坐骨神経痛治りますか?…腰痛、漢方、漢方薬
山形県東根市神町中央通り 土屋薬局 薬剤師・国際中医専門員A級 土屋幸太郎
“土屋薬局 中国漢方通信”には、“痛み、しびれ”に関する漢方相談が多く寄せられます。
お客様の立場にたって、回答していきたいと日頃から思っています。
では、今回は 坐骨神経痛の漢方相談に対する回答を紹介します。
坐骨神経痛治りますか?
去年の1月、椎間板ヘルニアになり、それに伴いひどい坐骨神経痛で悩んでいます。
この1年、少しずつ良くなってきてはいるのですが、まだ鎮痛剤なしには生活できません。
漢方薬は 2種類の漢方薬を 3ヶ月ずつ、服用しましたが、今ひとつの効果です。
でも、飲むのを辞めたら、肩こりや体のむくみもひどくなったような気がします。
もちろん 坐骨神経痛も悪化してしまったようです。
何か、良い漢方薬はありませんか?
回答:中国漢方では 「腎」を強化する
こんばんわ。
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は、慢性化しやすいので大変だと思います。
昨年の一月から続いているそうですから、きちんと治していきたいものですね。
さて、いろいろ漢方薬を試されているのは、とても良いことだと思います。
鎮痛剤ばかりに頼っては、胃腸障害も心配ですし、何より根本的な対策にはなりません。
そこで、漢方薬の内服で 坐骨神経痛を楽にしていくという方法があります。
よっしさんの年齢や性別にもよりますが、
一般的には、椎間板ヘルニアによって、坐骨神経痛が発生している場合は、
中国漢方では 「腎」に問題があると考えています。
「腎」は、若さと老化に関係している
「腎」は、現在でいう 「腎臓」の働きも含みますが、
中国漢方、東洋医学では、もっと幅広い概念を含んでいます。
五臓の 「腎」は、体の 「若さ」と「老化」に関係しています。
「腎」は、もともと親から譲り受けた 生命力のようなものですが、
「腎」が弱くなれば 老化が始まり、足腰が弱くなったり、
骨や関節や、性機能なども弱くなってしまいます。
これは「腎」が弱くなっていることですから、
私たちは 「腎虚(じんきょ)」と呼んでいます。
とくに 「腎」と「骨」の問題については、先人はこう言っています。
「腎は骨をつかさどる」 …補腎には、独活寄生湯が最高
これは、「腎」が弱くなって
「腎虚」が始まれば、容易に 「骨」ももろくなってしまうことを
先人たちが 経験的に知ったものです。
そこで、椎間板ヘルニアですが、この症状はまさに
骨の老化が原因ですから、
中国漢方では 「腎虚」によるものだと考えます。
椎間板ヘルニアによる 坐骨神経痛を楽にしていくのにも、
「腎」を強化する、
つまり「補腎」を 行わなければなりません。
「補腎」ができ、「痛み、しびれ」に強い漢方薬は さまざまありますが、
私の日頃の経験によれば、独活寄生湯が最高です。
独活寄生湯と知柏地黄丸の使い分け
独活寄生湯は、「筋肉」「骨」「関節」を丈夫にし、つらい痛み、しびれを解消していきます。
坐骨神経痛にも 目を見張る効果があることが、たびたびあります。
ただし、体質上では、「寒がり、冷え性」傾向が 強い人に向いています。
もし、「のぼせ、体がほてる」感じのあるかたは、
「知柏地黄丸」を使用します。
しかし、一般的には痛みが慢性化している人の場合は、
「寒がり、冷え性」傾向が強いので、 「独活寄生湯」をメインとしたケースのことを述べていきます。
「独活寄生湯」は、柱になる漢方薬で、とても頼りになるものですが、
違う漢方薬を併用すると、もっと効果が上がる場合があります。
血行不良を解消するには、丹参製剤や「当帰を主成分にした漢方薬」を
坐骨神経痛のような、臀部から指先などに流れるような 「しびれ」は、
血行不良も 「腎虚」と同時に 発生していることが、
よく臨床では起こります。
この場合は、血行不良を解消するものを、
独活寄生湯に併用すると良いです。
血行不良のことを、中国漢方では「淤血(おけつ)」と呼んでいますが、
「淤血」の特徴としては、「痛みが強い、痛みが遊走性または固定性、夜間に悪化する、
寝返りをうっても痛い、入浴すると楽になる」などあります。
血行不良の次は、「冷え性」の問題です。
「冷え性」が解決しなければ、つらい 「痛み、しびれ」は楽になりません。
「冷え性」が強ければ、「当帰を主成分にした漢方薬」併用すると良いです。
「当帰を主成分にした漢方薬」は、血液を養い、血行を改善します。
つまり、痛みを引き起こしている局所の栄養不良を解消すると同時に、
「冷え」を改善し、温めて、血行も良くしていくのです。
「独活寄生湯」と「当帰を主成分にした漢方薬」の併用は、とても相性が良いものですから、
安心して服用できます。
頑固な痛み、しびれに、食用アリで経絡を通す
最後のパターンとしては、このような頑固な 「痛み、しびれ」の場合は、
中国では、よく 「虫類」を使用します。
「虫類」は、体に深く入った邪気を追い出す働きがあり、
「経絡」の流れを改善し、「痛み、しびれ」を 解消していく力が優れています。
最近、中国から食用アリ製剤を使用した製品が 日本にも登場しています。
「アリ」は、滋養強壮作用に富むので、「補腎」の力が強いですし、
“どんなところでも入っていける”不思議な力があります。
(つまり、経絡(神経のようなものです)の詰まりを解消し、痛みなども楽にするということです)
(「アリ」以外には、日本で馴染みがあるもとして、
「地竜(じりゅう)」と呼んでいるものもあります。
ちなみに、これは 「ミミズ」です。これも、神経痛などに効果があります)
椎間板ヘルニアよる坐骨神経痛は、漢方薬で解消していく方法は、さまざまありますが、
きちんと上手に漢方薬を利用すると効果が上がるケースが多いです。
冬寒く、夏は暑いという山形の厳しい風土で培った「痛みの漢方相談」を
全国の皆様も どうぞご利用してください。
漢方では一人一人の体質に合わせて相談していきますので、詳しくはご相談してください。
漢方相談は、
漢方相談室のフォーム、ファックス(0237−49−1651)、
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。

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