シナリオアイデア
(2)<鬼伝説>
鬼女「紅葉」 部下 鬼武、熊武、鷲王、伊賀瀬
息子 経若丸
長野県上水内郡鬼無里村。
昔、この村の中央にそびえる一夜山に鬼が住みつき村人を苦しめたが、武者
に討ち取られたという鬼伝説が残っている村です。
鬼は、鬼女「紅葉」と呼ばれ鬼女が復活する時、鬼女の配下の4人の鬼、鬼武、
熊武、鷲王、伊賀瀬も復活をとげると言われています。
そして、9年前にこの村に1人の子供が産まれました。
彼女の母親は望月家の長女で、行方不明になり1年後、鬼女が討ち取られた場所と言
われている山中で遺体で発見され、その遺体から子供は産まれました。
以後、その子供は望月家に引き取られ育てられ、その少年は若様と呼ばれています。
この少年が引き取られた家は望月家という旧家の大きな家です。
少年の出生に関しては、松巌寺の先代の住職と望月家の1部の者しか知りません。
<松巌寺>
鬼女紅葉の守護仏といわれる地蔵尊をまつっている鬼女紅葉ゆかりの寺です。
40代の住職です。先代は去年無くなっており彼は若様と呼ばれる少年の出生の事は
知りません。
ただし、紅葉伝説についてはある程度知っています。
<鬼の岩屋>(鬼の塚)→五輪塔
鬼の岩屋は、山中の紅葉が討ち取られた場所で、ここにモミジの肉体が封じ
られています。
また、山中には4人の部下も封じられています。
(導入)
PCの知人の一人が旅行にいき行方不明になります。
PCのところに旅行中の友人から1枚の絵葉書が届き、その絵葉書は鬼無里村から
送られたものだという事が分かり、これが唯一の手がかりです。
手紙には帰る予定日が書いてあり、帰ったら直ぐ見せたいものがあると書いてあり
ますが、予定日をすぎても友人は帰ってきません。
そこで、PC達は友人の恋人の頼みで行方不明となった友人を探しにいく事になり
ます。ちょうど友人の両親も鬼無里村に向う所で、PCと友人の両親、恋人と共に
村に向う事になります。
(鬼無里村)
PCが鬼無里村に来た時、それとなく鬼女伝説で有名な場所だという情報を与えて下
さい。(観光案内板に書いてあるとか。)
友人が最後に止まったのは、鬼無里村村営の宿「鬼無里荘」です。
宿の者に一夜山へ出かけていくといったまま帰ってきませんでした。
現在、村の警察と青年団で捜索活動を行いましたが発見できませんでした。
友人の足取りを追えば何度か松巌寺や鬼の岩屋に行っていた事が分かります。
この2つはこの村の観光ポイントなので別に不思議な事ではないですが。
友人は松巌寺の住職とは合っていません。
PC達が鬼無里村の鬼女伝説の事に着いて調べれば大まかな内容を知る事ができ、詳
しく調べればその話は明治19年に刊行された「北向山霊験記・戸隠山鬼女紅葉退治
之伝」(常楽寺の住職半田義逢の著)ものだという事が分かります。
また、友人が行方不明になった日に、村で殺人事件が起こっています。
被害者は、鋭い切れ味の刃物により一太刀で殺されていました。
刃物の切れ味もさる事ながら、犯人の腕も相当なものだという事です。
殺された者は旧家の人間でかなり昔からこの村に住んでいるものでだと言う事が分
かります。殺されたのは、真菰(まこも)家のものです。
真菰家を訪ねると奇妙な話を聞く事ができます。
殺されたものは数日前から自分はもうすぐ殺されると言うような事を家族に話して
いた事とが分かります。
また、この家の祖母「真菰たえ」が若様と呼ばれている少年に息子は殺されたと言
います。詳しい話を聞けば、少年の出生について語ります。
家族は、祖母はショックで少しおかしくなっているだけだから、と言って祖母の話
を真に受け無いように言います。
祖母の方も自分の言いたい事を言ったら直ぐに引っ込んでしまいます。
(GMも祖母はちょっと頭がおかしいような印象をPCに与えて下さい。)
また、聞き込みをすれば若様と呼ばれる少年と一緒に歩いて一夜山の方へ向ってい
るのを見たという話も聞けます。
ただ、奇妙な事に、若様と呼ばれている少年をいくら捜しても会う事ができません。
少し前にいたとか、○○にいる、○○に行ったといわれてすぐにそちらに向っても
やはり少しの差で入れ違いになったり、途中から何処に向ったか分からなくなったり
して出会う事はできません。
若様と呼ばれている少年について調べると、住んでいる家を教えてもらえます。
