建物は、天井も高くて広々としています。そしてあちこちで大勢の人たちが昼間から顔を赤らめて呑んでいます。私もその一人になることにしましょう。

まずはオリジナルのビールを頼みます。店員が大きいけど大丈夫か?と念を押しますが、ノープロブレムと答えると運ばれてきたジョッキはやはり大きかった!!。知ってはいたけど1リットルものビールが入っているマス・ジョッキは持つだけでも疲れてしまう。店員がニヤニヤしながらこっちを見ている。少しでも軽くしようと、まず呑む。美味い!。麦の味わいがしっかり感じられる。これぞミュンヘンのビールだと思ってしまう。また呑む。やはり美味い。何杯でも呑める。そして先程の店員が笑いながら料理の注文を取りに来た。どうだ!美味いだろう!と言っているようです。言葉が解らなくても表情で解ります。こちらも酔った勢いで日本語で「美味いよ!来て良かった!」と答えると、向こうも表情で答えてくれた。

さすがに1リットルのジョッキは多すぎたようで、全部を飲み干したものの、腹は膨れてくるし酔いもまわる。酔い覚ましに駅まで歩いてみたら、すっかり道に迷ってしまい、ミュンヘンの街中を右に左にと歩き回ってしまいました。なんとか駅まで戻ってきたときには、先ほどのビールの水分が汗となって噴出してきて、顔だけ見ると真夏のような表情です。疲れましたが、次の目的地へ向かうことにしましょう。

その2に続く
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