私の読書録


 〜〜最近読んだ本〜〜

蹴りたい背中 綿矢りさ著 河出書房新社
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 説明するまでもなく、今年(2004年)の芥川賞受賞作です。これまで私が読んできた芥川賞の作品よりも格段に読みやすい作品でした。作品で描かれている光景が目に浮かんできて、読みながらちょっとドキドキしてしまいました。ただ、そのドキドキ以外はそんなに心に残る作品ではなかったですね。

 

ついていったらこうなった 多田文明著 彩図社
 キャッチセールスについていったらどうなるか著者の体当たりルポものです。私はキャッチセールスについていく勇気がありませんが、確かについていったらどうなるか気になるものではあります。それを他人が実践して本にまとめてくれるなんて、とても面白い本でした。特に私もよく声をかけられる、秋葉原での絵の展示会へのお誘い、実は即売会だったんですね。それもとてつもなく高い…、ついていかなくて良かった…。

 

 〜〜現在読書中〜〜

世に棲む日日 司馬遼太郎著 文春文庫
 
インストール 綿矢りさ著 河出書房新社
 


 

 〜〜過去に読んだ本〜〜

社長をだせ!実録クレームとの死闘 川田茂雄著 宝島社
 民生品(著者は某カメラメーカに勤務していた)を作っている会社は大変ですね。でも本文中に登場するクレームをつけている人のなかには、私みたいな性格の人も何人かいた…。クレームをつける気持ちも充分にわかるけど、対応するメーカの人はお仕事とはいえ大変ですね、私にはとても出来ない。私はメーカの技術屋なので、参考になることも色々とあって、一気に読んでしまいました。しかし、値段がちょっと高いな(1400円)とも思ってしまう本でした(これも一種のクレームか…)。 (03年9月20日)

 

闇を裂く道 吉村昭著 文春文庫
 東海道線で西へ向かうと熱海を過ぎてすぐのトンネル、それが「丹那トンネル」丹那トンネルの工事の物語です。この工事では多くの人命が失われたのは聞いていましたが、それがどんなものだったのかは知りませんでした。今回読んで工事が凄まじいものだったことを知りました。
 崩壊事故により何日間もトンネル内に閉じ込められてしまった時に見られた限界での人間の強さ。
 工事により激変した丹那盆地、豊かな水が無くなってしまい、それによって人々の心が変わり、追い詰められた時の人間の怖さ。読み応えのある一冊でした。久しぶりに、丹那トンネルを通って帰省しようかなと思ってしまいました。

 

剱岳<点の記> 新田次郎著  
 登山をやっている方なら山の頂上でよく見かける三角点。地形図を作る時の測量時に基準とした場所ですが、その三角点を設置する時の記録を「点の記」という。前人未到といわれた剱岳の頂上に三角点を設けよと指示された測量官の物語。読み始めた時は山に登っていればいい仕事(測量はしなければなりませんが)、なんてうらやましい仕事なんだろうと思いましたが読み進めていくうちに、とてもじゃないが私に出来るような仕事じゃない、昔の人はすごかったんですね。これから山で三角点を見る眼が変わってしまいそうです。

 

レモンの勇気 安則まみ著  
 元PSY・SのボーカルのCHAKAさんの自伝とエッセイです。CHAKAさんのファンな方なら楽しく読めることでしょう。CHAKAさんの育った環境や、考え方、自身のことなど色々なエッセイが詰まっています、面白い話、真面目な話、色々詰まっていて笑ったり考えさせられたりしました。すごいしっかりした考え(心)の持ち主なんだなと思わされてしまいました。読み終わってますますファンになってしまいました。
 でも、PSY・SやCHAKAさんを知らない人には、さっぱり面白くない本かも、と言うか、この手の本はどうしてもそうなっちゃうでしょうね。誰にでもお勧めできる本じゃありませんが、PSY・S&CHAKAさんのファンの方にはお勧めです。(02年10月5日)
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沈まぬ太陽 山崎豊子著  
 ここ数年で、一番の本、とにかく本を読む手が止まりませんでした。仕事があるので1時には寝るようにしていましたが、1時で本を閉じるのがいやだ、もっと読んでいたい。それほど物語にはまってしまいました。
 事実をもとに構成された小説、ほとんどの内容が、事実であると思えることからくる衝撃は、ただならぬものがあります。これだけの内容を調べ、本にまとめた著者の力量にはただ驚くばかりです。
 主人公、そして、主人公の家族の強さに感動しました。ただ正しいことを通すのがいかに困難であるかを教えられました。もし自分が同じような立場に立った時、これほどまでに、正しいことを貫けるだろうか、常に自問自答を繰り返してしまいます。本書の中では、登場人物の名前は変えてありますが、どこの誰を指しているのかは十分に推察できます。この物語の終わりから、すでに10年以上が経過していますが、当時より日本は良くなったのでしょうか?

