波導は我にありーっ!!



劇場版「ポケットモンスターアドバンスジェネレーション
        ミュウと波導の勇者 ルカリオ」鑑賞記



  こちらは、2005年夏に公開されたポケモン映画第八弾「ミュウと波導の
勇者」の感想文を掲載してあります。


  今作品の内容に加え、これまで公開された劇場版七作品の内容に触れて
いる部分もあり、ネタバレ満載です。また、筆者の頼りな〜い記憶を元に
書いておりますので、事実と異なる記述があるかもしれませんことを、
あらかじめご了承ください。


   映画の内容を知りたくないとお思いの方は、

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 アドバンスジェネレーション (以下AGと表記) 三作目、通算八作目となる
本作。AG一作目の「七夜の願い星」がマサト中心、二作目の「裂空の訪問者」
がトオイと仲間たちの協力にあったわけですが、三作目の今年は、もうばっち
りサトシ大活躍!のお話です。いやぁ〜私と同名のキャラが活躍してくれると、
やっぱり嬉しいなぁ〜〜 鑑賞前は、第一作で登場した「ミュウ」に回帰する
ことに、かなりの不安を感じました。観終わった後でも、やはりなにか終焉的
なものを感じ、一種の「まとめ」だったのかな、とも思います。もちろんそれ
は、新たな「世界のはじまり」であると信じております!

 内容としては、中世風の城で古風な儀式に触れる前半と、「世界のはじまり
の樹」に向かう後半とに分けることができると思います。まず、前半から。
 アーロンとルカリオの誤解っぽい回想シーンの後、一転明るいロータの町。
オルドラン城で行われるバトルには、それらしい仮装が必須ということで、
サトシはもちろん勇者っ(彼の性格を考えれば当然☆)ハルカは、アゲハント
の飾りがアクセントのドレス。髪形もいつもと違って、新鮮かも<かも言うな(^^;)
 マサトの小僧もとい小姓風も似合っています。いかにも知将らしいタケシ
ですが、僧侶風でナンパはいかがなものかと…(そこが彼らしいのですが★)

 祭りのバトルシーンでは、聞きなれない曲が流れて「あれっ?」と思ったさ。
なにしろテーマ曲はPUFFYさんと聞いていたが、どう聞いてもPUFFY
さんじゃ、無い。そゆことで、OP曲はTV版新OPの「バトルフロンティア」
でした!もちろんOPは松本梨香さんが歌うのが一番好きですが、ポケモンの
OPはどれも熱い勢いがあっていいですよね!この曲も、パンチが効いてて
すっごくいいです。とりあえず、PUFFYさんで始まるよりはノリが良かっ
たと思ふ(EDには合うんですけどね、まったりしてて…)

 てなわけで、いまやいつジムリーダーになっても不思議ではないほどの実力
を備えるようになったサトシが優勝したのは、当然!<この辺すごくヒイキ目
が、優勝者は王座について、食事抜きで見てるだけ…という、ものすごく罰
ゲームっぽい展開になり気の毒なサトシくんでした。勇者とは耐えるものなの
か……
 前半の見所の一つ、ダンスパーティです。ハルカはなんか時流を取り入れ
たっぽいキャラ・フレディと踊ってます。気の毒に、名前さえ呼ばれることない
フレディくんですが、一応目立ってます。なぜなら…ムサシと踊るからっっ
おいムサ嬢、いつから面食いになったんだっ!金持ちの優男なら、つねに側に
いるだろうーがっっ その優男コジロウくんが、これまたなりゆきでハルカと
踊ることに。意外に (失礼) 勘の鋭いハルカくんにバレそうになりつつも、
なんとかごまかすのでした。だからあんな変なヒゲをつけてたのか (泣)
 この場面で、キョロキョロしてるコジくんにあらぬ妄想を抱く私・そして
打ち消す連れA。

