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松
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洞町東前田の路傍に一体の地蔵があり、古くから霊験があったと云う。此の地蔵の側に大正の初めまで、周囲一かかえ、高さ三丈余りの一本の男松が生えていたが、明治二十五年九月四日午後の事、西風が強く吹いて、この男松を根こぎに吹き倒してしまった。路上に倒れた松は通行の防害になるので、二十四日になって区長であった藤七が取除こうと思って、斧で切ろうと松の枝にさわると、突然、一陣の東風が吹くとみるや、倒れていた松が見ているうちに起き上がり、たちまちにして旧の通りになってしまった。あまりの不思議さに、藤七は思わず、声を発すると、すぐ近くに住む鈴木清五郎が、この声を聞いて馳て来て、これを見て驚いた。
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| 松の根の痕跡の 傍に霊樹碑がある
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この奇跡の松も大正元年九月の強風に六尺の幹を残して折れてしまったが、残った幹も大正七年には腐ってなくなったので代わりの男松を植えた。 今、地蔵の傍に生えているのがこの松である。
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