カレンダーをながめて「ふむ。ここならイタリアにいけるね」と考えるのがもはや趣味といえる私。とはいえ、それが現実になるのはまれだ。仕事のこと、飛行機のこと、ゲームが行われる場所、そして何より、ロビーが元気でプレーしていなければならない。「出発直前にロビーがけが!」というのも、過去何回かあったっけ。
2002年の12月のカレンダーをみると、12/21、22、23が三連休ではないか! そして、12/22にブレシアの対戦相手はミランで場所はサンシーロ。しばらくサンシーロに行っていなかったので、サンシーロでカルチョを見るというのに、俄然意欲がわいた。そして、以前は金曜日発はなかったエールフランスの夜便(成田発21:55)が20日発であった。これなら、仕事が忙しくても、12/24に半休をとるだけでイタリアに行ける。「休みがとれそうなのは、今シーズンそこしかないので行こうかな・・」と友人R子が考えていることも知り、さっそく航空券を手配!
そしてなんと、一度は現役引退したレオナルドがミランに復帰のニュース。12月になって、コッパイタリアで試合に復帰し、さっそくゴールをきめたではないか。レオファンでありロビーファンであり最近はイルハンファンでもあるK子に悪魔のささやき・・「ミラノに行こう」
「でも、レオが試合に出られるのはコッパだけだろうし、日程が決まらないし・・」と悩んでいたK子が航空券を買ってから機上の人になるまで、1週間はなかったような気がするのだけれど・・。イルハンがイエローカードをもらったとかで、イタリアとトルコを往復する!というのは断念したらしい。K子は、コッパイタリアの第2戦があるその日に日本を出、夕方ミラノについて、それから夜のサンシーロに出かけた。ミランが大勝、おまけにレオがゴールを決めたことをネット観戦で知って「K子は絶叫しているに違いない・・」と思った。
こんな短い旅行だと、時差を調整する必要もない。イタリアに着いた土曜日の夜は夕食を食べながら半分寝ていて、寝たあとは、予想通りというか何というか3時前に目がさめてしまった。日本からもってきたおにぎりを作って食べたり、シャワーをあびたり・・。それからネットをチェック。昨日のロビーの14ヶ月ぶりの記者会見の笑顔を見てなごむ。ミラン−ブレシアの予想フォーメーションは・・・。ん?レオ、ベンチ入りするの? 「ん?がせではないの?」と疑り深いK子。あっちこっちのサイトを見るが、やはりベンチ入りになっている。「新聞でチェックしよう」と、早々と朝食を食べ、新聞を買いにいく。お、レオはやっぱりベンチ入りだ。
「ぬぬ。もしかして、K子にとっては、初のロビー&レオなのでは?」そう、長くこのふたりを追いかけながら、ふたりが競演したJOMOカップを仕事で観戦できなかったK子。にわかに緊張。どういうパターンなら、ふたりが同時にピッチに立つか、検討し始める私たちであった。
サンシーロへは、24番のトラムで行く予定だった。ところがトラムの乗り場にいくと「9分後」になっていた。ん〜、待てん。「タクシーにしよ!」ということで、タクシーでサンシーロへむかう。道はがらがらで、サンシーロまではあっという間だった。15分もかからなかった。
さ。チケットを買いにビリエッテリアに行かなければ。タクシーを降りて、サンシーロを半周してビリエッテリアへむかった。試合開始までまだ1時間以上あるのだけれど、人が多い。そして、ブレシアのサポーターとおぼしき人のなんて多いこと! ミラノに住んでいるバッジョファンの知人にあわないかなあとキョロキョロする。彼女は間違いなくきているし、きっとクルバで応援するだろう。
ビリエッテリアでチケットを買うのは大変だった。いや、ほしかったロッソ1階のチケットは手に入ったのだけれど、まとわりつくダフ屋さんたち。ビリエッテリアに並んで、ちゃんとチケット買おうとしているのに、うるさいの何の。おまけに「ロッソのプリモだ」というおじさんの手には「セコンド」のチケットが・・。そりゃ2階だよ。ビリエッテリアのお姉さんも、ちょっと怒っていた。
ひさびさのサンシーロだ。よく考えたら、99年の11月以来だった。ロビーがケガをしていたレッチェ戦。ロナウドが最初の大ケガをするのを目の前で見た。あのときは、サンシーロでインテルの試合をみたあとトリノへいって、ミランとユーベの試合をみたのだった。トリノは雪だった。ミランのベンチにいるレオナルドが毛布をかけていて、うらやましかった。
あれ?サンシーロの様子がちがう。メインスタンドであるロッソは、一番ピッチに近いブロックがなくなっていて、そこにはVIPのためのとおぼしきスペースがあり、ロッソの客席は少し高いところにあるつくりになっていた。サンシーロは、フェンスなどに邪魔されずにピッチを近くに見られたのに、これでは話がちがう。ピッチの近くの迫力を感じたければ、バックスタンドであるアランチャにいかなければならないのか。
すでにブレシアのクルバはファンでいっぱいだった。本当に人があふれそうだった。そして叫んでいた。そんな中、ミランのクルバ、ブレシアのクルバの両方からウルトラスが出てきて、ピッチのうえでエールの交換?を始めた。そして、相手のチームへエールをおくっている。近頃、ファンにより問題がひきおこされることが続いたので、何かのキャンペーンの一環なのだろうか。
やがて、ミランの選手が練習に出てきた。マルディーニだ。え〜っと他に誰がいるんだっけ?とも考えなかった。あれ?ミランの選手はあっちにいくの??・・・ん?ってことは・・・! まもなく、ブレシアの選手がジャージ姿で登場し、ちょうど目の前で練習をはじめだったのだ。きゃあ。軽くボールをけり(お相手は、いつものようにバキーニ)、それからチームで一緒になって、ウォーミングアップ。バリエーションのあるこの練習を見るのが私は好きだ。あ〜、ロビー、近い。でも前のサンシーロだったら、もっと近かったのにね。「かしゃ、かしゃ」(カメラの音)、「じ〜」(ビデオの音・・のつもり)。そう、私ったら、手に、一眼レフトデジタルビデオカメラを両方もっていたのだった。冬の曇り空のもとでは、写真は光が足りなくて、ほとんどピンぼけだった。ビデオのほうは、うつっていた。しかし、ビデオだと、今そこにいるロビーを、今わたしの目で見ることができない。カメラ、ビデオ、眼・・。忙しい。でも嬉しい忙しさ。
ビデオカメラを構える私の耳に「れおーー!」というK子の声がはいってきた。「え?レオ?レオが出てきたの?」ビデオカメラは、ロビーからよたよたとサンシーロのピッチをなめ、そして、軽やかにかけてくるレオナルドをとらえた。う〜ん、不思議な光景じゃ。
こんな時間は永遠に続いてほしい。でも、ミランの選手がロッカールームに戻り、ブレシアの練習も終わったようだ。ロビーはライン際にいた車椅子の人のところに一目散にかけより抱擁した。OPELのジャンパーを着ているその人は、ミラニスタだけれどバッジスタなのだろうか。ロビーも知っているようだ。その光景に、すでに7割がた埋まったサンシーロのスタンドから、大きな拍手が起こった。
後編へ続く
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