10月3日(火) インヴァネス→オーバン
昨日と同じ時間のバスに乗って今日はオーバンまで行く。直通のバスはないのでフォート・ウィリアムで乗り換え。フォート・ウィリアムはこれといった観光名所はないけれどベン・ネヴィスへの入り口なので訪れる人が多い。初めて通過したが結構大きな街でちょっと驚いた。
フォート・ウィリアム近辺は当然のことながら山がちだったが、そこを過ぎてしばらくするとLochが見えてきた。木々の間からときおり視界が開け、Lochの方を見やるとZ-Planのお城が建っている。非常にドラマティックで絵になる光景。もっとも築城した人は天然の堀のつもりだったんだろうけど。バスに乗っていたおじさんが「Ideal home!(理想の家だね)」とポソッと言っていたのは皮肉か本気かジョークだったのか。
*周囲を陸に囲まれたものばかりではなく外海に開いているものもLochと呼ばれます。
オーバンはアウターヘブリディーズへの玄関港。Mull島や南Uist島へのフェリーが出るし、観光の目玉Iona島やフィンガルの洞窟で有名なStaffa島へのツアーも冬季を除いて毎日ここから出ている。が、ここに来た理由はひとえにA World In Miniatureというドールハウスのコレクションを見るためだった。A World In Miniatureには98年に1度来て、その時は時間がなくてゆっくり見られなかったので再挑戦というわけ。
宿を今度もインフォで予約してもらうことにした。予約してくれた宿は1泊17.5ポンドと激安。しかも中心から歩いて5分という立地のよさ。ひょっとしてものすごーくボロイところだったりして…という予想を裏切って、宿そのものは広くはないけどシャワー・トイレ・テレビつきの清潔なところだった。まあ禁煙とリクエストしたにもかかわらず、明らかにタバコの臭いが残っていて灰皿まであったのはご愛嬌か。
この宿は1階がパブになっていて、ホテルの表示はあったけれどパブの裏口にしか見えなかった。とりあえず中に入ってみてもスタッフらしき人もいない。その辺をうろうろしていると、通りがかりの人に「どうしたの?」と声をかけられた。「このホテルに行きたいんだけど、入り口がわからない」というと、「いいから入れよ!」とさっき入りかけた入り口を示した。ホテルの人なのかなと思ったけど違う様子。
中に入るとパブのカウンターの裏口からいかにもアネサン!という感じの女性が出てきて対応してくれた。部屋に案内してもらって一通りの説明を受けてひと安心。困ったのは朝食の時間が遅いこと。今までの最高記録、朝食は朝9時という遅さ。明後日は早いバスに乗るので朝食は間に合わないからいいです、というと「コンチネンタルでよければ用意しておくわ」とのお返事。返事だけはいいんだよなー(^^;と後日になって身にしみて知ることになるのだが。
そして再びインフォメーションに向かい、オーバンに来た最大の理由、これさえなければここには来なかったかもというA World In Miniatureへの行き方を尋ねた。しかし返ってきたお答えは!!!
「あそこは閉鎖されたわよ」
今日までで最悪のガチョーン Σ( ̄△ ̄;)
「え、でもネットのHPにはそんなことは何も…(涙目)」
「資金的な問題で閉めざるをえなかったみたい。いつ再開するかはわからないわね。代わりにケイスネス・グラスセンターはどう?」
と薦められましたがとてもその気力はなし。痛恨の一撃をくらってとぼとぼとインフォメーションを出る私でした。
おりしも小雨とGaleと呼ばれる強風が吹きつける中、無気力にオーバンのメインストリートを歩く私。こんなに風が強いと傘は役にたたなかった。ショックからちょっと立ち直るとお腹が空いてきたので、ひと休みしようとPancake Placeに入った。結構待たされたがとりあえず簡単な食事を取り、ぼーっと日記をつけていると後ろに座っていたばあちゃん軍団にいきなり「この辺に薬局ない?」ときかれた。しばし頭真っ白の私。しかしその質問は間違いなく私に向けられたものだった。なんで私にきくかなあ…と心の中でぼやきつつも「ここを出て道なりに歩いていくと左側にBootsがありますよ」と親切に教えてあげた(何で私なんじゃ)。後ほどそのばあちゃん達をめでたくBootsで見かけた。よかったよかった。
どうにもこうにも荒れた天気で、観光はおろか出歩く気もしない。が、今日がこのままで終わってしまってはあまりにも悔しいので、初めてMacCaig's Follyに登ることにした(Follyとは愚行の意味)。この塔は昔、地元のお金持ちが慈善事業も兼ねて、コロッセオをオーバンに作ろうとした名残だという話。途中で資金も尽き、後を継ぐ人もいなかったので、オーバンの街の高台に放置されたままになっている。
高台にあるということは眺めはいいが上るのは大変ということを意味している。おりしも強風吹きすさぶ中、地図を見る余裕などなく簡単な道案内に従って急な坂道を登った。坂はかなり急でときどきつんのめりそうになったが思ったよりも楽に上りきることができた。近づいてみると(本物のコロッセオは見たことがないが)コロッセオの外周だけ、といった感じ。崖っぷちのような場所に建っているので外側は見られないかな?と思ったがそこは一応観光スポット、1ヶ所だけテラスのようになっていて外側に出られるようになっていた。
外に出るといきなりごぉぉおーっつと強風一発。一番高台にあるだけあって風あたりは最高。一応柵があるが今日の風では結構危険かも。と思いつつ粘って写真を撮る。お天気さえよかったらさぞや素晴らしい眺めだっただろうに。
かくしてオーバンのトホホな日々が始まった。