ただ、訪ねていっても今わ親戚の所に行っていると言っていないと言われます。
見かけたものが居ると言っも見間違いだろうと言う事でかたずけられてしまいます。
若様と呼ばれている少年についてまだ情報を得ていない場合、望月家を訪ねた帰りに
「真菰たえ」という老婆に呼び止められ少年の出生について教えてもらえます。
成田、金剛、平と言う名字の者を探せば、成田忍と言う20歳の女性が別の宿に泊ま
っていることが分かります。
彼女の仕事はオカルト系の雑誌記者で、今度、鬼女紅葉の特集を組むと言う事でこの
むらにやってきています。
彼女の性格はやり手のキャリアウーマンといった感じにして下さい。
当然、上記の紅葉伝説についても知っています。
−−−鬼女「紅葉」−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
937年(承平7年)の秋、伴笹丸(ばんささまる)とその妻菊世が子供が居ない事
悲しみ、「大六天の魔王」に祈願した結果、この世に生を受けた。
大六天の魔王、正しくは他化自在天と言い、仏教で説く6つの欲望の世界の王で人間
の欲望を支配する外道の神とされていた。
2人は生まれた女の子を呉葉(くれは)となずけ、呉葉は才識兼備の美しい女性に成
長し、紅葉と名をあらため京にのぼる。
953年(天歴7年)に源経基(みなもののつねもと)の御台所(正妻)が紅葉の琴
の演奏を耳にとめ、1曲所望される。
この時紅葉は大六天を念じつつ秘術を尽くして弾き、紅葉の演奏を気に入った御台所
は後日、紅葉を奉公人(使用人)として屋敷に招く。
やがて、紅葉は主人(経基)の目に止まりその寵愛を一身に受ける事になり、経基の
子を宿し、彼女は自分が正室となるために御台所を呪い殺そうとするが、下女にその
姿を見られてしまう。
紅葉は御台所の側で看病しているのに、彼女の部屋の奥から物音が聞こえてくるのを
不審に思った下女がのぞいてみると、壇(だん)を設け白い上衣をきた紅葉が何やら
祈りを上げていた。
そして、側使用人の三谷隼人が配下の者を引き連れ、御台所の側に居る紅葉を捕らえ
ようと、かき消すようにきえてしまい、奥の部屋に居る紅葉の方はあっさりと捕らえ
られた。そして彼女は、鬼無里の里の一夜山へとついほうされる。
初めの内は、麓の村に自分は無実の罪でここに流されたのだと訴え、時にはその力で
病人を治してやったりして、生き神様とたたえられていた。
やがて、経基の子を産みその子を経若丸となずけた。
この頃、再び紅葉は鬼としての本性をあらわしはじめ、男姿に身をやつし夜な夜な麓
に忍び出て何十里も離れた富家に忍び込んでは金銀財宝を盗んでいた。
そして、紅葉のうわさを聞きつけた平将門の家臣の子孫と言われている鬼武、熊武、
鷲王、伊賀瀬らに率いられた盗賊団が彼女のところにやってくるが、逆に紅葉は妖術
を使い彼らを自分の配かにしてしまいます。
そして、近隣の村村を荒らしまわり、京から討伐軍が派遣される事になります。
討伐軍を率いたのは、平維茂(たいらのこれもち)ですが、山に立てこもった盗賊団
と紅葉の妖術の前に敗れてしまい、紅葉を破るには武力だけではなく神仏の力を借り
る必要が有ると思い、出浦の里にある常楽寺の北向観音に戦勝祈願をすることにした。
7日間、北向観音に参籠(さんろう)して満願の日、白髪の老僧が夢に現れ、雲に乗
せて呉葉の住処を隈なく案内してくれ、「これぞ降魔(ごうま)の剣なり」と四、五
寸(12〜15cm)の小剣を彼に持たせたところで夢から覚める。
夢が覚めても彼の手には夢の中で渡された降魔の剣が握られていた。
そして彼は、再び部下を率いて紅葉討伐に向い、降魔の剣の力により妖術を封じられ
た紅葉は討ち取られた。
維茂は、降魔の剣を矢の根とした白羽の矢を、紅葉めがけて放った。矢は紅葉の肩に
刺さり、本性をあらわした紅葉は巨大な鬼神となり空中に舞いあがり、口から火を吐
き、眼光を輝かせて維茂をにらむが、その時、天から金色の光が射し込み、鬼女の頭
部に触れた。これにたまりかねた鬼神が地面に落ちてきた所を武将達の刀に体を刺し
貫かれ、維茂がその首を切り落とした。
こうして、鬼女「紅葉」は討ち取られた。
平維茂の配下・・金剛政影、金剛政秀、成田長国、真菰家忠、河野勝永
(小学館ライブラリー
「日本妖怪異聞録」小松和彦 より)
