人ではない  人の形をしたもの



劇場版「ポケットモンスター  水の都の護神」鑑賞記



  こちらは、2002年夏に公開されたポケモン映画第五弾「水の都の護神」
の感想文を掲載してあります。同時上映「ピカピカ星空キャンプ」も併記して
あります。


  今作品の内容に加え、これまで公開された劇場版四作品の内容に触れて
いる部分もあり、ネタバレ満載です。また、筆者の頼りな〜い記憶を元に
書いておりますので、事実と異なる記述があるかもしれませんことを、
あらかじめご了承ください。


  映画の内容を知りたくないとお思いの方は、

  百草園扉  または  ホームへ  お戻り下さい。


本映画の公式サイトは こちら (2002/09まで公開)




  今回は、地元TV局主催の試写会に行ってきました。
まさか抽選に当たるとは思わなかったのですが…6枚書いた労力が報われた(笑)
7月7日午前9時過ぎ。映画館の前はすでに長蛇の列。ををっ、家族で2枚
持ってる人もいるぞ。そういうわけで、観客の半数以上がお子様でした。

  これといって前振りもなく上映開始。まずは短編「ピカピカ星空キャンプ」
これは短編第三弾「ピチューとピカチュウ」に登場したピチュー兄弟との
再会話です。汽車から落ちた兄弟を、駅まで連れていって汽車に乗せてあげる
までの大冒険を描いたもの。まず、昼間は遊ぶ!(目的?それは二の次・笑)
段々になった滝を滑り落ちる場面は、効果音のおかげもあって、すごく
楽しそうで、プールに行きたくなりました。
  お次は夜。星もキレイだけど、怪しいポケモン登場で、やおら肝試しチック。
こういうドキドキが、また楽しいんだ。
  が、突然雨。水車小屋に避難。なにか起こりそうでしょ。起こります(爆)
大変です、大惨事寸前です。良い子はマネしないよーに。
  さぁ最後は駅だ。だが、汽車は出る出る煙を吐いて。やっぱ鉄道モノは
描きがいがありますよね、ポイント切り替えとか、トンネルとか、立体交差
とか。この汽車はフルCGだったかと思いますが、すごくキレイでした。
とにかくテンポよく見所満載なので、会場のお子様たちも大興奮のご様子。


  次は本編「劇場版ポケットモンスター  水の都の護神
ラティアスとラティオス」 の感想であります。

〈あらすじ〉水の都アルトマーレに立ち寄ったサトシたち。
水上レースを楽しんだりしていたけれど、街の秘法・心のしずくを
狙う怪盗姉妹との攻防に巻き込まれて…


1  伝説〜怪盗姉妹
  まず、アルトマーレと心のしずくの物語が語られます。
木目を生かした絵で「箱根寄木細工?」なんて思っちゃいましたが、
これはマーケタリーという西洋では古くからある、絵画手法だそうです。
それを真似して描いているのですね。

  てな話を入手の、怪盗姉妹ザンナーとリオン。
ザンナーは派手でお気楽。リオンは野望を抱く妹。
ショッキングピンクのスポーツカー、そんなにスピード出したら次のカーブは
曲がれませんぜ、まさか…  そう、まさかでした。

  なんと、車がジェット機に変形して、海上を疾走(笑)

やってくれますねぇ…やってほしいこと必ずやってくれます、このアニメ☆
  全編を通じて登場のこの姉妹、神田うのさんと釈由美子さんが演じています。
素人さんが声優の真似事をすることに、必ずしも賛同しない私ですが、さすが
の存在感を出してくれていました。役に合っているのもありますが、やはり
これまでのさまざまな活動がバックボーンであるから、輝くんだな。


