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10月5日(木) オーバン → グラスゴー

オーバンの呪いは最後の日まで続いた。

この日はグラスゴーに向かうので朝早く出発する必要があり、その旨は到着の日に伝えておいたはず…だった。が、私が甘かった。朝食ははなっから期待してなかったので宿代の精算を済まして駅でうだうだしよう…と思っていたら! なんと、宿の人がいない…。

「もしもーし、誰かいませんかー?」と呼んでみても番犬らしき犬が中で吠えるだけ。10分、15分と時間は過ぎていき、列車の出発時間が迫ってくる。そのうち誰かが上から降りてくる音がした。宿の人ではなさそうだったが呼び止め、宿の人が誰もいないんだけど、ときいてみた。その男の人はこの宿の常連?らしく、事も無げに「ああ、ここの人は9時にならないと来ないよ。」と言った。列車が出るのは8時40分なので9時までは絶対に待てない。オーバン発グラスゴー行きの列車は日に3本しかない。8時40分に乗れなかったら今日の予定はすべてご破算である。まだ宿代を精算していないこと、列車の時間が迫ってきていること、を必死になって訴えると、その男の人は「ラッキーじゃん。このまま払わないでお金を節約したら?」と(もちろん冗談だろうけど)言って出ていった。

後に残された私は涙目状態。お金を置いていくべきか?でも何のお金かわかってもらえなかったら?インフォメーションで予約してもらったので私の住所は知られているし、こんなことでペルソナ・ノン・グラータになって再入国できなくなるのが一番困る〜!
そうこうしているうちにまた上から人が降りてきた。私はその人に向かって再び事情を説明した。この若者も宿の常連らしい。若者(Alexander君と言う)はさっきの人より親切で、自分も仕事に行くところだったのにも関わらず(外には同僚が待っていた)私の話を聞いてくれた上、「わかった。僕を信用して宿代を預けていけばいいから。必ず渡しておくから」と言ってくれた。あわてて手紙を書きお金を渡して「本当にご親切にありがとう!感謝します!」とお礼の言葉を何度も繰り返した。彼は私の荷物を見て「駅まで送ろうか」と言ってくれた。

これを書いている現在、何の音沙汰もないところを見ると宿代は無事に渡されたらしい。とりあえずそう信じておこう。真相は次の渡英時に判明する…だろう。

  

朝からひと騒動の後はまったりと3時間半の列車の旅。新聞読んだりうとうとしているうちにあっと言う間にグラスゴー・クィーンストリート駅に着いた。そのまま駅から徒歩1分のツーリストインフォメーションへ。番号札を取り自分の順番を待った。
いつもの宿以外も他に開拓しようと今回はインフォで紹介してもらうことにした。もうちょっと安いところがあると嬉しいな〜と思ったら、なんとシングル1泊23ポンドだという! いつもの宿よりさらに西側になるが歩けない距離ではない。住所と地図に印をつけてもらいいざ出発。23ポンドの宿…いったいどんな宿だろうか。
距離的には大したことはないのだが、グラスゴーはクライド川から離れると丘になっているので結構アップダウンがある。西に向かって緩やかな坂道を上っていく。距離感が掴めないのと荷物(約8kg)のせいでますます遠く感じる。しかもインフォのおねーさんが付けてくれた印が通り1本分間違っていて、あるはずもないホテルを探してウロウロ…。
これじゃいかん、と地図を見捨てて住所を頼りに探すとありました! チャリングクロス駅の真ん前の高層ビルがその宿でした。入り口もちゃんとしたホテル風で、本当にここなの??と不安を抱きつつ用紙を出すとちゃんと受け付けてくれた(当たり前)。
自分の部屋に入ると、広い!きれい!と感動の嵐。テレビの画面にはウェルカムメッセージが出てるしドライヤーはあるし勿論お茶のセットもある、バスタブもある、と本当にホテルだった。よくよく調べたら23ポンドに朝食は含まれていなくて、食べたい人はレストランかビュッフェでフルブレックファストかコンチネンタルか好きなものを選んで食べるシステムだった。ついでにホテルの真ん前にも朝食が食べられるお店があった。

ホテルからの眺め。遠くにグラスゴー大学が見える。


と、ぼーっとしてると時間が無くなってしまうのでお買い物に走る。荷物になるので今まで極力買い物は控えてきたのだった。頼まれもののシングルモルトを探しにプリンセススクエアのThe Wisky Shopへ行き、ついでにショッピングセンターの中を一通り見て遅い昼食を食べる。
セントエノック近くのHMVとVirgin MegastoreでクラシックのCDを見てからブキャナン通りを北上し、ソキホール通りへ。途中で新しくオープンしたショッピングセンターを横目に見て、Waterstone's(書店)へ向かう。が、これといってめぼしい本(心ときめく本とも言う)がみつからず、一休みするべく新聞(Evening Times:グラスゴーのローカル新聞)を買ってからWillow Tea Roomへ。スコーンとアールグレイでお茶にする。

引き返しがてら別のHMVに入り2階のクラシックコーナーへ。ここはセント・エノックよりも狭いけれど探しやすくて好きな店。イギリスはまだビデオが主流で次がDVDといった感じ。が、流通量は圧倒的にビデオが多い。オペラのビデオもちょこちょこと置いてあった。と、そこになんと「アンドレア・シェニエ」(シャイー指揮、マルトン、カレーラス、カプッチルリ)のビデオがあるではありませんか! LDが出ているのは知っていたけど、日本では全然見つからなくて諦めかけていたのにこんなところで見つかるとは。速攻ビデオを握りしめ、その上で他のCDも物色。「トゥーランドット」のニルソン&コレルリのが安かったのでそれも買う。この作品は通算3枚目(^^;。あとはバロックや古楽系を探したがいまひとつ心ときめくものがなかったので、ロンドンでまた行けばいいやーと店を出た。
(注:イギリスのテレビ・ビデオ方式はPALなので日本の受像器で見るには専用のビデオが必要)

新しくできたブキャナンショッピングセンターの一角に新しい本屋ができていたので入ってみる。入り口は狭いが奥行きは結構あり、イギリスの本屋ではお馴染みの読書コーナーがある。立ち読みならぬ座り読みで本を選べるのは本当に嬉しい。しかしこれも客のマナー次第というところか。ここではご贔屓の子供向け歴史シリーズ"Horrible Histories"の"The Smashing Saxons"を購入。さらにORTAKというジュエリーショップで奮発してケルト文様のシルバーのペンダントを購入。お揃いのピアスまでは手が回らなかった。

明日はロンドンへ。さてロンドンではいったいどんなことが待ち受けているのやら。


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