定時課(canonical hours)
聖務日課(Devine Office)のうちのひとつ。小説の中でも時間の目安として出てくるお祈りの時間。俗界の人々の生活時間の目安にもなっていたことでしょう。一日に7回または8回行われる。聖務日課とは『聖ベネディクトゥス戒律』によって定められたもので、修道院(修道士)のありかたに絶大なる影響を与えた。一日7回の祈りは『詩篇』の「日に七たび、わたしはあなたを賛美します」という記述に基づいている。
| Matins (朝課) |
真夜中または夜明けの祈り。一日の始まりの祈り。 |
(注)
時間と回数はあくまでも基本であり目安であって、季節や特別行事などによって祈りの回数も時間も異なる。
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| Lauds (賛課) |
通常matinsと一緒に行う |
| Prime (一時課) |
午前6時、あるいは日の出時の祈り |
| T(i)erce (三時課) |
午前9時の祈り |
| Sext (六時課) |
正午の祈り |
| Nones (九時課) |
午後3時の祈り |
| Vesper (晩課) |
日没時の祈り |
| Compline (終課) |
一日の終わりの祈り、就寝時の祈り |
ここで問題となるのは、正確な時計の無かった時間にどうやって祈りの時間を定めたのかということ。中世の生活は日の出から日没までの間に行われた。赤道に近い国ならともかくイギリスはかなり高緯度の国であり、夏至の頃は朝の4時頃にはすっかり明るく夜は11時過ぎまでうっすらと日が残っている。逆に冬至の頃は朝9時くらいまでは薄暗く夕方5時ともなればとっぷり日が暮れてしまっている。日本の「明け六つ」「暮れ六つ」と同じように当時は昼の1時間と夜の1時間は夏季と冬季で随分違っていたらしい。例えば夏至の頃の昼の1時間は単純計算で[19(時間)÷12=95(分)]だが冬至の頃になると[9(時間)÷12=45分]となる。いささか極端な結果になってしまったが、これほど極端でなくても夏季と冬季では昼と夜の1時間は異なっていたはずである。
小説中にもあるように朝課の後に集会(小説では修士会)が行われ、『戒律』や聖人伝を読み上げたり、こまごまとした伝達事項や取り決めや違反の告白、処罰の決定などが行われた。祈りと祈りの時間の合間には、労働、読書、午睡、食事などが充てられた。
小説には三時課、六時課、九時課は全く出てきませんが、出てこなくてもちゃんとお祈りしているのでしょう…きっと(^-^;。
参考文献
『修道院』(朝倉文市/講談社現代新書)
『キリスト教史 3・4』(M.D.ノウルズほか/平凡社ライブラリー)
リーダーズ英和辞典(第2版)
新英和大辞典
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