一般にメーカー製PCのCPU交換が難しいと言われているのは、交換作業が特別難しいという意味ではなく、CPU選択のための情報が殆ど無いに等しく、動作しなくても解決策無し、事実上CPU交換自体が不可能な場合も「実際にやってみないと判らない」ということです。
※当Pageは NEC VALUESTAR L VL570/7D( Socket 478 )の場合の例です、注意事項を読んで自己責任で作業して下さい。
PCの電源を切り、電源、モニタ、LANなどの配線を外し、本体のカバーを開ける
出来るだけCPU周辺のパーツを外すなど、作業空間を確保。CPUクーラーの電源コードも外した方がいい
-----------------------------------------
1.冷却ファン、ヒートシンク(放熱板)を固定している金具、レバーを外す
2.冷却ファン、ヒートシンクを慎重に外す(※1)
3.CPUソケットの固定レバーを解除してCPUを抜き取る(ピンを曲げないように垂直に抜くこと)
4.新しいCPUをセットし、固定レバーを確実にセット
5.ヒートシンク側に残ったグリス(熱伝導シートなら剥がして)を綺麗に拭き取る(※2)
6.CPUのヒートスプレッダ(金属の平らな部分)にグリスを塗るか、熱伝導シートを貼る(※3)
7. 1.2.の逆の手順でヒートシンクとCPUクーラーを固定
-----------------------------------------
外したパーツ、本体のカバー、配線などを元に戻す。電源を入れてエラーが出ないのを確認。(※4)
![]() | ![]() | ![]() |
|
ヒートシンクの下にあるCPU 戻す時は写真右下の▲マーク で向きを合わせる。 |
ソケットから抜いた状態です 左の写真の▲位置だけピンが 無いのが判る。 |
熱伝導グリスの塗布量は少過 ぎ厳禁、大過ぎもダメ。 CPU表面の文字が見えない位を 目安に。 |
※1 グリスの粘着力で張り付いているCPUごと抜けることもある、動かない場合はじわ〜っと水平に回転させつつ、粘着テープを剥がすイメージで慎重に慎重に。
外したCPUをどこかで売るなり再利用する予定がないなら失敗してピンが曲がってもいいかな^^;;
※2 個体差かも? かなり多め(ヒートシンクの裏に広範囲に)にグリスが付いていました。
ヒートシンク側は爪楊枝などで中央に寄せて、外したCPUからは換装するCPUに移しても大丈夫な位の量が確保出来るかも。
※3 別項目 熱伝導グリスについて 参照
※4 CPUコードエラーが出る場合は、BIOSでCPUを正常に認識出来ていない状態なので
1)BIOS画面が呼び出せるなら、試しにBIOSをデフォルト設定で再起動
2)ダメなら一度バックアップ電池(マザーボードのどこかにボタン型電池があるはず)を取り外して数分放置(設定を記憶しているCMOSをクリアー)後、電池を戻して再起動
3)それでダメでも、交換作業自体に問題が無く似たようなクロック数の同じ種類のコアを使ったCPUなら動くはず。
4)様子を見ながら使って、特に不具合がないようならそれで良しとするか、気になるなら諦めて元に戻す
5)画面に何も映らない場合は作業に失敗してる可能性が高いので1.〜再度確認
BIOSが非対応の場合は、影響範囲予測不能なのでそのつもりで。(自分の見込みに自信がないなら元に戻した方が身のためです)
CPU交換は、動くか動かないかのハッキリした結果になるはずで、動作不安定というのはCPUの消費電力にPC本体の電源が追いついていないなど、外部要因である事が殆ど。
注:ここでは Celeron → Pentium4 へ交換をしているが、比較的上位のCPU搭載機種はやってもあまり効果はない事もある(差が体感出来ない)。
(例えばiPodを使うのでiTunesでCDからデータを取り込むとか、ソフトをインストールするのに圧縮ファイルを解凍したりとCPU自体の計算能力を使った処理を行わせると気になるのが、その処理速度。
実用上は問題ないと言われるが、Celeron と Pentium4 を比べると、確かに遅い。
|
色々書いてるが、2GHz以上のNorthwoodコア→2.8GHz以下のNorthwoodコアへの換装なら、 途中は全部読み飛ばして、中程にある 簡単なまとめ →後半の 載せ替え手順 だけでもいい。 保証はしないが、多分、確実に動く。 |
![]() | ![]() |
|
省スペース型PCのため、CPU冷却ファン、 ヒートシンクもかなり小型。CPU換装の ためにはこれを外す必要があります。 |
写真の様に、固定している金具を外し CPUの交換を行いますが、空間も狭く、 多少の力も必要な細かい作業となる ので、あまり無理しないように。 |
