漢方薬は女性におすすめ 2


山形県東根市神町 鞄y屋薬局 

薬剤師・不妊カウンセラー、国際中医専門員A級(中国政府認定)・日本不妊カウンセリング学会会員 土屋幸太郎



“土屋薬局 中国漢方通信”では、「漢方薬は、女性におすすめ!コスモポリタン7月20日号」
に 掲載された記事を紹介しています。

漢方薬は、女性におすすめ!」では、婦宝当帰膠と星火逍遥丸、丹参製剤を
紹介していますが、このページをご覧になった読者の皆様から、
月経前緊張症(PMS)や生理痛、生理不順など、数多くの漢方相談が寄せられています。


今回の 「中国漢方通信」では、「不妊症」の漢方相談を特集しますが、
その前に前回の復習をしましょう!


○当帰を中心にした漢方薬


「当帰を中心にした漢方薬」は、養血調経(ようけつちょうけい)作用があり、
生理不順や生理痛を緩和していきます。

女性の人は、毎月生理で一定の血液を消耗しますので、
慢性的に血液が不足しがちです。


いざ 「妊娠、出産、授乳」のときにも、大量の血液が必要とされます。


ふだんから、血液を養っておかないと、
生理痛や生理不順冷え性、不妊症の原因となります。


血(けつ)がなければ、生理がこないので、妊娠できません。


このことを、中国漢方では 「婦人は、血(けつ)をもって本となす」と認識しています。


慢性的な血液不足のことを、血虚(けっきょ)と呼びますが、
「当帰を中心にした漢方薬」を服用しますと、
血液不足の 血虚(けっきょ)の体が 
補血(ほけつ)または養血(ようけつ)されていきますので、
婦人病が改善する基本となります。

(「日中補血シンポジウムに参加して」も参照してください)



○ストレスを緩和する漢方薬


ストレスから、女性の体を守り、こころと体を調和させます。

自律神経、ホルモン系、免疫系を調整し、健康な体のリズムをつくっていきます。

月経前緊張症、生理不順、生理痛には、血液の問題とともに
「気」のトラブルも必ず関連しています。


中国漢方では 「気は、血の師(すい)」 「血(けつ)は、気の母」 という教えがあり、
「気」と「血(けつ)」は双子のペアとしています。


血液を養い、血行を改善していくほかに、
「気」の流れをスムーズにすることも大切なのです。


東洋医学、中国漢方を言い換えると 「気」の医学とも言えますが、
ここでは 「気」とは、自律神経のようなものだと認識してください。


「お元気ですか!」「あなたとは、気が合うわね」と考えてもらってもけっこうです。


さて、本来ならば、「気」は、体全身をスムーズに巡っていて、
生命活動を維持しています。

ところが、過度のストレス、性格的な素因、睡眠不足などにより、
「気」は鬱滞して 流れが悪くなってしまいます。

生理前の“イライラ、うつ、過食、胸の張り、頭痛”などの月経前緊張症や
排卵痛、月経痛などは、「気滞(きたい)」や「気鬱(きうつ)」と呼ばれています。


「気」を体のすみずみまでスムーズに巡らせれば、
婦宝当帰膠との相乗効果により
月経前緊張症や生理不順のトラブルは解消していきます。


「気」の詰まりは、「通じざれば、すなわち痛みを生じる」と言われていますから、
生理痛や月経前緊張症による痛みが軽減していきます。


○丹参製剤


丹参製剤は、血液をサラサラにして、体全身の血行を改善します。


婦人病では、婦宝当帰膠とともに 生理痛の軽減に役立ちます。

月経血がドロドロ・ネバネバとしている淤血(おけつ)の状態では、
子宮頚管をスムーズに通り抜けることができずに、
生理痛が発生してしまいます。

ドロドロ・ネバネバの流れの悪い淤血(おけつ)が
サラサラに浄化されて 流れも改善されれば、
レバー状の血塊は減りますし、当然 生理痛も軽減していきます。


血液サラサラの漢方薬も、「通じざれば、すなわち痛みを生じる」ことを解決しますので、
生理痛が改善していくのです。


生理痛の原因としては @淤血 A気滞 B血虚 の3つがありますから、
婦宝当帰膠や星火逍遥丸や開気丸、丹参製剤などを
うまく組み合わせていくことが鍵を握っているのですね。