私「ねぇねぇ、あのときコジロウが挙動不審だったのって、ムサシを探してた
からかなーっ?!やっぱり、コジちゃんはムサ嬢を常に追い求めてるんだよ
ねーっ そだよね、そだよねーっっっ」
A「…ハルカにバレそうになったから、顔を見られないようにしてたんじゃ
ないの?」
私「ぐっ…… そおか、そだよな…ニャースを探すにしては、上向きすぎてる
しな…」
A「探すまでもなく、ムサシ目立ち過ぎてるし」
 くーっ、老成しロマンのかけらもない連れAめっ しかし、確かにムサシさ
んは目立ち過ぎてましたものすごく★

 そんな色気に走らないボーイ・マサトは、城の探検に没頭。同じく飽きた
サトシチームのポケモンたちと、またしてもよからぬ企みのニャース、そして
いよいよあやしげな様子の富豪キッド・サマーズの暗躍の中、ラスボスの(?)
ミュウ登場!キッドが変な欲を出すものだから、ミュウは逃げる際にピカチュウ
も連れて行っちゃったようなもので… しかしミュウは友達が欲しくて遊びに
来ていただけってところもあるしなぁ……
 今回の映画のポイントは、悪い人・悪いポケモンが出てこないところなんで
すよね… これまでのパターンとして、(いつもの)ロケット団を上回る利己
的な敵が登場し、そいつも完全な悪というわけではなく己の筋を通した挙句
ポケモンの力を利用しようとして逆に破滅していく…という形が多かったわけ
ですが、今回は誰も悪くない。少なくとも、力を求めて他者を傷つけて話を
悪化させるわけではないのですが、誰もが困惑と危機に直面していく。そういう
ストーリーはこれまでにない形にチャレンジした監督の心意気をを感じます。
誰も悪くなくても事態が悪化することも、ある、ということが子どもたちにも
伝わるといいのですが…

 てなわけで、ピカチュウがミュウにさらわれた情報はマサトによって、すぐ
サトシたちに伝えられることになります。そしてこちらでも、アーロンの杖の
封印から、ルカリオが解放されます。もっともルカリオにとって時間は経過し
ておらず、いわゆる浦島太郎状態になっていて愕然。そして、置き去りにされ
たのは時間からだけではなく、パートナーであったアーロンにも…という記憶
だけが鮮明に残ってしまって。オルドラン城への恩義を忠実に実行する彼は、
サトシ一行の先導としてミュウの住処「世界のはじまりの樹」に同行すること
を約束するわけですが、アーロンと同じ波導を持つサトシをすぐに認めようと
しないのは、やはり人間不信に陥っているからでしょう。とにかくルカリオは、
良くも悪くもまっすぐで忠誠心の篤いポケモン。逆を言うと、裏を読むタイプ
じゃないので、目の前で起こった事実を深く読み取ろうとする方向には行かず、
かたくななところがあるのですが…

 樹へ向かう途中、この話のポイントである「時間の花」をいう都合の良い、
もとい、重要アイテムが登場します。これは波導によって「過去見」が出来る
という花なのですが…つまり、誰かの思考や伝説等の媒体を経由せず、事実を
ありのままに見せてくれるものですね。こういう存在が、この物語全体の
「おとぎ話性」を強めていると思うです。悪い意味ではなく。人は、過去の
出来事を、人や文字などを介してしか知ることができない。その間に、事実は
少しずつ変化し、理想的にもなり、また悪意をもってとらえることもできる
ようになる。ただ、この花に接する時には、過去に起こった出来事を率直に
受け取ることができる。それをどう理解するかは、接した者にすべてゆだね
られるわけですが…… 私たちが昔話を読むとき、本当はどうだったんだろう?
誰かの目からではなく、自分の目でそれを知ることができたなら?と思う、
その理想がこの「時間の花」に象徴されているのではないでしょうか。タイム
マシンや、ポケモン的には「ときわたり」など、今現在私たちの世界には存在
しない、理想に。