 

ノーライフキング いとうせいこう著  
 面白いだけど、よくわかんない。そんな本でした。文庫で200ページ2日で読みきりってしまいました。読み進んで、だんだんと、核心に入っていくにしたがって、ページをめくる手が止まらない。そして、ラスト、頭の中は「???」。巻末の解説を読んで、なんとなく多少理解が進みましたが、正直言って未だによく理解できていません。短い話なので、もう数回読んでみようかな、そうすれば理解できるかなと思っています。

 

坂の上の雲 司馬遼太郎著  
 長い。とにかく長い小説でした。父親に薦められて読み始めましたが、とにかく最初が長い、日露戦争が始まってしまえば、面白さに引き込まれて、どんどん読み進んでいくのですが、とにかく最初がつらかった。
 内容はというと、これが面白い、歴史の授業で、日露戦争は日本が勝ったことは知っているのですが、読みながら「本当に日本は日露戦争に勝てるのか?」と結果は知っているはずの話なのに、なぜか日本が負けてしまうのではないかと不安になってしまいました。
 歴史小説を読むといつも思うのですが、学校の歴史の授業って歴史の中のほんの一部の史実しか教えないんですね(まあ時間が限られているから仕方がないといえば仕方がないことなんでしょうが)、歴史の史実の裏側にある、こんな人間模様なんかも教えてくれたら、もっと学生時代、歴史に興味が持てたんだろうなと思いました。

 

難解な絵本 いとうせいこう著  
 「ちょっと面白くて、とても難しい」としか表現できない。本当に題名通り難解な絵本でした。
 多分、つぼにはまる人には最高に面白い本なんだろうなと思いますが、私には理解困難でした。

 

ミクロの決死圏
(FANTASTIC VOYAGE)
Isaac Asimov著  
 体の中の表現がとてもリアルだった。実際に、体の中に入った人はいないのだから、すべては空想で書かれているのに、不思議とリアリティーがあった。ストーリ展開も面白く、映画ではどんな風に、表現したのか気になって、読み終わるとすぐに、レンタルビデオ店へ行ってしまった。ただ、映画はいかんせん30年近く前の作品だけあって、期待したほどではなかった(当時としては画期的だったのはわかるが近頃のCGを多用した映画を見慣れていると正直面白くなかった)。是非とも現在の特撮技術やCGを使って、リメイクして欲しいと強く思うほど、内容はよかった。

 

少年のオキテ 原田宗典著  
 大人になってしまえば忘れてしまう、でも、子供の頃は疑問に思ったこと「なぜ、あんなに苦いビールを大人達は飲むのか?」。そして、時代によって内容は違えども、少年時代には必ずあった、今考えると何であんな決まりがあったのか不思議なオキテ。「学校のトイレで大をしてはいけない」等々の、今考えれば首をひねってしまいそうな少年時代のギモン、オキテがつまったエッセイです。実家へ帰省するときの新幹線の待ち時間と新幹線の中、最寄り駅までの電車の中、約4時間で一気に読み切ってしまいました。電車の中でクスクスと笑ってしまったので周りの人はさぞ不気味だっただろうな。読んでいると小学校時代の思い出がいくつもよみがえってくる作品です。

 

生還 羽根田治著  
 山岳遭難に関する本は何冊も出ていますが、この本はその中でも、山で遭難して、生きて帰れた人たちのインタビューを元にして書かれた本です。
 その中の1つのケースは「山靴を履いたお巡りさん」にも書かれているケースでした。「山靴…」は山岳警備隊から見た救助劇、「生還」は救助された人からみた救助劇、全く逆の立場で書かれているので、読み比べると面白いです。
 遭難という極限状態で人間はどのような行動をとるのか、幻覚幻聴に悩まされながらいかにして命を繋いでいったか貴重な経験がつまっています。
 さらに生還した人々に共通していた事とは。決して人ごとではない内容で、今後の参考にすべきエッセンスがつまっていました。山へ登る人には是非読んでもらいたい本です。

 