2  OP・水上レース

  さて、アルトマーレ名物水上レースです。ポケモンに引かせたポッドに乗り、
操縦してゴールを目指す。実況は広川太一郎さんだ!名調子!!
  OPはやはり、松本梨香さんだ!cobaさんのアコーディオンが
雰囲気を盛り上げます☆
  ワニノコで善戦していたサトシは、ラティアスたちの巻き添えで脱落★
その代わり、もう猛スピードで挽回してもらっちゃいます…そう、ラティアス
とラティオスは姿を消す能力がある!ま、そんなズルはイカンので、結局は
コースアウトするんですが…
  優勝は水ポケモンクィーン・カスミ。二位に入ったゴンドラ乗りのロッシ
さんに、ゴンドラに乗せてもらいます。ポケモン映画の常連山ちゃんこと
山寺宏一さん、今年はこのロッシ兄ちゃんでした。出番ここだけ…


3  人ではない  人の形をしたもの

  水都に潜入の怪盗姉妹。偵察用カメラのデザインは、天才ダ・ヴィンチの
ヘリコプターを参考?モノアイと、ダークトーンのカラーリングが不気味。
  そして、人間に変身したラティアスを発見。カノンの姿をしています。
熱量でも区別できるし、特殊な眼鏡をかけると透明化しても見つけることが
できるようですね。さっそく追いかけるが、その場はサトシが助ける。

  なんとか連中をまいた二人。サトシに関心を抱くラティアスの可愛らしさが、
なんとも言えません!この時点では、カノン本人がラティアスなのかどうか分
からなかったのですが、いずれにせよ…サトシのことを好きになっても、この
子の想いはどうにもならない。それが、この時点ですでに分かってしまう。
サトシは人とポケモンを区別するような子じゃない。でも、相手が人間の姿を
している。それは…なんだか心揺さぶられる。なぜ?

  いつしか、元の場所に戻っていたサトシ。タケシたちと合流し、大聖堂見学
へ。ガイドのボンゴレ爺さん語ります。う〜ん、終始抑え目の演技を必要と
されるこの役、グッチ裕三さんの持ち味が生かされたとは思えないんだけど…。
もちろん、そつなく演じておられますけどね。
  ここで、絵を描いていた少女カノンに気づき、追いかけるサトシ。もちろん
彼女はサトシのことを知りません(本物は白いベレー帽が目印です)
  が、いつしかラティアス・カノンを追いかけることに…逃げる女・追う男。
ボーイ・ミーツ・ガールの王道がここに!あぁ、もう恋は始まっているんだ…
と、ワクワクドキドキする展開であります。
(会場のお子ちゃま方はそろそろ飽きてきてたが(^^;)


4  心のしずく

  聖域に踏み込んだサトシ。ここで本物カノン登場。ラティアスたちの秘密を
知る彼女は闖入者を敵視しますが…ボンゴレ爺さんがかばってくれます。
えっ、この爺がラティオスなのか?…なんか嫌だなぁ、どっちかというと
さっきのロッシの方が…いえいえ、ラティオスは変身してません。ホッ
  ラティアスは変身を解き(さすがに池に落ちそうなくらい驚くサトシ)
仲良く遊びます。「妹に馴れ馴れしくしやがって…」とピカチュウに八つ当た
りしていた兄ラティオスも、なんとかサトちゃんを認めてくれたもよう。
  ラティアスの子供らしい無邪気なじゃれ方が、また可愛い。「遊ぼ、一緒に
遊ぼ!」って感じで、本当にサトシのことが気に入って、嬉しくて仕方ない!
という仕草を見せてくれます。
  緑につつまれた庭園に、街を守る「心のしずく」その力を発動させるのが
大聖堂の機械。美しい緑の中で…あぁセル画のサトシたちが、ちょ〜っと
平板に見えてしまうかも。セルとCGどちらも良い点があるから、さらなる
融合に期待したいなぁ。