 そんな旅をするうちに、ルカリオはサトシたちに少しずつ打ち解けていく。
が、樹にとってサトシたちは外界からの、撃退すべき侵入者。なので、攻撃さ
れる。まぁ、これも樹の防衛本能的には当然のことで、樹が悪いわけじゃない。
悪いんじゃないんだけど、こっちも大変!ということで、見ている側もジレン
マに襲われる。ミュウがピカチュウを連れ去ったりしなきゃ、サトシたちだっ
て樹に入り込んで邪魔なんかしないで済んだんだけどさぁ!、とね。

 さぁ、待ってました!ピカチュウと一緒にさらわれたニャースを救うため…
珍しく、他人の上前をはねようといういつものパターンを離れ、これまた仲間
のためにキッドのトランクの中でいちゃついていた(違)ムサシとコジロウの
名シーンです!樹に排除されそうになり「コジ…ロ……」とつぶやくムサシさん
を見て以下映画鑑賞後某Bとの会話

私「そうか、そうだよな!いつもは強がって偉ぶって高飛車だけど、本当は、
心の底で一番信頼しているのはコジちゃんなんだよな、ムサ嬢!!って実感で
きる、名場面だったんだよ!あぁーっっっ!!」<壊
B「それって『コジ…ロ… なんとかしなさいよこのボケーッ、アホーッ』に
つながる、前振りのセリフだっただけなんじゃ…」
 ええいっ、人の願望を踏みにじるヤツだなっ<でもそうかもしれないと思っ
てしまう自分が悲しひ。というかそう思われてしまうコジくんの立場にも同情
するぜ (泣)

 ええい、外野の声はええんや!ここでっ、コジロウくんの美麗アップシーン
がっっ いまだかつて、劇場版でコジロウくんが画面いっぱいに映し出される
かっちょええシーンがあっただろうか。いや、無い(反語)もちろんポケモン
を出しても効果はなかったわけですが、とにかく、ポケモン出すシーンが美麗
であってでしてっ(まぁTVシリーズでもこのバンクはいつもキレイに作って
もらってますよね。いつも吹っ飛ばされてるんで忘れそうになりますが、カッ
コいいんです!)だが、コジくんの最後にして最愛の人への言葉は、チリーン
に向けられていたのでした… そこまで、そこまでチリ子を愛しているんだね、
コジくん!そうか…そうだと思っていたよ。やっぱり、初恋は永遠なのね……

 本筋に戻る。危機を乗り越え、ピカチュウと劇的再会のサトシくん!いやぁ、
やっぱこういうシーンには力・入ってます。トレーナーとポケモンの固い絆を
見て、ルカリオの中にも信じる心がわいてきます。もともと、アーロンへの
信頼が消え去ったわけじゃなかったんだしね、ちょっと疑ってはいたけど。
 一方、ロケット団につづいてタケシ・ハルカ・マサト・キッドも、樹の防御
システムの中に飲み込まれてしまう。この辺まで、キッド・サマーズは絶対最
後に逆転悪者ヴァージョンになって、樹のシステムを解析し悪用して世界制服
を企むと思い込んでいたのは私だけでしょうか?いやぁ、そう思わせるような、
怪しげな描き方してましたよねぇ、明らかに。まんまと、だまされたですよ。
大富豪であるキッドは、そんなアホな考えを持つほど、金にも時間にも困った
人間じゃなかったでした。っていうか、金も時間もあるから、冒険家という
「自分の力でつかみとる」実績にこだわっているんですね。

 さぁ、仲間が連れ去られ、逆を言えば真打ち登場!の場面。アーロンが自分
の波導すべてを費やし、命を落として戦いを止めた事実を知り、今それに挑む
サトシとルカリオ!だが、ルカリオは最後の瞬間、サトシを突き飛ばし、一人
犠牲となる。アーロンの真意を知り、その意志を受け継ぐ、それがルカリオの
一番の幸福なのかもしれない。