森の中の海 宮本輝著  
 多くの謎を残し亡くなった女性、その人の謎が一つずつ解かれていく物語と、主人公と主人公の周りにいる&集まって来た人々の成長の物語。2つの内容が、うまく絡み合って、とても面白く、また、考えさせられることが多い物語でした。
 登場する人々がとても魅力的な人が多くて、読んでいても「こんな人達と出会ってみたい」って思ってしまいます。
 展開が早くて、物語にどんどん引き込まれていきます。読み始めるとついついページが進み、読むのが止まらなくなり、気が付けば深夜ってなこともしばしばでした。秋の夜長に是非一冊、お勧めです。

 

山靴を履いたお巡りさん 岐阜県警山岳警備隊編  
 富山県警版「ザイルをかついだお巡りさん」、長野県警版「ピッケルを持ったお巡りさん」とともに、北アルプスの山岳警備にあたる岐阜県警の山岳救助活動を書いた本です。
 「ザイル…」「ピッケル…」も読みましたが岐阜県出身の私としては「山靴…」が一番面白かったです。地元びいきと言われればそれまでですが、文章のまとめかたなんかも、3冊の中では一番うまくまとまっているんじゃないかなと思います。
この山岳警備関係の3冊はどれも、実際に出動しているお巡りさん、その家族、山小屋等協力関係にある人々、救助された人等のエッセイ集という感じに作られていますが文章の長さが一番ちょうどよかったと思います。
 私も山に登る人間ですが「山からは必ず無事に帰らなければならない」という当たり前といえば当たり前のことが強く心に残った作品でした。
 山に登る人には是非読んでもらいたい本です。

 

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく Lance Armstrong著
 安次嶺佳子訳
 
 癌から奇跡的に復活したサイクリスト、アームストロングの自伝です。
 正直言ってあまり面白くもなく、感動もそんなに無い、ただ、本人に起こった事を淡々と書いているという雰囲気です。でも、だからこそ、真実味がすごいある本だったことも確かです。この本の評価は難しいですね。

 

富士山頂 新田次郎著  
 元気象庁職員の著者が書いた。富士山レーダー建設を題材にした、人間ドラマの本です。事実をもとにしたフィクションであるため、どこまでが本当でどこからがフィクションなのか全く分かりません。題材、著者の立場、実際に起きたことをうまく利用して書いてあるなと思います。
 最初読むまでは、山岳小説的な内容や、レーダー開発の苦労を期待して読んだのですが、その期待とはちょっと違っていました。著者が書こうとしたのはあくまで人間ドラマであって、その題材として富士山レーダー開発を使い、人間関係、官庁が抱える問題、様々な圧力、仕事に対する覚悟、責任感、等々をうまく書き上げている作品です。

 

ハイスクール仁義 水穂しゅうし著  
 私の生き方に一番影響を与えた本だろうな。人として、男として、どう生きるべきかを、この本から学んだような気がします。色々悩んだり、考え込んでしまう時にはついこの本を思い出してしまいます。 
 高校時代という一番色々なものから影響を受ける時期に読んだからでしょう、私は未だにこの漫画を越える、本には出会っていません。

 

道頓堀川 宮本輝著  
 「蛍川」「泥の川」とともに、著者の川3部作を構成する一冊です。この3冊の中ではこの本が一番好きです。
 読んでいると目の前に物語の舞台となっている大阪ミナミの風景、登場人物、店の雰囲気等々が自然と浮かんできます。読み終わったとき心を何かが「す〜」と抜けていきました。不思議な読後感の残る作品でした。

 

限りなく透明に近いブルー 村上龍著  
 「Sixty−Nine」が面白かったので、同じ著者の芥川賞受賞作ということで選んで読んでみました。
 私には理解できませんでした。正直言ってよく分からない内容(まあ、私の頭の理解力が足りないだけなのでしょうが)でした。この本に限らず私は芥川賞受賞作を面白い思ったことがありません。分かる人には分かる、そういうものなのでしょうか?

 

69 Sixty−Nine 村上龍著  
 私に小説はおもしろさを教えてくれた一冊です。この本を読んでいなければ多分、私がこんなに小説を読むことはなかったでしょう。この本を教えてくれた友人Sに感謝。
 かなりきわどい題名ですが、内容は健全な青春小説です。
 これを読むと、もれなく学校を「バリケード封鎖」したくなります ^_^;;
 高校生が主役の内容なので、高校時代に読むと一番おもしろいと思う、高校時代にこの本に出会った私は幸せだったと今でも思います。

 


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