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(夜)
夜にPCの内誰かが、友人の恋人がフラフラと部屋から靴も履かずに外に出て行くの
に気付きます。(物音に気付いたり、トイレに行きたくなって起きてきたりとか。)
彼女に声をかけてもまったく気付きません。
肩をたたくなどすれば我に返り、自分が外にいる事に驚きます。
ただ、なんとなく誰かに呼ばれたような気がするという事だけ覚えています。
また、止めなければ松巌寺の境内まで歩いていきそこで倒れ、気を失ってしまいます。
やはり、覚えている事は誰かに呼ばれた事だけです。
(2日目)
翌日から、時々彼女(友人の恋人)は恐ろしい夢や白昼夢を見るようになります。
山賊が家に押し入り家の者を惨殺し家財を奪う姿や、平安時代ごろの武者の姿、祭壇
を築き何かを祈っている姿、など、紅葉が目にした光景を断片的に見るようになります。
また、惨殺事件がPCの目の前で起きます。(目撃するのはPC達だけです。)
刀を持っているのは自分達が探している友人です。
かれは闇の中に走り去り忽然と姿を消してしまいます。
殺されたのは河野隆志という中年の男性で、観光客の一人です。
前日にPCが河野名字の者を探していたとしても、その時には発見できません。
(チェックインしたのがPCが宿を訪ねた後だったため。宿のものに連絡を頼んでいた
としても、宿のものは忙しくてうっかり忘れてしまいPCに連絡してきません。)
山中を捜索すれば、壊れた古い塚のようなものを2つ、壊れてない古いつか2つの内
いずれかを発見できます。
壊れていない方の塚からは強い呪力を感じ、壊れている方からは何も感じません。
壊れていない方の塚は、物理的手段では傷一つつきませんが、魔術的手段で結界の呪
力を打ち破るか、特定の人間の血をかける事によって壊す事ができます。
(金剛、成田、真菰、河野の名字を持つもの。)
若様と呼ばれている少年については、今日は誰も見ていないと言います。
(2日目の夜)
真夜中ごろ、霧が村を被いはじめます。
成田忍と言う女性が止まっている宿は古風な平屋の宿で、真夜中に襲われます。
不思議な事にいくら騒いでも、誰も起きてはきません。
襲撃者の1は探している友人で、もう一人は見知らぬ男性です。
但し、友人は自分の事を鷲王だと名乗りPC達の事は何も覚えておらず、もう一人は
自分を伊賀瀬だと名乗ります。
よく見れば、2人とも額に小さな角が2本生えています。
2人は不利になったら山の方へと逃げます。
山まで追いかければ、地面の中からぼろぼろの武器と鎧(平安時代ごろ)をきたゾン
ビが次々と現れ、PCの行く手を阻み、結局、2人には逃げられてしまいます。
(伊賀瀬の方は討ち取られる事にしてもかまいません。)
(伊賀瀬が死んだ場合、頭蓋骨に角のある白骨死体となったあと、すぐに粉になって
(
しまい、やがて何も残らず消えてしまいます。)
成田忍の護衛についていなければ、彼女は殺され翌日宿の部屋で惨殺したいとして発
見され、山の塚がまた1つ壊れます。
(熊武の塚にもっとも近い所に居るものに熊武が憑依して復活する事になります。)
撃退するか、成田忍が殺されると霧は晴れます。
成田忍が教われた頃、真菰家を見張っているものが居たら家の中から老婆の絶叫が聞
こえます。その声で家族の者がおき出して家に明かりが点きます。
駆け込もうとしても、玄関には鍵がかかっています。(当たり前ですが。)
但し、裏口は少しだけ空いており庭にPCが入った時、ちらりと子供の姿を見掛けま
すが霧が深く直ぐ見失ってしまいます。
PCが家の中に上がり込んでも、真菰家の者は半分パニック状態なのですぐにはとや
かく言いませんが、落ち着きを取り戻した後少し厄介な事になるでしょう。
夜中に不法侵入下のですから(笑)。
20分ほどたった頃、救急車がやってきて真菰たえは病院に運ばれますが、既に手後
れです。死因は心臓麻痺ですが、その死に顔は恐怖に歪んでいます。
(3日目)
友人の恋人が熱を出して寝込んでしまいます。
魔術的な治療も普通の薬も効きません。
医者に見せても原因が分からず、精神的なものでわないかと言われます。
医者に関しては宿の者が呼んでくれ、村の医者が宿まで往診に来てくれます。
成田忍が生きている場合、彼女は村から出て行こうとはせず、PC達と同じ宿に移っ
