第二回 Salon de 雅康(まさやす) 花の巻

日時: 2000年04月07日 19:00 〜 20:45 @ 黛アート・サロン

出演 : 若柳 雅康 ・ ゲスト : 加納 幸和


会場は赤坂にある小さなホール。開演前、休憩中には生ピアノの柔らかい音が流れていました。
なお、メモはとりましたが、詳細の発言は記憶に頼っております。文責は全て睦月にあります。間違っていた場合はご指摘くださいませ。(途中、敬称を略してます)
若柳 雅康さんは「南総里見八犬伝」を加納さんが演出されたとき、制作をされた方です。

若柳鵬翁 監修
【長唄 『寿童』 若柳 雅康】

寿童は若柳流の試験曲だそうで、踊られたあと、歩数・角度・目線が全てきまっていて、格調高くおどらなくてはいけないという解説が雅康さんからありました。パンフの中に「譜」という踊り方を書いたものが、参考資料として一部配布されていました。(♀が足を揃えて両手を水平にあげているのをあらわしていると思うと近いです)。衣装も、前割れ(鬘の中心が分かれている、男性をあらわす)に流派のお着物(黒地に、かたばみの花と柳)で踊ると決まっているとのこと。菊慈童を想をとった「ご祝儀曲」だとご説明がありました。

ご説明が終わって、ゲストの加納さんの登場。

早速、曲の鳴り物がお能に似てますね、「ご祝儀曲」ってなんでしょう?と雅康さんへのご質問。「ご祝儀曲」は縁起のよい言葉で綴られた曲で、結婚式などのおめでたい場で踊ることが出来る曲です、と雅康さん。

で、ここから、加納さんへの質問コーナー(^^) いくつかご紹介。

Q1. 歌舞伎と日本舞踊の相違点は?
加納: 専門家じゃないのに(^^;;…歌舞伎が最初にあって、振付師が役者以外に教えたところから日本舞踊が産まれたので、遠いものではないんですが。舞踊家と役者が踊るのでは
違うといわれますね。役者は気持ちで踊ると。
雅康: 私たちは性根を大切にと教わります。
加納: ただ、この空間を埋めるという表現に違いはないと思います。

Q2. 好きな(日本舞踊の)踊りは?
加納: 先代の藤間勘十郎(勘祖)の振り付けた「隅田川(六代目歌右衛門が踊られたもの)」がモダンで好きでした。「白鳥の湖」をみたとき、同じ振りがあって吃驚しました。

Q3. 加納さんの中での日本舞踊の位置
加納: 食文化や生活様式が欧米化しても、日本人としての感性や身体性をキレイにみせるのは、日本舞踊の動き(腰をいれる、など)の中にあるのではないかと思う。

Q4. 花組芝居の発想はどこから?
加納: それはいろいろ(^^)自分がやってみたいとか本から刺激されるものとか。歌舞伎って最初の発想は、妙です。妹背山はいまでいえば、江戸時代にガン黒の娘がでてくるような取り合わせ。たとえば、これ、ヘンでしょ。(ト、雅康さんを見る。)鬘の前割りなんて男の役なのに女の恰好している。
雅康: 花組を拝見したとき、チョンマゲでタキシードででてきたとき、驚きました。
加納: 現代の感性でそのズレを面白がるとそうなっちゃうんです。

雅康: 八犬伝のとき、女性は全員「帽子付き(雪之丞がつけている紫の布と同じですね)&
吊り眉」で演者はびっくりしてましたが(^^;;吊り眉は特別な女の役なので、あまり書いたことがないんです。
加納:それをすることで「物語の中の女」をする役…女形にしたかったので。でも、吊り眉は誰が考えたのでしょうね。(若衆歌舞伎が)前髪を落とさなくてはいけなくなったとき、布を代わりに置いて、この中に眉の先を入れたら面白いって思ったんでしょうか(^^)。

雅康:
日本舞踊では振付家が演出を兼ねることが多いのですが、栗本薫さんの本が膨大だったので、演出家が必要だと思って坂東八十助さんにご相談したら、加納さんをご紹介戴いた。二回目の打ち合わせで、幕から衣装からデザインが全てできていて驚きました。
加納: 栗本さんの本が歌舞伎していたので、メルパルクという大きい会場でどう演出するか悩みました。でも、あそこを経験したことが、帝劇の演出するとき役立ちました。
雅康: あのとき、通常の他の公演でも一杯にならないメルパルクを四回公演とも満杯にして立ち見まででたことは、嬉しかった。普段、私たちは、自分で切符を売りますから、演じている人の熱意が通じたのだと。


トークのあと、15分の休憩。ここで前回のゲストから差し入れされた日本酒をご馳走になりました(^^;)

若柳吉三次 振付
【大和楽 『鐘』 若柳 雅康】 能の「道成寺」から作成された曲。



踊りの唄をパンプに載せてくださったり、娘さんらしき小学生らしい女の子が甲斐甲斐しく、お手伝いをされていて、とてもアットホームな雰囲気の会でありました。
でも、終演後、真っ先に、雅康さんに「加納さんのファンの方?」と尋ねられたのはなぜ(^^;
ちゃんとおとなしくしてましたのに…(笑)。見なれない顔だったのでしょうか(^^;;;;

次回は7月14日に栗本薫さんをゲストに開催されるそうです。


作成 : 2000年04月08日 睦月 作成@二子玉屋見聞録