東北地ビールめぐり(その1)
先日、JR東日本のウィークエンドフリーきっぷを使って東北の地ビール屋めぐりをしてきました。
これを使えばJR東日本は2日間乗り放題という便利な切符で、まずは東北新幹線に乗って東北を目指すことにします。
そもそも東北には“地ビール”と呼ばれるビールが何種類あるのでしょうか。地ビールめぐりを始めるには、まずはその点から調べなくてはなりません。日本地ビール協会をはじめ色々な業界団体や企業のホームページから検索しますと、どうやら東北地方には25社ほどが有るようです。岩手県沢内村にある銀河高原ビールや、宮城県角田市にある仙南クラフトビール、田沢湖ビールなど有名な銘柄から、マイナーな銘柄まで、リストを見るとズラっと並んでいます。
さすがに2日間で全てを廻るのは不可能ですから、今回の旅行では駅から近い場所に併設レストランを持つ地ビールを訪問することにしました。八戸にある「麦乃倉」や北上にある「北上わっかビール」など心引かれるものがありましたが、全体のスケジュールの関係で断念し、初日に一関市にある「いわて蔵ビール」と秋田市にある「あくらビール」を、2日目には田沢湖の名を冠する「田沢湖ビール」と「田沢湖湖畔の杜ビール」を訪ねることにしました。
さて予定が決まり、いよいよ出発します。出発前夜には“前夜祭”と称して友人達と飲んでいましたから、ちょっと二日酔い気味で、飲みつぶしには相応しい出発の朝です。東京駅の23番ホームは、6:58に発車する“やまびこ1号”を待つ人達で長蛇の列で、座れるか?と不安になりましたが、運良く窓際に座ることができました。いつもなら、この時点で缶ビールを開けているのですが、今回は控えることにします。梅雨のどんよりとした空の下を東北新幹線はひた走り、東北へと進んで行くのでした。東北新幹線のスピードは素晴らしく、関東地方の梅雨を突っ切って北上します。那須岳を眺めるあたりで雨があがり、福島あたりから陽射しが差し込むようになりました。最初の目的地は一関市にある「いわて蔵ビール」で、醸造施設とビアレストランは駅から徒歩15分程度のところにあります。現地に着いたのは10時頃、レストランは11時からですから、待ち時間を利用して、同じ敷地にある酒蔵の資料館を見学しました。


かつてはこの場所で日本酒の醸造も行われていたようで、その時の施設に、巨大な木桶とそれに代わって使われるようになったホーローのタンクを中心とした、櫂といった酒造りの道具を展示しています。有料でしたが、見ごたえのある施設でした。それ以上に施設の建物として利用されている蔵が見事で、これは県の文化財に登録されているようです。

さて、ビアレストランの開店時間が近づいてきました。店を覗いてみると店員さんが開店時間前にもかかわらず中に招き入れてくれました。こちらのビアレストランの建物も、かつては酒造りに使われていた石造りの蔵で、奇麗に改装されレストランとして使われています。広々とした室内に、石造りの特徴を活かした内装は見事で、落ち着いて食事が出来そうです。開店時間前ということもあって、広い店内に客は私だけで、地ビールを飲みに東京から来たと告げると、ビールの種類に付いて色々と教えてくれます。店員さんの動作は自然で、ビアレストランとしてのクオリティの高さを感じられます。肝心のビールの方も非常にレベルが高く、特にヴァイツェンやウィートエールといったフルーティな香りのビールが得意なようです。この日は6種類のビールが提供されていましたが、全てを美味しく飲ませてもらいました。乗り継ぎの時間が限られているにもかかわらず、すっかり長居をしてしまい、駅までの道を小走りで戻ったら、すっかり酔いが廻ってしまいました。