丸山に通称「おからすさん」と称する社がある。この社は木立が生い茂り昼も暗い森の中にある。いつの頃か大平の東切に住む神谷某と云う少年がいた。ある夜、からす神社の森に火が灯り、しきりに歌いさわぐ声を聞いた。彼の父はこれを見て「また、天狗さんが来て居る、森へ行ってはいけないぞ。」と注意した。またある夜、森に天狗の火が見えた。この少年は七歳であったが、力があり、一度天狗を見ようと思い、ある時、一人密かにからす神社にしのびより物影よりうかがうと、数人の天狗が火を囲み酒を飲み歌い踊っている。少年はしばらく呆然とこれを眺めていた。ところが一人の天狗がこれを見付け、どこの者かと尋ねて少年の勇気を褒めた、そして、帰っても天狗を見た事を他言しないよう固くいましめた。少年はこの時より村相撲などで不思議に力強く勝つように成ったと云う。
少年は長くからす神社の天狗の事を他言することがなかったが年老いてから話したと云う。 これを聞いた村人は、天狗より力をさずかったと噂をした。 あれ?
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