5  兄の愛  そして  死

  夜…怪盗姉妹はラティオスを捕獲し、大聖堂の装置を起動させてしまいます。
逃げのびたラティアスは、サトシの元へ危機を知らせに!さっそく大聖堂へ向
かうけれど、通路はふさがれるし、化石ポケモンのプテラとカブトプスは復活
してくるしで大変。水上レースさながらの大バトルが繰り広げられます。
  寝てるところを叩き起こされたので、サトシはいつもの上着と帽子を身に
つけてません。そこがなんとなく大人っぽく、普段と違う印象を受けます。

  装置を起動させたリオンは、世界征服の野望にとり憑かれてしまいます。
ザンナーはただ享楽的なだけの人なので、妹の豹変ぶりに付いて行けません。
この辺のおろおろした感じが、実はすごく良かったです。

  遂に装置は暴走をはじめ、心のしずくは汚され消滅します。
水の都を、大津波が襲う時…ラティアスとラティオスは立ち向かいます。
だが、ザンナーたちの拷問のせいか、妹を救うためか…兄ラティオスは、静か
に天に召されます。心のしずくを残して…この結晶には、こんなに悲しい事実
が含まれていたのか!そして…夢映しで見る、ラティアスの視線。水の都だけ
ではなく、水をたたえた美しいこの星を、はるか天上から見守り続けていく。


6  恋せよ乙女・ED

  てなわけで、ちっとも出番の無いまま終わるロケット団はともかく
(今回は怪盗姉妹が出張ったからなぁ〜次回に期待してます★)

  旅立ちの日。桟橋に来たのはカノンなのか、ラティアスなのか?
それは…明確にしないまま、余韻を残して終わるけれど…
  私はラティアスかな?と、思っています。言葉をしゃべらなかったし、
ベレー帽かぶってなかった。カノンもこれだけキレイな絵を描いたってことは、
サトシになにか感じるものがあったのかもしれないけど、やっぱキスするって
いうのは、もっと強い愛情表現だと思うので。

  兄を亡くしたけど…まだ、仲間がいる。守るべき街がある。
  そして…旅人に恋してしまったラティアスは、泣いていたか?
  否…その想いを胸の中に大切にしまって、彼を見送った。

  一方のサトシは?うろたえるでもなく照れるでもなく(まぁまだ、子供なん
だけど)なんだかガッシリと、ラティアスの気持ちを受け止めていたように
思います。すごくカッコよかった。サトシはこの5年間の劇場版の中ですごく
成長してきたけど…なんか今回はことに大人の「男」になったなぁ、と感じた。
  …そういえば、サトシラヴのベイリーフが登場しなかった。
ベイリーフ対ラティアス、女の戦い!って…ドロドロするから却下(^^;)

  想いに応える、ってことは出来ない…人間とポケモンだから?旅人だから?
そうじゃなくて。ずっと一緒で、ずっと結ばれる恋ばかりじゃなくて、でも
出会って「好き」が生まれた時迎えるいろいろな結末の中で、彼らの結末も
また、とてもステキなものだったと思います。むっちゃ、切なかったけど(泣)
  だって、出会ったその瞬間から、結ばれないって分かってるんだもーん★
二人が近づくにつれ、どんどんその事実が重く感じられて…って、アタシだけ?
  でも…ポケモン映画も5作目。5歳で見始めた子も、10歳になったら…
こういう機微分かると思う。いや、分かってほしい。男の子も、女の子も。

  しかしみんな、EDになったら、すぐ席立ったねぇ…
宮沢和史さんの歌もステキだったし、怪盗姉妹の結末もちゃんと明らかに
されていたんだがなぁ。試写会だし、子供だとこの長時間じっとしてるのは
不可能に近い〜というのは分かりますが(EDテロップで声優チェックしてる
なんざアタシぐらいだって(^^;)

  同じ作品で5年続けて映画を作るって、本当に大変なことだと思います。
どの作品もそれぞれにテーマを持ち、アクションもあり、心の動きも描き、
とても素晴らしかった。今後も期待しています☆

                                             (02/07/13記載)

百草園 扉

ホーム