
「ただいまあ・・・、と言っても誰もいないのよねぇ」
一人の女子高生が自宅へ帰ってきた。彼女の名は鴻之舞。来年、大学受験をひかえた18歳高校3年生である。
家の中には誰もいない。夫婦で自営業を営んでいる彼女の両親は9時を過ぎないと帰ってこないのだ。
舞は自分の部屋に入ると着替えもそのままに、パソコンを起動した。
最近、彼女はインターネットにハマッている。パソコンもバースディにおねだりして買ってもらったものだ。
「メールチェック、メールチェック、うふ、来てるかなあ」
カチャカチャカチャ、カチャカチャカチャ、モデムがダイヤルアップをしている。
その間に左腕のクロノグラフのタキメーターを10分にセットする。テレホタイム以外の時間帯は一日10分以内と
決めている舞であった。(あんまり使いすぎるとお小遣いから通話料をひかれちゃうのだ)
ブツ!!いきなりモニターの画面が切れてしまった。
「ええ!やだー、なによー!!壊れちゃったのー」
モニターを叩いてみるが画面はそのままだ。(昔のテレビじゃないって!!)
「もう最低!!」
ぷんぷん怒りながらキーボードやマウスをいじってみるが動かない。
その時だ、画面が真っ白になった。思わずモニターを覗き込んだ舞の顔が恐怖に凍りついた。
画面の中から白い煙のようなものが出てきたのだ。それはだんだん人の形になっていく。
「きゃーー!!!お、お、お化けーーー!!!! 」
舞は悲鳴をあげた。逃げようとしたが腰が抜けてしまったのか身体が動かない。
煙は少女になった。だが人間ではないであろう。床から50cmほどの空中に彼女?は浮かんでいたのだ。

なぜか少女?は舞の学校と同じ制服を着ていた。
「あたし、インターネットの妖精、アイです。AIと書いてアイってよんでね」
男なら誘拐、監禁したくなるようなかわいい笑顔で自己紹介した。
「いやー!!お化けー!!来ないでぇー!!」
しかしパニック状態の舞には何の効果もない。
「あのぅ・・・」
アイが近づく。
「いや、お、犯さないでぇ」
「え、いえ、犯したりしませんから・・・(^^;」
「いやー!!犯されるぅ!!、ビデオに出て来るお化けはみーんな女の子にエッチなことしてるもん!!
きっとあたしのこと縛ったり、アソコにやらしいオモチャを入れたり、お尻にだって、浣腸とか・・・
お口にも・・・アレを咥えさせて・・・・」
さすがに恥ずかしくなったのか、舞は途中で言いよどんでしまった。
(変なビデオの見過ぎだわ、この娘^^;)アイは思ったが口にはださなかった。
そうこうしているうちに舞も落ち着きをとりもどしてきた。すごーく怪しいが少なくとも犯す気はないようだ。
一応は女の子の姿をしている。それもかなりの美少女だ。
「あなた誰?どうしてあたしの学校の制服をきてるの?」
「あたしはインターネットの妖精、アイといいます。実は舞ちゃんにお願いがあるのです。あの、制服は
かわいかったので真似してみました。似合います?うふ」
「似合います?うふ、じゃないわよ!!いきなり現れてお願いなんて、ハイテクに妖精なんてファンタジィ持ち込まないでよ」
「でも、お願いを聞いていただかないと。今、インターネットの中にはバグバグモンスターという怪物が
現れてインターネットを破壊しようとしています。舞ちゃんには美少女電脳戦士となって彼らと戦ってほしいんです」
アイは男なら、思わず押し倒してしまいたくなるような切なげな表情で舞をみつめている。
「知らない!!どうしてあたしがそんなのと戦わなくちゃいけないの?!それに美少女戦士とか魔法少女とか
10歳かそこらの小学生がやるもんでしょ!!あたし18よ、来年は受験だし、そんな暇ないわよ!」
「でも、インターネットにはアダルトサイトとか18歳以上じゃないと行けないところがいっぱいありますから」
「なんで、妖精なんていう非常識な存在が日本国憲法や都道府県条例を順守しなきゃならないわけぇ!!」
「インターネットが破壊されてしまうと、アダルトウェブショップでスケルトンの電動バイブも買えなくなってしまうんですよ。
舞ちゃん、この前買ってたじゃないですか」
「あ、あれはぁ、お友達に頼まれて買ってあげただけよぉ、何で知ってるのよ、そんなこと」
友人に頼まれたのは事実であるが、その時自分用のもしっかり買っている舞であった。
「もう、時間がありません。とにかく来ていただきます!!」
アイは抵抗する舞にかまわず腕を掴むとモニターの中に飛び込んだ。
口では、お願いといっているが、行動は100%強制である。
舞は目の前が真っ暗になり、意識を失ってしまった。
舞が気がつくと、無彩色の世界が広がっていた。所々に小さなウィンドゥが浮かんでいる。
かなり少ないが、リンゴの形をしたものも浮かんでいた。(これが・・・インターネットの中・・・)
「アイ、どこにいるの。って、ちょ、ちょっと、あたし裸じゃない!!」
アイが視界の中に入ってきた。
「そうですよ。インターネットの中には、人間の意識しか入ることができません。ですから着ていた服とかは
存在できないんです。」
「わ、わかったから何か着させて!!」
「はい、ではバトルコスチュームをセットアップしまーす」
すると、舞の身体の周りにグラデーションがかかったかと思った瞬間、バトルコスチュームを着ていた。