ここで、時間がある人は、
あなたの血液は、サラサラに流れていますか?淤血度チェック」に一度トライしてみてください。


冠元顆粒などの活血化於(かっけつかお)の効能は、
子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などにも効果があります。

その場合にも、やはり婦宝当帰膠や星火逍遥丸などの漢方薬と併用することが多いです。

日中補血シンポジウムに参加して」は、
土屋薬局の卵巣嚢腫に関しての 漢方的な考察が載っていますので、
お時間があるときに参考にしてください。


さて、ここで前回までの復習は終わります。





女性は、7の倍数で変化する…生理には、「肝腎かなめ」が大切です


3000年ほど前の中国の医学書に、
「女性の体は7の倍数で変化する」という記載があります。

これによれば、初潮は 7×2=14歳、閉経は 7×7=49歳ということになります。

現代では、初潮の時期が栄養などの状況から 少し早まっていて、
11〜12歳で始まることが多いようです。

個人差はありますが、18歳までに初潮があれば正常とされています。


中国漢方では 女性の生理と関係が深い臓器は、
肝臓と腎臓だと認識しています。

先人の経験によれば、「肝は血(けつ)の海」とよばれ、
体全身の血液の貯蔵庫として働いています。

血液がなければ、生理はきませんから、
肝血(かんけつ)がしっかりとしていることが大切です。


腎臓の「腎精(じんせい)」も重要です。

上記で、女性は7の倍数で変化すると述べましたが、
これは 7の倍数が 腎臓の機能に比例していることを示します。

7×2=14歳で生理がくることは、腎精(じんせい)が充実して、
腎気(じんき)が活発になるからです。


「肝血(かんけつ)」やら「腎精(じんせい)」などの専門用語が難しいと思います。


人間を木にたとえますと、「腎精」は「木の根」に相当し、
「肝血」は「木の幹」に相当すると理解してください。


「腎精」の「根っこ」が しっかりとしていないと、
「木の幹」である 「肝血」が影響を受けて、生理のトラブルが起こるのです。


私たちは よく日常生活で、「肝腎かなめ」と言っていますが、
女性の生理にも 「肝腎かなめ」の「肝血(かんけつ)」と「腎精(じんせい)」は大切なのです。


腎精は、西洋医学でのホルモン力に相当します。

腎がしっかりとしていれば、健康で生理も正常ですが、
腎が弱いと、ホルモンバランスが崩れやすいですし
周期が乱れやすく 妊娠しずらくなります。





赤ちゃんが生まれる元気な体には、「血」と「精」が必要…「腎は生殖をつかさどる」


健康な赤ちゃんが生まれるには、一つの法則として
体全身に きれいな血液が蓄えられていることが大切です。

「婦人は血(けつ)をもって本とする」と言われ、
生涯の間に 「生理、妊娠、出産、授乳」と体調に血液を消耗しますので、
ふだんから血液が充足していることが、妊娠の基本となります。

血(けつ)がなければ、生理が来ないですから、妊娠できません。

中国漢方では、婦宝当帰膠で 肝臓の血液を補血(ほけつ)して
体の血液を充足させて、妊娠にそなえていくことは大切です。


次に、女性の生理は 「肝腎かなめ」が大切ですから、
赤ちゃんが生まれるためにも、腎(じん)が丈夫でなければなりません。


婦宝当帰膠だけを しっかりと服用して 自然妊娠するかたも多いですが、
高齢の方や 卵子の問題、器質的疾患(子宮筋腫、内膜症)がある場合には、
補腎薬(ほじんやく)と呼ばれる 「精(せい)」を養う 漢方薬を併用しています。


