Ai ズームニッコール 35-70mm f3.5s の話

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Ai ZoomNikkor 35-70mm 1:3.5s #93290*

photo_ZoomNikkor 35-70mm 1:3.5s

●35-70mm f3.3-4.5 ぢゃないぞ!ましてやf3.5-4.8なんて… 全然別物です。

 今となっては貴重なf値が変動しない標準ズームレンズですね。1980年代初め日本光学工業(現ニコン)ではレンズのAi-s化を進めていて、1981年12月発売の此のレンズは同時に光学設計の変更もなされているようです(最短撮影距離が違いますから…)。今では「平凡な」と言うより時代遅れのスペックになってしまい、大きさも現在の基準からすると信じられないくらい大きく、また重い標準ズームレンズです。ただ、実際にこのレンズを見ていると現在のレンズに比べ非常に良心的なというか真面目なというか、コストのかかっているであろう造りであることが感じられます。現在のズームレンズに多く見られるような全長の大幅な変化(テレ側でズルズルと全長が伸びていき見苦しい姿になりますよねぇ〜、どうしても好きになれません)が起らない…光学系の移動方式が違うらしいのですが…、私は無理に見かけのコンパクト化を図らない(図れない?)従来の設計の方が好きです。もっとも複雑な構造になりますので高価に、大きくなってしまうのでしょうけれど。

●このように古い設計でコンパクトとは言い難い大きさと重さで、光学性能の方も現在の基準からするとかなり個性的な(笑)描写をする様ですが(どこぞの受売り、私は見ても判らないんで…かなりシャープだと思うけど、ボケ味とか言われてもよくわからないしなぁ(笑)たしかにちょこっと発色が黄色っぽいというか古くさいような気はするんですが)、当時としてはかなり高価なレンズであったことも確かで(定価9万6千円だったか?)す。 昔はズームレンズって高かったんですよねぇ。
もっともこのレンズ、現在で言えば28-70mmf2.8などの標準大口径ズームに相当するのでは?
 また、最新の35-70mmっていうのはどれなんだか判らないので比較のしようがないのですが、このレンズは歪曲収差がかなり少ないように感じられます、無理に小型化しない方が周辺光量や歪曲対して有利なことは事実ですよね。なお、テレ側70mmでマクロ機構が働き0.35mまでの近接撮影もこなせるようになっています。このときの撮影倍率は1/4倍、テレマクロなので対象物のゆがみも少なくかなり使えます。わざわざマクロレンズ(ニコンではマイクロ)を持ち出さなくても、ちょっとした接写にも使えてしまうという事で飛躍的(ちょっと大げさ)に使用範囲が広がるもので、大きく重いなどと文句を言いつつ持ち出す回数が多くなります。ほぼ同じスペックながら近接能力の低すぎるE36-72mmなどはついつい置いていってしまいますね。

●9群10枚構成で重量520gと結構大柄であり、平凡で特に魅力的なスペックではないことからか?あまり人気もないようで、中古市場でもそれほど高い値が付いていません。Nikkorレンズの場合、程々の人気があれば定価の40〜50%弱位の値が付くモノがほとんどなんですが、これ、結構安い。 マニュアル露出で使う場合に、ズーミングによるf値不変というのは、やはり使いやすく、と言うか絶対使いやすいので、持っていても損はしないレンズであると思います。もっとも私はデザイン的に一番合うF2専用レンズみたいな感じで持っているだけなのですが…。単焦点派って訳ではないですが、あんまり高倍率なズームって好きになれないって事もあるんで、お気に入りの1本です。「物」として見たときに決して手抜きが感じられない凝った造となっていて、MFレンズ特有の持つ喜びが感じられるレンズです。

改訂:H11.11.7
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