「な、なによぉ、この服、メイドさんの服じゃない」
舞が身に纏っている服はメイド服であった。それもイメクラのコスチュームも顔負けのスリットの入った超ミニスカ
だ。
「これじゃ、見えちゃうじゃない!!」
「はい、これが武器です。」
アイがワイヤレスタイプのマウスを手渡す。
「こんなんで、やっつけられるの?」
「ええ、これでバグバグモンスター撃退プログラムを起動させて、デリートするんです。」
怪訝そうに舞がマウスを見ていると、奇怪な声がした。
「舞ちゃん、モンスターが現れました。おねがい!!」
「お願いって、あたしまだ、げっ!!」
モンスターを見た舞は絶句した。脂っぽい髪を七三に分け、銀縁メガネをかけた男がいた。
男はなぜかセーラー服を着ていた。短いスカートから覗いている脚には脛毛がぼうぼうと生えている。
変態である。
「ただの変態じゃない!!あれじゃ普通の怪獣のほうがましよー!!いやーこっち見て笑ってるぅ!!」
しかし、ただの変態ではなかった。モンスターの股間から無数の触手が飛び出した。
避ける間もなく舞とアイが触手に捕まってしまった。

「ひぃぃー!!気持ち悪いーー!!はなしてぇぇぇー!!」
舞はスカートの裾をおさえながら必死に抵抗する。
「い、いや、はなし・・・て、アン、ダ、だめ、そこはぁ」
アイは苦悶の表情からだんだん恍惚の表情に変わっていく。
「アイのばか!!何、感じてるのよ!!」
「す、すみません、あハン、インターネットの妖精は、うっく、プログラムの一種なんです。はうっ、で、ですから
モンスターのウィルスに抵抗できないんです。ああ、いい」
アイは触手に身体中をまさぐられ、抵抗も空しく、本気で感じはじめていた。
「は、早く、この変なの、やっつけなきゃ、いやあ、エッチ!!」
触手は舞のコスチュームを破きはじめた。
「マ、マウスを、クリックしてぇ」
アイは着ていたものを引き裂かれていて、ほとんど裸になっていた。
「あン、はやくぅ、クリックぅ」
触手の愛撫に耐えながら、アイが叫ぶ。
「クリックすればいいのね。やん、スカートとっちぁだめぇ」
舞がマウスをクリックすると、プログラムが起動した。"撃退君、Ver、1.4"の文字が舞の目に飛び込んできた。
「何が撃退君よ」
すぐに、画面が変わり、自動検索中の文字が点滅している。ピッと音がなり、
何かの名前をリストアップした。文字化けして読めないが、目の前の怪物の名前らしい。
"デリートしてください"のアイコンがあらわれた。舞はそれをクリックした。
モンスターは、一瞬、動きを止めたかとおもうと、実にあっさりと消滅してしまった。
触手から開放された舞はあらわになった胸を思わず隠した。
「アイ、大丈夫?」
アイにかけより抱き起こそうとした。
「うふぅ、良かった・・・」
「なによぉ、あんなにあたしが恥ずかしいおもい、していたのに!!アイのぶぁくぅぁぁぁ」
舞はアイの頭を思い切り殴った。
「きゃん」
舞は自分の部屋に戻ってきた。そして開口一番
「もう絶対にやだからね!!電脳戦士なんて、クリックで倒せるんだから、あたしなんて必要ないでしょ」
「ええ、そんなぁ、お願いしますぅ」
アイはかわいらしく、お願いポーズをしながら、舞をみつめている。
「ダメダメ、早くあたしの前から消えて!!」
「そうですかぁ、じゃこれを見てください」
アイは一枚のプリントを差し出す。
「こ、これは!!」
舞は絶句した。そこには半裸で触手に襲われている舞の姿があった。
「本当はこんなことはしたくなかったんですけど。舞ちゃんがお断りするんでしたら、これをネットに配信
しなければなりません。」
アイは本当にすまなそうな顔をして、そう言った。
「それってゆすりじゃないの!!ひどいぃ、そんなことやめて!!」
「それじゃ、電脳戦士になってくれるんですね」
「う゛・・・わかった・・・わょ」
うらめしそうにアイを見つめる舞の頬に涙がつたった。
「ありがとうございます。美少女電脳戦士舞ちゃんの誕生ですわ」
アイは天使のような笑顔でそういった。
「ウェーン、あたしの将来がぁ、進学がぁ、きっと彼氏もできないよぉ」
舞は泣き出した。(そりゃそうだ)
「うふ、めでたし、めでたし、ですわね」
目的を達成したアイは舞の悲痛な涙など、みえないかのように満足そうに呟くのであった。