五臓の「腎(じん)」は、両親から譲り受けた「精(せい)」を蓄えています。

「腎」がしかっりとしていれば、体は元気で、
すくすくと子供は大きくなり、12歳くらいから初潮が始まります。

そして、毎月きちんと規則正しく生理がきて
やがて子供が生まれる 元気な体になります。


これは中国漢方では 「腎は精を蔵し、生殖をつかさどる」としています。

親からもらった「精(せい)」の種が大きくなることにより、
女性は生理が始まり、男性は精子がつくられるようになるのです。

(男性の漢方相談に関しては、「世界中から集めた強壮・強精グッズ」を参考にしてください。)


腎臓の「精」が少なかったり、「腎」の機能が弱いときは、「腎虚(じんきょ)」と言います。

腎虚(じんきょ)は、月経不順、無月経などを引き起こして、不妊症の原因となります。


いわば、「腎」とは 男女ともに 「性ホルモン」のような働きをするところなのです。

このことを称して 「腎は精を蔵し、生殖をつかさどる」としています。





周期調節法と中成薬の応用


◎周期調節法は、1963年に 中国の西洋医が、中医学を勉強して発案したもので
漢方の歴史では、比較的 新しい分野に相当します。


月経期―活血調経(かっけつちょうけい)

卵胞期―滋補肝腎(じほかんじん)

排卵期―温腎活血(うんじんかっけつ)

黄体期―温腎暖宮(うんじんだんきゅう)


◎4つの周期に合わせて、漢方薬の服用を変化させていく方法です。


卵胞期は陰に相当し、陰が極まれば陽となり排卵となります。

排卵の次は、陽が盛んになり黄体ホルモンが充実します。


◎周期調整法のポイント


性腺軸の機能改善

○基礎…養血調経

○中心…補腎活血

◎重点…月経後(卵胞期)


月経後は、気血(きけつ)が不足します。

ここで素早く気血を補っていけば、質の良い卵子が生まれます。


畑でたとえますと、良い畑に種をまけば、
すくすくと植物は成長しますね。

人間の体も同じで、卵胞期に漢方薬をしっかりと服用すれば、
黄体期も自然と良くなります。


◎性腺軸抑制素因の排除―高プロラクチンの抑制

プロラクチンが高い人は、妊娠しにくいです。

日本の女性は、ストレスが多いことが関係しているかもしれません。


◎養血整経が周期調整の基本


理論根拠:婦人は血(けつ)を本とする

血(けつ)がなければ、生理がきまんせし、妊娠できません。

子宮内膜に「当帰を主成分とした漢方薬」は栄養を与えます。

ホルモン治療の副作用は、子宮内膜が薄くなることです。


◎補腎活血が周期調整法の中心

補腎薬→腎は生殖をつかさどる。

視床下部―下垂体―卵巣軸を刺激→性ホルモン作用

           体質の陰陽
              ↓
補腎のポイント…陰陽の区別→補陰と補陽が大切
              ↑
           周期の陰陽


陰の転化のためには、補陽が必要。

補陽は、陰から陽を求める。

陰とは、血(けつ)のこと

参茸補血丸は、陰と陽が配合されています。



不妊症の漢方相談では、
補腎薬は 欠かせないものです。

「腎は生殖をつかさどる」とあるように、
補腎(ほじん)により、「腎精」を補っていけば、
卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスが改善されていきます。


基礎体温表では、
黄体機能不全のような凸凹型、
高温期が持続しにくく、12日未満になる、
低温期と高温期が0.3度未満、
高温期が低い
基礎体温が全般的に低い、
などの症状改善に
補腎薬を使用します。

周期調整法では、補腎薬を服用するタイミングは、
生理が終わってからの、卵胞期〜排卵期〜黄体期に服用します。

1回に半丸を、1日2回が標準の服用方法です。


周期調整法では、
「卵胞期」を一番と重要視します。

質の良い、若々しい「卵子」を作れる
元気な体をつくります。


たとえ、30代後半となっても、
20代後半の若々しい体にすれば
着床しやすくなります。



「漢方薬は女性におすすめ」に戻ります。



漢方薬は女性におすすめ3」に進みます。


土屋薬局では、婦人病の漢方相談に
積極的に取り組んでいます。


基礎体温表による
周期調整法もマスターしていますので、
安心してご利用してください。

漢方相談は、
漢方相談室のフォームファックス(0237−49−1651)
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。