てきます。PC達が説得しようとしても出て行こうとはしません。
そして、今夜も彼女が襲われます。
また、「真菰たえ」が昨日の夜急死した事もPCに伝わります。
死因は心臓麻痺ですが、死に顔は目がかっと見開かれ恐怖に歪んでいたと言う事です。
(3日夜)
真夜中ごろ、再び村に霧が立ち込め、忍が襲われます。
この時も、何故か誰も起きては来ません。
伊賀瀬が滅ぼされている場合、鬼武が鷲王と共に現れます。
既に3人目の犠牲者が出ていますが、遺体が発見されておらず騒ぎになっていなかっ
たのです。殺されたのはもちろん金剛と言う名字の者です。
彼は観光客ですが宿を予約せず昨日の夜に村にやってきて殺されたためまだ事件には
なっていませんでした。
伊賀瀬がまだ滅ぼされていない時は、鷲王と伊賀瀬がやってきます。
この時は、宿で伊賀瀬がPC達によって滅ぼされますが、鷲王は逃げます。
鬼武は復活していますが、この場合は宿には現れません。
PCの目が離れた隙に友人の恋人が姿をくらましてしまいます
ずっと誰かがついている場合、何かイベントをおこしたり突然眠くなって少しの間
ねむってしまったりするなどほんの少しの間誰も見ていない状況を作り出して下さ
い。
気がついてすぐに宿を飛び出しても、霧が深く彼女の姿は見当たりません。
彼女は鬼の岩屋の前に寝かされています。
妖力(魔力)などを感知できる広範囲の魔法が有ればこの時最も強く鬼の岩屋が反応
する事になります。(これ以前はなんの反応も有りません。)
PCが気がつかない場合は、成田忍が鬼の岩屋でわないかと言い出すか、真菰たえの
亡霊が現れ、鬼の岩屋の方を指差します。
成田忍が死亡している場合も後者の方を使用して下さい。
山に入ったら、また平安時代ごろのボロボロの武器と鎧を着たゾンビがPC達を襲い
ます。折れた矢が刺さっているものなど皆ぼろぼろの姿です。
彼らは、鬼女紅葉の配下だった者達で、成仏できずこの地に縛られています。
そして、今でも紅葉の支配下に有ります。
(最終決戦)
鬼の岩屋ではまさに友人の恋人が死に掛けています。
鬼達は直接彼女に手出しはできませんが、高熱のためほうっておくと危険な状態にあ
ります。
彼女は鬼女紅葉の転生した姿で、彼女がこの場所で死ねば紅葉が復活してしまいます。
鬼の岩屋の前には、少年(紅葉の息子の経若丸の転生した姿です。)と、鷲王、鬼武
が居ます。少年も本性をあらわし、3人はPC達を襲ってきます。
少年を倒すまで、強力な結界が張ってあるため彼女を倒す事はできません。
(成田忍が死亡している場合、熊武もいます。)
少年を倒すと部下の鬼武、鷲王(、熊武)も滅びます。
友人と、鬼武に取り付かれていたものも正気を取り戻します。
少年より先に、鷲王、鬼武(、熊武)を倒していれば、憑依されていたものは死亡して
しまいます。
そして、角のある少年の姿のまま死体が残り生ぬるい風が吹いた後、PC達は全員金縛
りにあい動けなくなってしまい。美しい着物を着た人とは思えないほどの美しい女性が
姿をあらわれます。
この時、死亡しているものが居れば彼女が蘇生してくれます。
(NPCでこの場に居るものも含めて。)
(さすがに、よそで殺されてしまったものについては不可能です。)
女性の額にはやはり、2本の角が有ります。
女性は穏やかな顔をしており、何も言わず静かに子供を抱えて塚の方に歩いていき、塚
似とけ込むように消えてしまいます。
そして、全員の金縛りが解けます。
友人の彼女も熱が下がり気を取り戻しますが何も覚えていません。
この村に来てから全ての事を忘れてしまっています。
取り付かれていたものも、何も覚えていません。
友人が人を殺した事を知っているのはPCだけで、どうするかはPC次第です。
殺された者の遺族には申し訳ないがPCの心の内にしまっておくのか、事実を伝えるの
か。事実を伝えれば、友人は自主しますが、証拠も無く本人も何も覚えていないために
起訴されることはありません。
結局、鬼無里村で起こった連続殺人事件は迷宮入りとなりますが、これ以上続くことは
ありません。
終 了
あとがき
何か中途半端な終わり方になってしまいましたが、後は自分で工夫して見て下さい。
また、途中まで書いて長い事ほっておいたため、見落として矛盾しているとこが有る
かもしれません。その時は、掲示板にでも書いておいて下さい。