1999年1月31日(日)産経新聞(関西版朝刊)より
“沈没船”効果? 斜陽産業急浮上
「タイタニック」で興業収入最高額
“沈没船”で斜陽産業が浮上!映画会社などで構成する日本映画製作者連盟(会長・松岡功東宝会長)は平成十年の映画統計を発表したが、過去最大のヒットとなった「タイタニック」などのおかげで、興業収入(劇場での物品販売などを含む)は約1935億円と史上最高額を記録。日本全国を不景気風が吹き荒れるなか、“不況に強い映画産業”が改めて証明された。
平成10年映画統計 入場者も1億5000万人超える
統計によると、昨年の映画館入場者数は1億5310万人で対前年8.8%の増加。昭和61年以来12年ぶりに1億5000万人を突破した。また平成6年から上昇している映画館数も、複合型映画館(シネマコンプレックス)の新設ラッシュのおかげで1993館と、前年より109館もの増加となった。
配給収入10億円以上を上げた作品は、邦画では50億円の「踊る大捜査線
THE MOVIE」(平成11年1月現在見込み)、41億5000万円の「ポケットモンスター
ミュウツーの逆襲」など9本。洋画では160億円の「タイタニック」、47億円2000万円の「ディープ・インパクト」など14本あり、洋邦合わせて前年より6本も増えた。
好調の原因について松岡会長は、「作品に恵まれた、映画館が増えた、などいろんな要因があるが、景気がよくないといわれるなか、映画が見直されてきたのだと思う。以前は映画を話題にするのはダサイと思われていたが、今は話題の映画は見なくてはいけないというふうに腰が強くなった。今年も強力な作品が控えており、年間を通じて入場人員は昨年より増えるのではないか」と分析。2、3年後には映画館数は2500、入場者数は2億人に達するとの期待を示した。
半面、東宝の石田敏彦社長は、当たる作品が異常なヒットになる一方で配収1億円にも満たない映画がたくさん出ている問題を指摘。「配収10億円以上の23本だけで全体の68.7%を占めている。この落差を真剣に考えて、1本1本きっちりと当てていきたい」と話した。