VALUESTAR L VL570/7D のCPUは Celeron 2.4GHz ですが、CPUにはもっと細かい区分というか仕様の違いがあって、CPUを交換する場合にはその細かい違いを意識する必要があります。
すでに搭載されているCPUの詳細を調べるのには インテル プロセッサ Identification ユーティリティ やCPU-Z、CPUIDなどのシステム情報表示ツールを利用するのが簡単。
交換作業の練習を兼ねて現物を確認するのも一つの手です、PCの筐体を開け、CPUクーラーとヒートシンクを外し(→やり方は本文参照)、CPUの表面に記載されている記号を読み取り、インテルCPUスペックファインダーで詳細を調べておきます。
搭載されていた Celeron 2.4GHzは sSpec Number SL6VU(詳細区分・仕様) Core Stepping D1
Core Voltage 1.25V-1.525V(CPUの動作電圧)/ Thermal Guideline 59.8W(消費電力)/ Thermal Spec 71-C(耐熱温度)
この機種の仕様一覧からSilicon Integrated Systems社製 SiS651 / SiS962L チップセット(を使用したマザーボード)であることが確認出来る。
参考:SiS社のSiS651情報を見れば FSB 533MHz/400MHz の Pentium4 対応であることも判る。
この機種に限らず、チップセットが共通であれば、その機種のシリーズにある最上位のCPUまでは換装出来る「可能性が高い」。(必ず出来るとは限らない)
VALUESTAR L VL570/7D 場合は上位機種 VL 700/7D にPentium4の2.66GHzがあり、同一チップセットを使用した後継機種には同 2.8GHz 搭載機種がある。
載せ替えの選択肢は、チップセットの詳細とマザーボードのCPUソケット(ソケット形状が違うものは物理的に付かないので問題外です、たまにゲタというのもありますが^^;)から判断する。当WebSiteの例では FSB 533MHz または 400MHz のPentium4またはCeleronで、ソケットの形状はSocket 478。
Celeronの2.4GHzから換装するので、性能的には2.0GHzを超えるクロック数のPentium4。
FSB 533MHz 動作の NorthWood コアと呼ばれている Pentium4 が良いと思う、Prescott コアのものは止めた方が吉(後述)>
前出の インテルCPUスペックファインダー を眺めていくと、換装候補は上位機種と同じ 2.66GHz か、実用的にほとんど差が無く低発熱の 2.4BGHz、性能優先で2.8(2.8B)GHzか。この機種のCPUを冷却する放熱板とファンの大きさから発熱の大きい 3.06GHz のものは少し不安。(3.06MHzはハイパースレッティング HT 対応という別問題もあるので、とりあえず止めた方が吉かも)
例えばこんな感じ。
Pentium4 2.8GHz(sSpec Number SL6PFの場合)Core Stepping D1
Core Voltage 1.525 / Thermal Guideline 68.4W / Thermal Spec 75-C
Pentium4 2.4BGHz (sSpec Number SL6Q8の場合) Core Stepping D1
Core Voltage 1.53V / Thermal Guideline 59.8W / Thermal Spec 71-C
※同じCPUでも製造時期によって仕様が変更されているので Core Stepping ( CPU ID ) も合わせるとより安全。
|
簡単にまとめると、CPUの換装はM/Bの電源供給能力とBIOSが対応しているのが条件で、 載せ替えが成功する 可能性高い 1.← →4. 可能性低い です。 |
搭載したCPUを正しく動作させるためには、搭載されているBIOS(マザーボード上に組み込まれている)が、そのCPUに対応している必要があります。
CPUの細かい違いを Core Stepping ( CPU ID ) から判断して動作電圧などを設定するのはBIOSの仕事ですが、メーカー製のPCの場合どこまで対応出来るのかBIOSの対応状況が不明な事が多く、当然サポート対象外で新しいCPUに対応するBIOSの更新が殆ど望めないなど、その機種が発売されていた時のラインナップにある上位機種搭載のCPUまでは動くのでは?という仮定とか運頼みになってしまう。