 ルカリオの波導により、仲間たちは帰ってくる。この「防御システムに食わ
れたんじゃないんかいっ!」という、お約束の一件落着は「ジラーチ」の時
同様なのですが…真面目に考えるとおかしいのですが、こういうヌルイ設定は
嫌いじゃない、少なくとも私は。特に!!コジロウの声を聞いて、ニャースが
ムサシとコジロウに抱きついていく「会いたかったニャー!」のシーンは、
いいですねぇ!普段は仲間割れが多く責任転嫁の連続な三人組ですが、やっぱり、
固〜い絆で結ばれてるんだなぁ、って。元々ムサコジが抱き合っていたところ
へ、ニャースが飛びついて押し倒したから団子状態なんだけど、三人とも本当
に嬉しそうで、そうだ、おまえら仲良しさんだなっっ、と改めて思ったさ。

 サトシが波導を使う場面がめっちゃカッコよかったんだけど、あのセリフが
無いんで「あれ?」と思ったところへ、みんなに「あいつ(ルカリオ)は、
友達のところへ行ったのさ」と答えて(それって死んだってことなんじゃ…と
みんなが愕然とするなか、それでもそれがルカリオの本当の望みだったはず…
と確信し)胸に手を当て、静かに「…波導は、我にあり……!」とつぶやく
サトシのカッコよさときたら!!波導は、心にあるもの。サトシは単なる素質
ではなく、その意義を受け継いだ、という結末にジーンと来ました!

 EDカットでは、アーロンとルカリオが仲良くチョコレートを食べている
シーンがありましたね。ルカリオはマサトからもらったチョコを(しかしこの子
必ずチョコ持ってるなぁ・非常事態が多いパーティだからかな?)、アーロンの
ところに届けている。二人は本来の時代で、生きているのか?それとも、波導
を使い果たした者が行く世界(露骨に言うと死後の世界・あの世)での、平穏
な日々の象徴なのか?それは、見た人の考え方次第、という湯山監督お得意の
投げ方をしてますね。割と重い終わり方をしたので、PUFFYさんの「はじ
まりのうた」の明るい感じで救われた印象もあったので、良かった。

 サトシくんに「波導」なる特異な力があるという設定は唐突でしたが、やっ
ぱり主人公が活躍してくれると嬉しいです!第一作目でミュウを演じていた
毎年恒例山ちゃんこと山寺宏一さんは、アーロンという二枚目の役だったし。
ゲストさんたちも、皆さん上手かったですよ。ベッキーさんはとにかく演技
上手で、心配なく聞いていられますしね。悪意無き元凶ミュウはこおろぎさとみ
さん。うん、恨めないよこの声ぢゃあ…… なにげに、前作ゲスト主役を演じ
ていた日高のり子さんのナレーションで始まったりしてるし。凝ってる。

 来年2006年は「ポケモンレンジャー」になるそうで、キャストやストー
リーがどうなるか、今の段階ではまだちょっと不安なのですが……
とにかく「ポケモン」はいろいろと力の入った作品作りをしていることは、
いつも…TVシリーズの力抜いて気楽に観れるところもいいし、劇場版の
メッセージ性の高さも評価しているんで… 今後もこの品質を維持しつつ、
小さいおともだちにも大きいお友達にもなにかを訴えかけるような、そんな
作品を提示していってもらいたいです。

 これまで公開された7作品中、6作品を二つの劇場で観てきました(二件は
ごく近所にあって、同系列の映画館だったのです)昨年、その一件が閉鎖し、
今年は残る一件も閉館しました。今この地域には、昨年開設された郊外型の
シネコンがあるだけで、今年のポケモン映画はそこで鑑賞しました。
シネコンへ行くのは初めてで、それはそれで悪くはなかったです。でも…
二十年くらい前は東京のあちこちに、封切数ヶ月後の映画が三本千円とかで
上映されていて(アダルトなものじゃないですよ)、バイト賃金を握って
そゆ古びた映画館に通っていた。家族や友達とではなく(もちろん恋人も無く★)
一人でそういうスクリーンに没頭するのが、好きだった。今はもう、そういう
ものの存続を、この国の状況は許してくれないのかな…と、思ったりする。
 ポケモン映画という、私にとっての夏の恒例行事を通して、妙に懐古的な
気分になったりもしました。

 とにかく、名称が変わろうとも「ポケモン」の今後に、期待しております!!
                                         (05/09/28記載)

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