正しくCPUが認識出来ない場合、いわゆる自作機では動作クロックの変更や電圧が手動で設定出来たりるので全くダメという状況にはなりにくいのですが、メーカー製PCの場合はBIOSの機能が制限(通常使用を前提に安全に作られているため、手動で設定値を変えるような事は出来ない)されている場合が殆どで、動かないようなエラーが出る場合は諦めて元に戻すことになる。
もう少し詳しく知りたい人 >>メーカー製PCのCPU換装を考えている方へ をお読み下さい。
発熱するCPUとヒートシンクの間に僅かに生じる隙間を埋めることで熱伝導を助けるグリス。シリコングリスが使われることが多く、高級品は酸化アルミニウムや銅紛など熱伝導率を高めてある。
グリスが少なすぎて隙間や気泡が生じると効果が激減、厚く塗りすぎるとかえって熱伝導率が低くなってしまうなど使用量の見極めが難しいが、適正量で使った場合は非常に高い効果を発揮する。
効果はやや劣るが便利な熱伝導シールが使われる事も多い、リテールクーラーも同様の金属薄膜シートを使用している。
高性能グリスの使用や塗り方の注意や工夫で数度程度CPUの温度が下がる場合があります、塗り方に不安のある人は、他に詳しいサイトが多いので適当に検索して下さい。
(※放置中です)新しい情報は 購入ガイド/参考/リンク へ
PCがあまり古くなると、CPUの世代交代のため入手が困難になってきます。
その時点で一般に売っていない場合はネットオークションまたは中古パーツ市場で探す事になりますが、性能的には入手の容易なもので妥協する事も必要になってきます。
また、対応するCPUの入手がネットオークションや中古パーツ市場でも見つかりにくくなっている場合は、買い換え時期のタイムリミットとも考えられますので作業を決行するのか冷静な判断をお勧めします。
※2005.5.16現在入手可能なFSB533MHzのNorthWoodコアのPentium4参考価格(某通販サイトより)
P4-2.26 533MHz BOX ¥13,480-
P4-2.4B 533MHz BULK ¥14,500-
P4-2.66 533MHz BOX ¥18,980-
P4-2.8 533MHz BULK ¥18,470-
※2005.7.5現在入手可能な同参考価格(某通販サイト平均価格)
Pen4 2.26GHz (FSB 533MHz) BOX \13,517- / Bulk \13,180-
Pen4 2.4BGHz (FSB 533MHz) Bulk \14,833-
Pen4 2.53GHz (FSB 533MHz) BOX \18,262-
Pen4 2.66GHz (FSB 533MHz) BOX \20,272-
Pen4 2.8 GHz (FSB 533MHz) Bulk \19,224-
Pen4 3.06GHz (FSB 533MHz) Bulk \24,500-
最新価格は要確認 >>購入ガイド/参考/リンク
BOXは化粧箱に入ったIntel純正冷却ファンとのセット売り、BULKはCPU単品売りが多い。
今回は冷却ファンは標準搭載のものを流用するので、Intel純正冷却ファンは使わないためバルク品でもOK。
価格、性能、発熱などから2.4BGHzをお勧めしておく。
私が換装したPentium4 2.4BGHzは sSpec Number SL6D7 Core Stepping B0
Core Voltage 1.525 / Thermal Guideline 57.8W / Thermal Spec 70-C
FSB533MHz動作NorthWoodコア最高峰3.06GHz(HTを有効にするのにはBIOSの対応が必要、認識しない可能性もあり、恐らく無理)
Pentium4 3.06GHz sSpec Number SL6QC
Core Voltage 1.530 / Thermal Guideline 81.8W / Thermal Spec 69-C
のようにあまり欲張って高性能CPUへ変更すると、増えた発熱に対する冷却能力の不足や消費電力が増える事による電源への負担増など、最悪、それが原因で故障するリスクも出てくる。
Pentium4 2.4AGHz sSpec Number SL7YP Core Stepping D0
Core Voltage 1.285-1.400 / Thermal Guideline 89.0W / Thermal Spec 69.1-C
使わない方が良さそうなPrescottコアの例ですが、消費電力が大きいので比例してCPUの発熱も大きい。しかし逆に耐熱温度は低いので、高い冷却性能をPC本体側に要求している事になり、この機種のような省スペース機では厳しい。さらに同一クロックならNorthWoodコアの方が少し速い。